四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その36)

2022年05月25日 05時00分08秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その36)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「ジャーマンアイリス」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】5月12日御代田町のココラデに行って来ました。浅間山麓周辺が新緑の
    季節になって来てとても清々しい1日でした。
☆新緑に 初夏の風が さらさらと 妻とかたらう 浅間山麓
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】5月12日BSNHK「月の魔法が奇跡を呼ぶ・グレートバリアリーフ」を
    放送していました。満月の日に珊瑚の大産卵がはじまります。自然の不思議さを
    まざまざと感じました。
☆サンゴ礁 大産卵の 不思議さは 月が生み出す 地球の動き
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】5月13日長野放送で「わが家のアイドル牝犬ナナ」を放送していました。
    人に寄り添う姿勢は涙ものです。4・5句を伝えたかったのです。
☆介護犬 安心感が 嬉しくて 寄り添う姿勢 人より深し
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 いずれも生活の周辺に題材を求め詠んだ、内容の良く分かる詠歌で共感します。
 一首目、「四季折々の景色を楽しみながらコーヒーを片手にパンを食べて頂きたい」との
 オーナーの想いを実現した「ベーカリーココラデ 御代田」で詠んだ歌です。
 まさに、いまの季節、新緑の彼方に聳える浅間山の雄大な姿が浮かぶ歌でもあります。
 情景を整理しつつ奥様との語らいをメインに詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★新緑の揺れるテラスに妻ともに 語らうかなた 浅間は聳え



     「ベーカリーココラデ 御代田の外観」 注)ネットから借用しました。

【詞書】答は友よ!風の中に有る ボブ・ディラン「風に吹かれて」を
☆誰も歌わなくなった歌を今日も誰かが歌っているのだろうか
                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 今日もウクライナ情勢が報じられて、悲惨な状況が伝えられている。
 ところで、反戦活動が報じられている?と言う疑問が有る。反戦歌の代表であるボブ・ディラン 
 風に吹かれてを誰かが歌っているのだろうか?答は風の中にしかないだろう。
 拙blogにYouTubeボブ・ディラン 風に吹かれてと共に、愚詠も掲載しているので、
 ご覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/c5d0db82da4d22484afcc94dc48aa858

【解説】
 「風に吹かれて」(英: Blowin' in the Wind)は、ボブ・ディランのセカンド・アルバム
 に収録された楽曲ですが、ピーター・ポール&マリーのカバーが世界的にヒットして、
 作者のディランを一躍有名にした曲と記憶しています。
 1960年代のアメリカ公民権運動の賛歌とも呼ばれ、現在に至るまでディランの作中最も
 愛唱されることの多い楽曲となっていますね。
 「答えは風に吹かれている」というリフレインで締めくくられる、この歌詞は聞くものに
 自由な解釈を委ね、既成の社会構造に不満を持つ人々に広く受け入れられたと思います。

 マリウポリ製鉄所でのウクライナの「戦闘任務」は完了したとの宣言があり、マリウポリの
 陥落が伝えられましたが、降伏したウクライナ軍兵士の勇気ある決断を讃えたいと思います。
 彼らの3か月にわたる戦闘に敬意を表するとともに、ロシアでの反戦、停戦へ向けた民衆の
 戦いのうねり、脈打つ地下水脈を支持したいと思います。
 そして、彼らの脳裏に「風に吹かれて」の曲が響いていることを…。そんな思いをかき立てる、
 今回の短歌を改めて味わいたいと思います。


【詞書】次第に木々の枝が伸びてきて、散歩道は両側の木々の枝で長い緑のトンネルに
    なっています。風に吹かれた葉っぱが揺れキラキラと眩しい輝きが見えます
☆空見上げ若葉の枝が続く道 木漏れ日ひかる風のまにまに
                         さわやか♪さん

【解説】
 目の前に展開される風景を、的確に描写し詠歌に詠み込む工夫の跡がみられます。
 「空見上げ」と詠みたいことは良く分かりますが、若葉の並木が続くことを詠む事で
 「見上げ」ていることはわかりますので、少し工夫してみましょうか。
 との問いかけを行い、今回も幾たびかネットで交流して推敲した結果次の通り
 整いました。なお、「木漏れ日の光る若葉の」で韻を意識してみました。
【推敲結果】
 ★木漏れ日の光る若葉の並木道 モミジ葉ゆれて風とたわむる


