四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その34)

2022年05月11日 05時32分48秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その34)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「チューリップ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】4月23日土曜日知床沖で観光船が消息不明という痛ましい事故が起こりました。
    船も120mの海底で発見されました。死亡14名不明12名と言う痛ましい事故に
    なりました。真相が明らかになるにつけ運航会社のずさんな管理・経営体質が
    明らかになって来ました。
☆起こるたび 繰り返される 真相は ブラック企業で ずさん経営
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】4月24日BSNHK「スペースシャトル コロンビア号 空中分解事故」を放映して
    いました。知床観光船事故とも繋がりますが共通点があります。
☆ほころびは 安全主義の 低下こそ 大惨事へと 事故に繋がる
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】4月29日今年初めて軽井沢レイクガーデンに行って来ました。快晴でしたし、
    昨年と違い手入れも行き届き春の風情がしてとっても気持ち良かったです。
☆牧歌的な 春の風情が 心地よく 緑ピンクと 湖面彩る
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 人の命に係わる事業で、最優先するべき事項は「安全第一」ですが、それが
 ないがしろにされている事件が多すぎますね。
 なお、三首目の上の句は散文としては優れた描写ですが「牧歌的な春の風情」
 を歌として、読者にどう解って頂くかを検討してみましょう。
 一例として・・・いかがでしょうか。
 【ご参考】
 ★萌えいずる若葉とさくら湖面にも 映り彩るレイクガーデン


【詞書】映画「世の中にたえて桜のなかりせば」を観て
☆死ぬ事を前提に生きてきて
  今、活きる為に生きる
         さくら花

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 GWに何も予定の無いので、映画を観て来ました。
 この映画のタイトルは、伊勢物語の渚院桜狩での在原業平の歌からで、古今集、
 和漢朗詠集、三十六歌仙にも撰歌される程時代を超えて愛でられたものです。
 これを現代の映画ではどう利用するのだろうか?に興味が有りました。
 不登校になった女子高生と30代のニートになった元教師と老夫婦の終活を
 テーマにしていて、宝田明の遺作となりました。業平の歌より、茨木のり子の詩
 さくら(1992年作)がメインと思います。「何回ぐらいさくらをみるのかしら」と
 自分も後何回桜が見られるだろうか?と。
 明日に感染すれば、来月にはあの世逝きだなと思って過ごしていましたが、
 ワクチンを接種し、もう少し生きてみようと思い始めました。愚詠の「て」は気に
 なりましたが、他の言葉がみつからず。下記URLに映画の予告編と主題歌、そして
 断捨離しなきゃなあと言う拙コレクションを紹介しておりますので、御覧下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/34e5e822b25e8f22830a17f36dd71e77

【解説】
 映画「世の中にたえて桜のなかりせば」は、「乃木坂46」の岩本蓮加と宝田明が
 主演を務め、桜の季節と「終活」をテーマに描いたドラマでしたね。時節柄良い
 映画を鑑賞されたことと思います。
 茨木のり子の詩「さくら」最後の五行は以下の言葉で結ばれていますが・・・、
  「さくらふぶきの下を ふららと歩けば 一瞬 名僧のごとくにわかるのです
   死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と」

 「死こそ常態 生はいとしき蜃気楼と」の言葉が胸に迫ります。
 たとえ「蜃気楼」であっても私たちは、その愛しさを胸に抱きながら生きて
 行かねばと思っています。
 生きたくても生きられなかった、多くの御霊の想いをいだきながら…。
 ウクライナで、かつての大戦の下で、また、二度の原爆や東京大空襲の下で、
 さらに幾たびかの大震災の下で、奪われた無念の死を私たちは決して忘れては
 ならないと思っています。

 そして「活きる為に生きる」ことが、私たちにも求められていると感じます。
 そんな思いを心から抱かせる詠歌を提示して頂き、ありがとうございました。
 なお、「生きてきて」の「て」の表現で、良いのではないでしょうか。
 「た」の過去形よりも歌の連続性を感じます。


【詞書】採りたての蕗をご近所さんから頂きました。下処理をしている時の
    蕗の香りと、その色の美しさを詠みました。
☆板ずりし 湯がきて更に 皮むけば 蕗の香たちて 翡翠色いづる
                         さわやか♪さん

【解説】
 まさに旬の「蕗」の調理の過程を詠んだ歌は、「旬」の歌でもありますね。
 「翡翠色いづる」に新鮮な感動が表現されていますが、七音としてみましたが
 いかがでしょうか。
 なお、今回もネットで交流させて頂き推敲の結果、以下のように整いました。
 【推敲結果】
 ★板ずりし 湯がきて更に 皮むけば 蕗の香たちて 翡翠の色に




