たまりかねたスタッフが、出入り口の扉の小窓から声を掛けました。促されての降り際に梯子の間からお姉さんに何やら物欲しそうに顔を向けてぐずっています。まだもどりたくないようです。
せっかく降りたのにまた台の上に上ってしまいました。そのままさっきと同じ場所でゴロンとしたりしています。この台がよほど好きなんですね。もっと遊んでいたいんですが外出時間もう終わっています。
下にスイーと滑り降りました。芝生にお尻を付けて落ち着いた形になってからフイッとこちらに視線を向けてくれました。「ドーヤ！！上手ヤロ・・」みたいな雰囲気です。
後ろ足もスロープに乗せ、そのまま慣れた動作でスーッと滑り降りました。いつもそんな形で遊んで慣れているのでしょうか。見る側としては思わぬプレゼントをもらったようで、大拍手です。
渡り廊下の先に滑り台があります。楓浜ちゃんはそちらに前足を乗せました。もしかしたらもうひと働きしてくれるのかと期待が膨らみます。
お帰りの時間まであと数分です。楓浜ちゃんは渡り廊下を歩き始めました。このまま小屋の方に歩いてゆくのかと思った観客から、「バイバーイ！！」の声も聞こえました。
最初頭から先に降りる姿勢でしたが、手足を上手に使ってお尻を下にして一段一段降ります。
のっそり起きて梯子を下りはじめました。ようやく動いてくれました。多勢の観客は堀を隔てた通路でこの瞬間を辛抱強く待っていました。動いているパンダの可愛さにためいきです。
スタッフが食べ物らしきものを鼻先にかざしました。好物なんでしょうかこれに反応して目を覚ましたようです。梯子の下にそれを落とし木の台から下りるよう促しました。
