四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その33)

2022年05月04日 05時05分50秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その33)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「白ツツジ」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】4月20日BSNHKで「皇居の宝物・盆栽」をやっていました。皇居内大道庭園には
    何と樹齢550年の老木「三代将軍」がありました。
☆五葉松 風格のある 逸品で 古色溢れる 自然の極み
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】4月23日軽井沢プリンスホテルウエストは桜が満開になりました。
    隣接9ホールゴルフコース1番ティグランド側に咲く桜の木は圧巻です。
☆芝生にも 舞い散る桜 ひらひらと 笑みがこぼれる 春の訪れ
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】4月24日「信濃のコロンボ」を放映していましてタイトルが「追分殺人事件」
    でしたが、追分節に興味を持ち調べて見ました。以下のようです。
☆追分は 信州小諸の 馬子唄が 越後江差と 見事に昇華
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 「五葉松」「舞い散る桜」「追分」を題材に、情景を生き生きと描写し分り易い
 詠歌と思います。
 また、「追分節」の成り立ちを調査し、短歌に詠み切る作者の探求心を是としたいと
 思います。
 一首目の「五葉松」は徳川三代将軍家光が、愛蔵したといわれる歴史的な逸品との
 ことですので、その歴史も詠みこんでみましたが、いかがでしょうか。
 ★徳川の御代を語るか五葉松 その身に刻む時の相克


【詞書】たんぽぽの花が群生しているところがあります。真っ黄色でとても綺麗です
    ところどころに、まん丸の綿毛がすくっと立っています
    綿毛を見るとつい「フー」っとしたくなることを詠みました
☆たんぽぽの 綿毛かわいや 手折り見て 吹きかけし息 風に揺れ行く
                         さわやか♪さん

【解説】
 今の季節、タンポポの花が咲き満ち、綿毛となったタンポポも所々に見えますね。
 そんな綿毛のタンポポを手折り息を吹きかけ飛ばすのは、幼いころからの楽しい遊びの
 一つでもありますね。少女の心が覗く楽しくも懐かしい詠歌と思います。
 「吹きかけし息 風に揺れ行く」の表現が、少し気になります。
 「風に揺れ行く」のは、タンポポの綿毛ですので・・・。添削してみました。

 今回も、4回ほど作者とネットで交信し添削、推敲を繰り返し次の作品に整いました。
 ただ「地におりゆきて」の「て」が、少し気になります。一般的に「て」は接続助詞に
 なりますが、まれなケースで「終助詞」※として扱うこともありますので、この歌を是と
 したいと思います。 ※:旺文社 第二版「全訳 古語辞典」 
 ★たんぽぽの 綿毛かわいや
    吹く息に ゆらゆらゆらと 地におりゆきて


【詞書】ウクライナ、知床遊覧船と惨状続きで、浮かれていてもと投稿を躊躇してましたが、
    明るい波動を送りたいと思います
☆そよ風に揺れる桜に近寄れば
          染井吉野の香り降りくる
☆大粒の真っ赤ないちごにかぶりつく朝の食卓春陽こぼれる

                         リコさん

【解説】
 「明るい波動」を確かに受け取りました(^-^)。
 一首目の「香り降りくる」は、咲き満ちる染井吉野を捉えて、視覚ばかりでなく、嗅覚でも
 詠み切る素敵な表現で、学びたい視点であり、技法と考えます。
 私達後進のためにも、このように学びに満ちた詠歌を詠み続けて頂ければと思います。
 二首目の「かぶりつく」も口語短歌ならではの、大胆な表現ですが「動きが生きて」いると
 考えます。

【詞書】魔女の宅急便を
☆子供の頃から空を飛べるよ。だから山も川も知ってるんだ
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 大人になる魔女のキキ。魔女の宅急便を。
 私も空を飛べる。空想の中で子供は生きる。

【解説】
 映画『魔女の宅急便』はスタジオジブリが製作し、宮崎駿が監督を務めた
 アニメーション映画でしたね。
 1989年に公開され、今なおテレビでの再放送等を含めて愛される作品ですね。
 魔女の少女であるキキの成長をテーマにしており、中でもトンボとの気になる関係は
 見どころのひとつですが、その後二人は結婚し二人の子供を設けると、原作には
 あるようです。
 「空想の中で・・・生きる」は、いくつになっても私たちの深奥にある想いとも
 感じます。まして子供の時代はその想いが強かったとも思っています。




