<01月10日プレイリスト>
[新春放談(ゲスト:大瀧詠一)]
呆阿津怒哀声音頭/蘭越ジミー "LET'S ONDO AGAIN" '78
恋するカレン/大滝詠一 "A LONG VACATION" '81
OL' MAN RIVER/THE RAVENS '60
今日はなんだか/SUGAR BABE "SONGS" '75
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■内容の一部を抜粋
・新春放談
毎年恒例となった大瀧詠一さんをゲストに迎えての「新春放談」。今週はそのパート2。
・ニュー・アルバム
タツローさんは今年シングルを2枚とニュー・アルバムのリリースを予定しているそうだ。5年ぶりになるとか。
・呆阿津怒哀声音頭
ナイアガラ30周年アーカイブ事業の一環として昨年リリース予定だった『LET'S ONDO AGAIN』。大瀧さんはすっかり忘れていたという。今回の対談でタツローさんにどうして出さなかったのかと訊かれるまで気づかなかったのだそうだ。『LET'S ONDO AGAIN』は傑作アルバム、一種の『PET SOUNDS』でほかに代わるものがないとタツローさん。今年出すにしても3/21は大瀧詠一作品集で決定しているし、大瀧さんはナイアガラ30周年アーカイブ事業で、年間2枚リマスター作品を出したことがあるが、多いんじゃないかと思ってるそうだ。もし出すとしたらボーナス・トラックはないので、オリジナルとリミックスをリマスターして収めるらしい。
・恋するカレン
タツローさんは『ロンバケ』発売記念コンサートを聴きに行ったらしい。ライヴの模様は映像として残っているらしいが所在不明だという。歌の出来がよかったのにもったいないとタツローさん。大瀧さんは「恋するカレン」のオケを作ったときのことをこのあいだ思い出したそうだ。オケを作った段階で「よい作品になる」と周りの評判もよかったが、いざ歌い出したら歌えなかったらしい。難しすぎてお蔵入りを考えたそうだ。自己採点で60点くらいなのだとか。タツローさんは歌に対して大瀧さんは厳しいからだと話す。大瀧さんは宮沢賢治を引き合いに出して、生前発表したのは詩集『春と修羅』だけで、あとは発表することを考えず書いた作品が死後に出ているので、もし生前に書き下ろし作品が出て、世の評価が毎回あったとしたら、ほかの作品や詩作に影響したんじゃないかと考えるそうだ。'70年代のナイアガラはそれに近いものだったと。誰に求められたものでなく、契約上作らなければいけなかったから、何も考えず作っていたという。次に作る作品が前の作品の評価のもとで求められるとひじょうに辛いのだそうだ。「基本的に我が儘なだけなのかもしれないけれど、人から命令されるのがどうも嫌なんだろうね」と大瀧さん。
・OL' MAN RIVER
大瀧さんは第一項、第一章を飛ばす傾向があるという。99%わかった段階ではじめて第一項、第一章を読むとはじめてわかるのだと。タツローさんはドゥーワップを引き合いに出して、ドゥーワップのコンピレーションは必ずオリオールズや例えばレイブンズの「OL' MAN RIVER」ではじまってるが、いきなりレイブンズを聴くよりも、ホワイト・ドゥーワップまで聴いてから、レイブンズを聴くほうがよくわかると話す。「振り出しに戻るナイアガラ双六なんだよ」と大瀧さん。
・A LONG VACATION From Ladies
『ロンバケ』を全曲女性アーティストでトリヴュートしたアルバム『A LONG VACATION From Ladies』が昨年11月4日にリリースされた。タツローさんが今年『ロンバケ』30周年と勘違いしたのはその作品が出たからだという。アルバムのプロデューサーは新春放談一回目をオンエアした当時のNHKのプロデューサー湊剛さん。『A LONG VACATION From Ladies』の発売を記念して「大滝詠一“A LONG VACATION"トリビュートコンサート」が開催されることになった。ただタイトルが長すぎたので「大滝詠一カバーコンサート」と略されたため、多くの人が大瀧さんのコンサートだと勘違いしだしたのだそうだ。騒ぎになる前に「大滝詠一は出ません」とアナウンスしなければならなかったという。とにかく大瀧さんはコンサートのいちばん最後に出て行って、出演者のそれまでの歌を消すような真似だけはしたくなかったのだそうだ。もしごまのはえと布谷文夫さんとシュガーベイブが再結成してコンサートするというのなら、出なくてもいいと言われても桃太郎の格好をして出て行くと大瀧さん(笑)。
・今日はなんだか
タツローさんはバンドのメンバーを替えたので、レパートリーを増やすため練習していると話す。ようやく60曲くらいまでレパートリーが増えたので今度のライヴではシュガーベイブの曲をもっと演奏する予定でいるのだとか。「シュガーベイブターボ」と名付けて夏フェスの出演も考えたこともあったそうだ。「ダウンタウン」は譜面を再検証したおかげで今までよりオリジナルに近くなったという。大貫妙子さんも「今まででいちばんシュガーベイブに近い」と話していたそうだ。次のツアーでは「今日はなんだか」が演奏予定曲となっているという。ツアーは30ヶ所くらい廻る予定だとか。
・リマスター・エンジニア
イギリスのエース・レーベルに大瀧さんお気に入りのリマスター・エンジニアが3人いるそうだ。リマスターだけは特化してやれば2~3年後にはいいものができると大瀧さん。
・リレコーディング
タツローさんはライヴの歌のほうがレコーディングしたものよりいいと話す。一度リコレーディングしようとした曲があったそうだ。オリジナルは時間がなくて朝の5時に録音したもので、声がかすれてへろへろだから録り直そうとしたらしいが、何度やってもそれを超えられないのだという。情念が全然違うらしい。大瀧さんは念力があるからだと話す。念力の「念」は「今の心」と書くので、そのときは歌の力量より念力があったのだと。時間を経てしまえば「今」じゃないから念力が消えてる、例え歌唱力が増していてもと大瀧さん。エスパー清田くんがテレビで「(超能力は)あるって言えばあって、ないと言えばないという感じですかね~」(笑)と話していて大瀧さんは自分の念力の考え方と同じなのでびっくりしたという。「形而上の紙に書いてあったり、音だったりを主従関係の主と考えがちだが、本来は念力のほうが主であってと考えると、物事がよくわかってくるんだけど、わかったほうが不幸だということもあるんだよ(笑)、形而上で動いてたほうが幸せなんだな~」と大瀧さん。
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01月17日は、「リクエスト特集」
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