教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

レポートの種類

2015年08月15日 23時55分55秒 | 教育研究メモ

 たいへんご無沙汰しております。

 あれこれやることがあって、まだ前期の評価をだらだらとやっております。やっとこさ(方言)、母校での非常勤科目のレポート採点が終了しました。その中で思ったことがあったので、下記にまとめました。


 私の評価観からすると、学生のレポートは4種類に分けられます。

 1つは、自分の考えのみ展開しているもの。なるほどと思う論旨もあり、採点していて面白いです。しかし、根拠のわかりにくいものが多く、個人的経験のみで語られてしまって客観性に欠けるのが惜しいです。特に授業で学んだことがまったく踏まえられていないと、何も学べなかったのかと申し訳なく思います。授業内容を使って考えることにも挑戦してほしいです。

 2つ目は、授業で取り上げた内容のみを詳しく書いているもの。よく努力し、勉強していることがわかり、とても好ましいです。しかし、自分の考えが展開されてなかったり、展開されていても不十分だったり、感想に止まったりしています。授業を聞いて何も感じなかったのか、鵜呑みにして思考停止状態に陥ってないか心配になります。授業で学んだことを使って、自分の考えを再構成して表現してみてほしいです。

 3つ目は、授業で学んだことを積極的に活用しながら、自分の考えを明確に展開しているもの。授業で足りない資料を自分で持ってきて論を補強している人もいます。採点していてとても納得・感心しますし、とても面白く読ませてもらえます。

 4つ目は、授業内容もほとんどポイントを外し、自分の考えも明確に示せていないもの。採点していて、読み終えた時、脱力感を感じます。まさに「ガクッ」とします。基本的にはやる気が感じられない文章で、やる気を引き出せなかった自分の力量のなさを責める気分になります。

 今回の採点では、4つ目にはほとんど出会わなくて済みました。さすが某大生。大半は1つ目か2つ目ですが、3つ目にも相当数出会えました。3つ目の種類のレポートに出会った時、本当に感動します。よく考えたな~!と頭をなでてやりたい気持ちになります。

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