浅学菲才の身でありながら、ありがたい御縁をいただき、仏前結婚式の戒師阿闍梨をつとめました。
新婦は、赤ちゃんの頃から知っているので、感慨もひとしお。
戒師阿闍梨とは、結婚式を司る僧侶で、ご本尊へのご供養のほか、訓戒という新郎新婦への「おさとしの言葉」も任されます。
せっかく仏前でやるのですから、仏教の教えを伝えたいし、かといって、考えの押しつけはしたくない、、、、、とか、いろいろ悩みましたが、、、、、
新郎新婦と目を合わせながら、今この瞬間に伝えたいこと、を話せたと思います。
仏教ではこの世界を幸せの世界とは説いていません。自分の思い通りにはならない、耐え忍ぶ場所であり「忍土(にんど)」といいます。サンスクリット語のsahā( サハー)であり、日本では娑婆(しゃば)と音写されています。
では、この耐え忍ぶ苦しみの世界で、私たちはどうやって幸せになるのか?
一口に幸せと言っても、ある人にとっては都心のタワーマンションに住むことが、ある人にとっては田舎でのんびり暮らすことが、ある人にとっては偏差値の高い学校へ行き有名企業に就職することが、ある人にとっては好きなことを仕事にすることが、、、、、など、幸せは人それぞれです。子どもが欲しい方もいるし、そうでない方もいるでしょう。ですので、結婚する新夫婦にはぜひ「自分にとっての幸せはなんなのか」をお互いに共有していただきたいと思っています。
その上で、仏教に触れた新夫婦には、耐え忍ぶこの苦しみの世界で「困難を、二人で支え合い、励まし合って乗り越えていくことを『幸せ』と感じて欲しい」、そう願っています。
おめでとう!パチパチ!
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