先日お知らせした通り、杉田浩崇・熊井将太編『「エビデンスに基づく教育」の閾を探る』(春風社、2019年)が出版されました。ずいぶん良く売れているようです。この本には面白い論文が多く載っていますが、拙稿も載っています。拙稿も比較的高く評価していただいている様子で、ありがたいです。今回は、拙稿の論文構成を紹介しておきまたいと思います。
白石崇人「明治日本における教育研究―教育に関するエビデンス追究の起源を探る」
はじめに
1.1880年代における教育学の構想と教育研究の組織化
(1)教育実践のための教育学の構想
(2)教育実践・政策のための組織的教育研究の推進
2.1890―1900年代における教育学・教育研究の発展
(1)教育学における科学性の追究
(2)教育学の科学化と教育実践
(3)教育研究の批判的展開
おわりに
拙稿の内容は、これまで書いてきた論文を総動員しつつ、これまで書き切れなかったことを出してまとめました。これまで研究してきた教育会や研究態度批判、西村、大瀬などの研究結果が、ああこういう文脈にも位置づけられるのね、と分かることでしょう。
まとめてみて感じるのは、やはり、私が20年近くずっと追究しているのは「教育を研究することの意義」なのだなあということです。それは、教育学の存在意義の探究でもあるし、教師が教育を研究することの意義の探究でもある。多面的な問題関心です。私自身の学者・研究者としてのテーマであり、教師教育実践の主なテーマでもあるので、学術的課題であると同時に実践的課題でもあります。
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