☆聴こえないことの無念はわたくしをきついをんなにしたかもしれぬ
☆聴こえゐた幼きころは大人しい優しい子だと言はれてをりき
☆人のゐぬところでよく泣くことなどは人に知られることもなきなり

                         かぐや姫さん

【解説】
 作者からは「このサロンの参加者の友人の方から忠告された為、反省し出詠を控える」
 旨の連絡を頂きました。
 しかし、このサロンは冒頭でも記しています通り、短歌を通して楽しく交流し、
 学び合う広場です。従って、短歌の作歌経験の長い方も、初心者の方も皆フラットな
 立場で、屈託なく意見の交流を行い、その中から学び合って行くことをモットーとして
 いますので…、引き続き出詠して頂ければとお願いし、今回の出詠となりました。
 また、文語、歴史的仮名遣いの短歌も、私たちの学びにもなりますので大いに出詠
 頂ければと思います。

 三首目、人は皆、人知れず流す涙を経験してきたことと思います。悔しくて、嬉しくて、
 また、眠れぬ夜を重ね絶望の淵に立ちつつ枯れた涙を、さらに振り絞るように流した
 涙を経験した方も少なからずいることと思います。それでも流した涙を無理やり拭い
 前を向き歩みつつ、今日に至っているものと思います。そんな思いを新たにし、共感を
 呼ぶ詠歌と思います。


☆たのしみは 庭木にとまる鳥たちの チチッと交わす声を聞くとき
☆たのしみは 絶え間なくさく草花の 今日の一つを友に描く時
☆たのしみは 芽が出た花だと歓喜して 摘みたて薫る莢を食むとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 「チチッと交わす声を聞く」「絶え間なくさく草花」「摘みたて薫る莢を」等々、
 目の前の何気ない情景に温かな眼差しを向け歌に詠む。この詠歌の描く世界観と
 視点には、「短歌作歌の原点」として、いつも学ばせて頂いています。


【詞書】初苺とは、今年初めて畑に出来た「小さい一粒の苺」です。
    それを収穫しましたが、嬉しくて詠みました。
☆初苺 クロを交えて 一粒の
      ささやかながら 摘まむ幸せ

                         クロママさん

【解説】
 「初物」はどんなものでも、新鮮で嬉しいものですが、それがご自分で育てた苺となると、
 嬉しさは格別と思います。そんなうれしさが溢れる詠歌と思います。
 なお、三句目の「一粒の」は「一粒を」ではいかがでしょうか。
【ご参考】
★初苺 クロを交えて 一粒を
      ささやかなれど 摘まむ幸せ


☆惨状に辛くて変える画面には 笑い溢れて また辛くなる
                         ポエット・M

【解説】
 連日、ウクライナからのレポートも含めて、マリウポリ、ブチャの惨状がテレビ画面を
 通じて報道されています。その惨状の下で子供たちも含めて、多くの人々が惨殺されています。
 これらの報道も、現地の実態のほんの一部かも知れませんが、それでも見ることすら辛く
 なり、画面を変えたことがあります。その瞬間、画面にはバラエティー番組のお笑いが
 溢れていました。この落差に素直に笑えず辛くなり、そんな想いを詠んでみました。
 


 
「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (34)
 8.浅き夢みし(3)


  色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ 有為の奥山
                 今日越えて 浅き夢見し 酔ひもせず
                     『寺子屋の教科書「いろは覚え」』
   花野辺を
     真白き蝶の
       影のごと
     君のまぼろし
        翔け去りゆけり

     ふりむけば
       ふりむく刹那
         幻影は
        虹のごとくに
          消えて跡なし

       満月の
         夜の湖に
           羽化したる
          蜉蝣のごとき
            君が命よ

     花野辺の
       花も光も
         恨むごと
        泣いていつしか
          星の降る夜
   
    流れ星
      すみれの好きな
        君がいて
       摘みて歩むや
         天の野原を



     「石楠花の花」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】先週に引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・字足らず
 などがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と位置付けたいと
 思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、極端な
 破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも     塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は   岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上にとどかざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
 「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」
 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (12)
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