【詞書】遅ればせながら母の日に寄せて
☆母からは子の成長の節目には数多の賜物ありしあの頃
☆わがために働き続けて亡くなりし母にはわれの親不孝詫ぶ
☆わがために毎年花を贈りくる母思ひの子の紫陽花の花

                         Suisenさん

【解説】
 自らが母の立場になって初めて知る「母の深い愛情」は、それに包まれていた時代は
 中々認識できないものでしょうが…、それが大げさに言えば私達人類の偽らざる歴史の
 本流ではなかったかと思っています。
 ウクライナで日々戦禍に晒され、命を落とす兵士や、民も、皆母がありその愛情の元で
 育てられてきたと思っています。その悲しみをこれ以上重ねるのは歴史に対する犯罪であり、
 罪でもあると思っています。その意味でも一日も早い停戦と平和への取り組みが必要と
 考えています。
 母の日に、そんな思いを改めて感じ、作者の「母の日に寄せて」の詠歌を味合わせて
 頂きました。「わが子」のために働き続けて悔いのない「母」によって私たちは皆
 育てられてきたのだと思っています。しみじみとしたよい詠歌と思います。




【詞書】私は2012年に歌会に入会しましたので、今年で10年に成ります。
    当時は詠草を原稿用紙に手書きですからPCに入っていませんので入力していましたら、
    初めて短歌誌に掲載された詠草(5首)は未熟ですが若々しく、好奇心に溢れていました。
    そこで、文語(歴史的かな遣い)の3首を投稿(ご紹介)したいと思います。
☆店頭のあけび買ひたし然(さ)にあれど食べ方知らずつくづくと見つ
☆「美味いよ」に感嘆符など 付けたき程 肉厚どんこ主菜となりぬ
☆大屋根に鰹木のごと並びたる川鵜集まり冬近づきぬ

                         リコさん

【解説】
 作歌を始めたころの作品とのことですが、作者もおっしゃるように、いずれも好奇心と
 瑞々しさに溢れた作品とお見受けしました。
 三首目の川鵜が整然と並ぶさまを「大屋根に鰹木のごと」との比喩も面白く、視点の
 確かさが感じられます。
 作者の完成度の高い短歌の添削は、荷が重いですが…、一首目の五句を少し変えて
 みましたが、いかがでしょうか。この問いかけを行い、ネットで交流し、推敲結果以下の
 表現に整いました。
【推敲結果】
 ★店頭のあけび買ひたし然(さ)にあれど食べ方知らずため息をつく


☆たのしみは 朝一番にアイリスの 黄色い花を眺め見るとき
☆たのしみは 風に乗って飛んでくる 花の香を嗅ぎ街歩きするとき
☆たのしみは 風さわやかな日になりて ゆるりゆるりと街歩くとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 三首の独樂吟、今回も、今の季節の情景を視覚、嗅覚、肌感覚でとらえながら、
 ほのぼのとした雰囲気を醸し出し、共感できる詠歌にまとまっていると思います。
 特に「風に乗って飛んでくる 花の香を嗅ぎ」の表現が素敵ですし、三首目の
 「ゆるりゆるりと」の表現に、独特のリズムと「おかしみ」も感じます。


☆木漏れ日に生まれいずるか花ひとつ つゆ草楚々と藍きらめきて
                         ポエット・M
【短歌説明】
 新緑のそよぐ今の季節は、若葉の美しさもさることながら、その木漏れ日の下で日々萌える
 草花も、小さいながらも健気に咲いています。その一つ「つゆ草」も木漏れ日を浴びて、
 藍色の花びらが耀くように咲いており、その様子に惹かれて詠んでみました。



     「木漏れ日に咲く 紫つゆ草」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (37)
 9.帰らざる河(3)


    逝くものはこのようなものだろうか
                『論語』

   これ以上
     生きられないと
        思う日は
     足を縛って
       ベットで酒飲む

    酒飲めば
      なおも涙の
        あふれきて
       誰が弾くやら
         エリーゼのために

       黄泉からの
         セールスマンが
            うたた寝の
          夢にニコニコ
            死を売りにくる

      音たてて
        岩に砕ける
         花椿
        生々しくも
          血の色をして
   
     死にもせず
       狂いもせずに
          短歌など
        詠いほうけて
           今年も暮れる



   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】要望により引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・
 字足らずなどがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と
 位置付けたいと思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、
 極端な破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも    塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は  岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に届かざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
 「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」
 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。
【読者からのコメント】チョウキチさんよりのコメントです。
 流石に最澄ですね。素直な祈りが伝わります、この気持ちをウクライナに。


     「アイスランドポピー」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (17)
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