<07月09日プレイリスト>
[70年代日本のフォーク&ロックで棚からひとつかみ]
夏への扉/山下達郎 "RIDE ON TIME" '80
踊ろよベイビー/遠藤賢司 "KENJI" '74
ハリケーン・ドロシー/細野晴臣 "TROPICAL DANDY" '75
空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ/四人囃子 "一触即発" '74
初夏の香り/久保田麻琴 '75
らびん・すぷーんふる/古井戸 "ぽえじー" '73
L.A. BABE/円道一成 "RUN TO LIVE, LIVE TO RUN" '84
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■内容の一部を抜粋
・夏への扉
もともとは難波弘之に書き下ろした作品。難波弘之のソロ・アルバム『Sence Of Wonder』は彼の好きなSF作品のイメージ・ソングが並んでいる。その中の1曲でロバート.A.ハインラインの「夏への扉」を吉田美奈子作詞、山下達郎作曲で作品化した。1980年のアルバム『RIDE ON TIME』でセルフ・カヴァー。
・踊ろよベイビー
フォーク・シンガーの遠藤賢司はギター一本でステージを縦横無尽に走り回る。人呼んで「ハード・フォーク・ケンジ」。ロックンロールのアプローチもずいぶんあるそうだ。「踊ろよベイビー」は彼の代表作の1曲でシングルにもなった。
遠藤賢司の歌と生ギター、ドラムス林立夫、エレキ・ベースとエレキ・ギターが高中正義、キーボードが深町純、編曲高中正義というラインナップ。
・夏バテ防止法
「冬もそうですけども夏も下半身浴です。腰湯をして汗どっと出すとすごくリフレッシュします。そのあとはキヨーレオピンと鰻で夏を乗り切ります。運動はしません」とタツローさん。
・ハリケーン・ドロシー
ジョン・フォード監督の映画『ハリケーン』のイメージで作られた一作。ドロシーは主演女優のドロシー・ラムーアのこと。細野晴臣の歌とベース、ドラムス林立夫、佐藤博のキーボード、ギターは鈴木茂。ティン・パン・アレイ全盛期の演奏。
先日、竹内まりやのレコーディングでパーカッションの浜口茂外也とセッションしたらしい。そこで聞いた話によると細野晴臣は最近歌に目覚めてきて、夏の野外フェスティバルにも出演し「風をあつめて」とかを歌うのだとか。浜口茂外也はそのヴァッキングで夏フェスに出るのだそうだ。
・野外ライヴ
「わたしは野外ライヴ、はっきり言ってそんなに好きじゃないです。お客さんが多くなればなるほど、野外という条件上、お客さんが抽象的に見えますと、演奏が荒くなるんですよね。直射日光を浴びると、今は条件が良くなりましたが、わたしの若い頃、シュガーベイブの頃は弦は切れるはアンプは火を吹くはでろくな事がなかったので、あまり野外イベントに触手が動きませんので、あまりやりませんが。まぁチャンスがあればまたやる時があるでしょう...」とタツローさん。
・空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
「四人囃子は森園勝敏さん以下、岡井大二さん、佐久間正英さん、みなさんまだ現役でバリバリやってらっしゃいます」とタツローさん。「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」は森園勝敏作曲でリード・ヴォーカル。この時代のメンバーは森園勝敏のギター、岡井大二のドラム、佐久間正英のベース、坂下秀実と茂木由多加の二人のキーボードという5人編成。
・ものもらい
タツローさんは胃腸が弱いのでしょっちゅう口内炎になるという。ビタミンBを一生懸命取っているとのこと。
実は今ものもらいになっていて、ものもらい用の目薬を差しているそうだ。レコードを触った手で目をこすったりするので、一年のうちに何回かものもらいになるという。
・初夏の香り
久保田麻琴と夕焼け楽団の頃のシングル「バイ・バイ・ベイビー」のカップリング。タツローさんは「バイ・バイ・ベイビー」のコーラスをやっているのでシングルをもらったそうだ。「初夏の香り」は「ギターの井上ケンイチさんの素晴らしいトーンが堪能できる」とタツローさん。作詞作曲久保田麻琴、編曲細野晴臣。
・らびん・すぷーんふる
古井戸の作品が紙ジャケでリイシューされている。エレック・レコードの復刻シリーズだそうだ。
古井戸は最初3人組だったが、のちに加奈崎よしたろうと仲井戸麗市のふたりになった。チャボ(仲井戸麗市)は古井戸からRCサクセションに移った。
「らびん・すぷーんふる」はタツローさんの好きな曲。隠れた名曲でジョン山崎というキーボードの人が作った。作詞は仲井戸麗市。
「その曲のタイトル通り、ニューヨークのテイストがちょっとあります。当時としては斬新な作品でありました。古井戸は普段はフォーク・グループなのでもう少し泥臭い作品とか、あと『さなえちゃん』とかコミカルな作品もありますが、この『らびん・すぷーんふる』というのは非常にソフィストケイトされた、古井戸としては異色なサウンドで、当時から話題になったものでございました」とタツローさん。
・L.A. BABE
円道一成は神戸生まれのシンガー。ウィルソン・ピケットの大ファンでそうしたR&Bテイストの曲をたくさん歌ってきた人。タツローさんと同じレコード会社だったのでアルバム『RUN TO LIVE, LIVE TO RUN』に2曲書き下ろしたという。
1984年のレコーディングなので、青山純のドラム、伊藤広規のベース、佐藤博のキーボード、山下達郎のギターというフォーリズム・セクションにブラスとEVEのコーラスが入っている。
「当時はサザン・ソウルを目論んで作ったが、今聴くとブラスのフレーズなんかはノーザンな、デトロイトとかシカゴとか、そういう感じがする。わたしはすごく気に入ってる一曲で、作詞は大津あきらさん。大津あきらさんと組んだのは右にも左にもこれ一回しかありません。作詞作曲山下達郎、編曲も山下達郎です」
この曲はオフィシャル・サイトで販売している『The Works Of Tatsuro Yamashita vol.1』に収録されている。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
07月16日は、「アリフ・マーディン追悼」