<07月23日プレイリスト>
[アリフ・マーディン追悼 PART 2]
返信/竹内まりや 9月6日発売ニュー・シングル
[BGM]LISTEN HERE/EDDIE HARRIS "ELECTORIFYING" '68
MAGDARENA/DANNY O'KEEFE "BREEZY STORIES" '73
VENGEANCE/CARLY SIMON "SPY" '79
THE MOON IS A HARSH MISTRESS/JUDY COLLINS "JUDITH" '75
I'M EVERY WOMAN/CHAKA KHAN "CHAKA" '78
WHEN I WAS A FREEPORT AND YOU WERE THE MAIN DRAG/
LAURA NYRO "CHRISTMAS AND THE BEADS OF SWEAT" '69
JIVE TALKIN'/BEE GEES "MAIN COURSE" '75
LISTEN HERE/ARIF MARDIN "GLASS ONION" '69
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■内容の一部を抜粋
・番組ディレクター長崎さんが欠席
大熱のため番組ディレクター長崎栄さんが欠席。
「いつもはたった4人でやっているのに今日は3人でございます。技術のソウミヤくん。でも彼はいつもディレクターをやってますので、こういう時にも全然大丈夫でございます。アシスタントのヤマギシさんという若い女性、彼女もディレクターができますので、別に長崎くんがいなくても全然困らないという...、ざまぁみろ!(笑)。そういうこといっちゃあいけませんね」とタツローさん。
・返信
9月16日公開の松竹映画『出口のない海』の主題歌でエンドロールにながれる。9月6日(水)にシングルとして発売予定です。竹内まりや5年振りのシングルで、カップリングは明治アーモンドチョコレートのCMソング「シンクロニシティ(素敵な偶然)」。
『出口のない海』は第二次大戦中に開発された人間魚雷「回天」(九三式酸素魚雷という人間が操縦できるように改造した魚雷。それで敵艦に体当たりしようという狂気の兵器)に志願した学徒動員の学生の話。
主人公の学生(市川海老蔵)が許婚の彼女に宛てた手紙の返信という設定の楽曲。作詞作曲竹内まりや、編曲山下達郎、歌竹内まりや。
・LISTEN HERE
エレクトリック・サックス(オクターバーのエフェクターをサックスに入れたことで有名)のエディ・ハリスが1968年に全米45位とインストゥルメンタルながらヒットさせた。
・MAGDARENA(そよ風の伝説)
アリフ・マーディンと関係の深かったSSW(シンガー・ソングライター)のダニー・オキーフはいろいろなところを放浪して曲を作って歌っていた。1970年にアトランティックと契約。1枚目は泣かず飛ばずだったが、2枚目のアルバムから「Good Time Charie, Gatta Blues」というヒット曲が出てダニー・オキーフの名前が全米に知れ渡った。3枚目の『BREEZY STORIES』(1973年)は名盤の誉れが高い1枚。ニューヨークのスタジオ・ミュージシャンでレコーディングされ、名曲がたんさん揃っている。スタジオ・ミュージシャンの中にダニー・ハザウェイがキーボードで参加していたが、「MAGDARENA」を非常に気に入って、『EXTENSION OF A MAN』でこの曲をカヴァーした。ダニー・オキーフ自身のギターとヴォーカル、ヒュー・マクラケンのスライド・ギター、ダニー・ハザウェイがエレクトリック・ピアノ、ゴードン・エドワーズのベースに、バーナード・パーティーのドラムスというニューヨーク派がずらっと揃ったアリフ・マーディンのラインナップ。
・VENGEANCE
カーリー・サイモンのアルバム『SPY』(全米49位)からのシングル・カットで全米48位。「VENGEANCE」は復讐という意味。ジョン・ホールのエレキ・ギター、デビッド・スピノザ、ドン・グローリックのキーボード、リチャード・ティー、ウォンレン・ヴァン・ハート、トニー・レヴィン、スティーブ・ガット、リック・マロッタ、錚々たるニューヨークのメンバー。
・THE MOON IS A HARSH MISTRESS(月は無情な女王)
ジュディー・コリンズのアルバム『JUDITH』はカーリー・サイモンと同様エレクトラからの発売。全米11位のプラチナ・アルバムでジュディー・コリンズの代表作の1枚。「THE MOON IS A HARSH MISTRESS」はジム・ウェッブの曲。ジュディー・コリンズ自身のピアノ、ジョー・ディマージュ(ニューヨークのウッドウィンズのスタジオ・ミュージシャン)のイングリッシュ・ホルンとフルート、ロメオ・ペンク(バリトン・サックスで有名)のバス・フルート、ジーン・オルフのヴァイオリンというニューヨークの音。
・I'M EVERY WOMAN
チャカ・カーンの『CHAKA』からのシングル・カット「I'M EVERY WOMAN」は全米ソウル・チャートNO.1。ホィットニー・ヒューストンがカヴァーしていることでも有名な曲。タツローさんは1978年12月にクールスのプロデュースでニューヨークに一月半滞在したが、その時にラジオから毎日、1時間に1回の割合でながれてきたのがこの曲だそうだ。シングルとアルバムを買って東京で死ぬほど聴いたのだという。アシュフォード&シンプソンの曲で、ドラムスがスティーブ・フェロン、ベースがウィル・リー、ピアノがリチャード・ティー、ギターはフィル・アプチャーチとアベレージ・ホワイト・バンドのヘイミッシュ・スチュワート、ヴァックグランド・ヴォーカルがチャカ・カーン、ヘイミッシュ・スチュワート、ウィル・リーというラインナップに、アリフ・マーディンの素晴らしいストリングスがかぶりマスターピースが出来上がった。
・WHEN I WAS A FREEPORT AND YOU WERE THE MAIN DRAG
ローラ・ニーロの4作目『CHRISTMAS AND THE BEADS OF SWEAT』(1969年)はアリフ・マーディンとラスカルズのフェリックス・キャヴァリエがプロデュース。アリフ・マーディンの場合、ニューヨークの白人シンガー・ソングライターを南部に連れてゆく(アレサ・フランクリンの時もそうだったが)というパターンが当時多かった。ダニー・オキーフもメンフィスに連れていってヒット曲がうまれた。ロジャー・ホーキンス以下マッスルショールズのメンバーでローラ・ニーロのレコーディングをしてオーケストレーションをアリフ・マーディン自身がやっている。ローラ・ニーロの全作品の中でもちょっと異色でありながら、ローラ・ニーロの個性が出た素晴らしいアルバムに出来上がっている。
「WHEN I WAS A FREEPORT AND YOU WERE THE MAIN DRAG」は難解な歌詞が羅列しているが、本人はプロテスト・ソングだとコメントしている。ローラ・ニーロらしいテンポが自在に変わる曲で、ロジャー・ホーキンスとかデビッド・フートとかの南部のミュージシャンは音楽センスが優れているのでよくついていってる。タツローさんの高校時代の愛聴盤。
・JIVE TALKIN'
ビージーズはアリフ・マーディン抜きで'70年代後半以降の活躍は語れない。アリフ・マーディンはビージーズをディスコ路線に変えた張本人。この曲から快進撃がはじまる。1975年の全米NO.1。ここから「Saturday Night Fiver」のメガ・ヒットまで一気に駆け上がるが、このあいだに深く関わったのがアリフ・マーディンだった。
・LISTEN HERE
アリフ・マーディンのソロ・アルバム『GLASS ONION』(1969年)から。エディ・ハリスの「LISTEN HERE」のカヴァー。マッスルショールズのスタジオ・ミュージシャンがリズム・セクションをやった上に、ニューヨークに戻り、ニューヨークのブラス・セクションでスコアを書いて演奏している。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
07月30日は、「サーフィン・ホットロッド・インスト・サマーサウンド特集」