教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

『保育者の専門性とは何か』、名実ともに発行

2013年02月10日 23時23分35秒 | 教育研究メモ

  

 本日2月10日、拙著『保育者の専門性とは何か』(幼児教育の理論とその応用②、社会評論社、2013年)が、名実ともに出版と相成りました。

 本書は、保育者の専門性について、幼児教育の方法と内容とに焦点をあてて検討することを目的としています。
 本書の内容は、過去から現在に引き継がれてきた保育者文化としての知識や考え方、または将来文化となっていくであろう知識や考え方をまとめたものです。これらは幼児教育や保育の「よさ」や意味を共有し、味わい、自分なりに幼児教育・保育を創り出すために必要な知識や考え方となるはずです。
 1歳~5歳児の発達に応じた保育を行う保育者になるにはどうしたらよいか。養護だけでなく幼児教育をも行える保育者になるには何が必要か。こういった問題に、いろんな人があちこちいろんなところでバラバラにまとめている先行研究を、思い切って整理・体系化しました。この②と後日出版予定の①を読めば、保育者の専門性や幼児教育のあり方について全体像をつかめると思っています。少なくとも、本書は私の保育者論・幼児教育論・保育論の骨組みの大体を示しています。今年度さらに教材研究を重ね、今はまたさらに深まりかつ広がりましたが、やはり本筋は本書の通り変わっていません。
 本書は、学術研究というよりは教材研究の成果ですが、たくさんの方に読んでいただければうれしいなと願っています。よい保育は保育者だけでは実現しません。保育者や保育学生はもちろん、それ以外の一般の方や教育行政関係者、保育行政関係者などにも読んでもらえると幸甚です。

 本書は、昨年度末にあわてて地元の印刷会社さんに持って行った私家版『幼児教育の理論と応用』と比べますと、校正をさらに加えた分、ずいぶん読みやすくなったと思います。図表も少し増やしました。また、読書の成果だけをまとめたわけではありません。私自身の保育者養成の実践と現場教員や学生からの聞き取り・観察経験とによってまとめた、事例や日誌・保育案の書き方なんかもふんだんに用いています。昨年つくって学生に配った、保育案のだいたいよい例・わるい例も収録しましたよ。

 さて、さすがに正式な発行日ともなりますと、先日お知らせしたサイトの他でも販売を開始していました。たぶん本屋とつながっているところは、だいたい取り扱ってくださっているようですね。…つーか、こんなにたくさんネットで本を買えるところってあるんですねぇ。

 amazon  保育者の専門性とは何か-幼児教育の理論とその応用-白石-崇人
 TUTAYA ONLINE  http://www.tsutaya.co.jp/works/41191106.html
 楽天市場   http://item.rakuten.co.jp/hmvjapan/5344376/
 丸善&ジュンク堂書店  http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784784517152
 エルパカBOOKS(ローソン) 保育者の専門性とは何か-幼児教育の理論とその応用

 なお、目次については先日の記事の通りですが、いくつか以下の通り、すでにこのブログで公開している部分もあります。もちろん、そこそこ校正しましたので、本書ではもう少し読みやすくなっていると思います。

 第3章第2節:子どものモデルになることとは? ―保育者自身を計画する
          (「子どものモデル」という教師・保育者論 (2011.9.13)などの改訂版を含む)
 第4章第3節:発達状況に応じた保育内容とは?
          (発達状況に応じた保育について【1歳児】(2011.6.10)などの改訂版を含む)
 第6章第3節:保育者が専門職であるには? ―「教師の専門職性」論を踏まえて
          (保育者が「専門職」であるには?(2012.9.15)の改訂版を含む)

コメント
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