【詞書】女子校時代、私たちは品位を落とさないことを何よりの最重要課題として
    躾けられました。天国におられる当時私達がレディになるべく躾に尽力
    くださった校長先生を偲んで詠みました。
☆悲しみの涙は溢れ泣いてゐるこの半年間に受けた侮辱に
☆失ひし名誉回復してからでないと死ねぬと天仰ぎ見る
☆天国にいませる校長先生に祈る日々なり教へ子われは

                         水仙さん

【解説】
 人の品格は生まれ持った資質もあるでしょうが、その育つ過程での感性や情操の
 育成が大きな役割を果たすと考えます。その育成を担う方の品位と情熱、さらには
 共に高みを目指そうとする使命感の存在が大切と思っています。
 作者の尊敬する校長先生は、そんな要素を兼ね備えた立派な教育者であったことと
 思います。その先生から薫陶を受けた作者は、品位を落とさないために自身とも、
 また、不当な攻撃を繰り返す方達とも、これまで半年にわたって闘ってこられました。
 その日々の想いが三首の詠歌に色濃く滲んでいます。
 ここは自らの誇りにかけて、相手の卑劣さをも呑み込む「大慈悲」を持って乗り越え
 られることを、祈りたいと思います。また、それこそが温かく導いてくれた校長先生の
 お心にかなう大道とも考えます。時にはご自身が「のれん」となることも…。

【詞書】ラジオ派なのですが、好きな番組がいくつか消えて行きました。
    辛口のコメントの多い番組が消えるのは寂しく残念な思いのする3月です。
☆聞き慣れしラジオの声がさよならと壁から消え行く 番組改編
                         I.SATOさん

【解説】
 先に、作者のブログでも述べられていましたが、ラジオも含めて、
  「日本のメディアの報道の自由度は元首相の長い長い在任中に世界のランクで
   遙か圏外に去ってしまって、まともな批判は少ない」
 ことと関連があるでしょうね。
 少し辛口の番組が、「改編」の名のもとに消えていく事実を私たち自身もチェック
 していく事が大切と思っています。メディアが政権に忖度し始めたら、メディアの
 機能を果たせないと思いますので・・・。そんな義憤を静かに表明した、意義深い
 社会詠と考えます。


【詞書】今回はスポーツに関するものですが・・・
    二首目、三首目は子供のころから阪神タイガースの熱烈なファンだった私と、
    俄か巨人ファンの妻とがそれぞれ贔屓とする球団への思いを込めて・・というものです。
    阪神ファン=アンチ巨人という公式どおりの私に対するおちょくりのようですが・・・
☆たのしみは 巨漢相手にストレート 三振とったマー君みるとき
☆たのしみは 阪神負けて巨人勝ち 苛立つ夫の顔見るとき
☆たのしみは アンチ巨人の悪態に 見たか一本とほくそ笑むとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 ひいきの球団や、選手をもつことは野球を楽しむ醍醐味の一つですね。ご夫婦で同じ球団や
 選手がひいきの場合、その活躍はお互いの喜びになりますが、異なった場合は状況が少し
 変わってきますね。
 二首目、三首目は、そんな場面がユーモアと共に、しかも程よい距離感で独樂吟に
 詠まれていて共感が持てます。なお、お互いを認め合う温かな想いも垣間見えます。


☆大空でカラスとトンビ争うも 重火器も無く 羽ばたきのみで
                         ポエット・M

【解説】
 この時期、散歩で行く観音崎公園の海辺の森で、カラスとトンビが空中で争う場面に
 よく遭遇します。カラスの子育てをトンビが邪魔するのかも知れませんが、一羽の
 トンビを複数のカラスが追い払っているように見えます。鳥などの自然界の争いは
 武器も使わず羽ばたきのみですが、それに引き換え人の世の争いは、核まで持ち出し、
 その傲慢さは際限を知りません。自然の一部である私たちは、鳥にも劣る愚劣な戦を、
 先ず止めることが必要と考えます。そんな思いを込めて詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (35)
 9.帰らざる河(1)


    逝くものはこのようなものだろうか
                『論語』

   雨よ降れ
     雨よ降れ降れ
        雨よ降れ
     ポニーテールの
       髪を濡らして

    風よ吹け
      風よ吹け吹け
         風よ吹け
        忘れな草の
          花を散らして

       雪よ舞え
         雪よ舞え舞え
            雪よ舞え
          黒き瞳の
           君を泣かせて

     哀しみの
       歌はわたしの
          仮面です
        誰にも見せぬ
           心の顔の
   
     哀しみの
       歌はわたしの
          遊びです
        心の中の
          少年の日の



     

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】要望により引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・字足らず
 などがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と位置付けたいと
 思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、極端な
 破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも     塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は   岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上にとどかざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
 「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」
 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。
【読者からのコメント】チョウキチさんよりのコメントです。
 流石に最澄ですね。素直な祈りが伝わります、この気持ちをウクライナに。


     「ミッキーマウスの木の花」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (19)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする