2014年03月16日プレイリスト
「棚からひとつかみ+リクエスト」
1. 愛してるって言えなくたって / 山下達郎 "レイ・オブ・ホープ" "オーパス" '11
2. TOUCH ME / THE DOORS '69
3. MY LITTLE RED BOOK / MANFRED MANN '65
4. I BETCHA DON'T KNOW THAT / FREDERICK KNIGHT "KNIGHT KAP" '77('75)
5. LOOK OVER YOUR SHOULDER / THE ESCORTS "ALL WE NEED IS ANOTHER CHANCE" '73
6. TONIGHT'S THE NIGHT FOR LOVE / AL JOHNSON "BACK FOR MORE" '76
7. マーマレイド・グッドバイ / 山下達郎 "僕の中の少年" '88
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■内容の一部を抜粋
・近況
まりやさんのレコーディングがいよいよ本腰を入れてはじまったとか。来週から新しいタイアップ曲のレコーディングに入る。リズム隊のレコーディングで、今はその曲のアレンジ等をやっているそうだ。スタジオに籠ってるので季節感がなく、帰宅後にウォーキングしてると「寒いな」という感じだが、昼間はポカポカして、もうちょっとで春という今日この頃、と達郎さん。
・棚からひとつかみ+リクエスト
今週もレギュラー・プログラムの「棚からひとつかみ」。お便りがたくさん届いてるので少しだけリクエストをまぶしてという内容。来週から年度末リクエスト大会の予定。番組改編の時期だが、なんたって無敵のサンデー・ソングブックは21年半を突破して4月からも同じ時間、同じスポンサーで放送することが決まった。この秋10月には22年目を迎える。
・愛してるって言えなくたって
2011年3月9日発売のシングル。2日後に震災が起こりほとんど何もできずに終わってしまったが、曲に罪はないのでベスト・アルバム『OPUS』に収録した。自分では割合気に入ってる曲でストリングスをアレンジした服部克久さんから「今度の曲なかなかいいね」と言われていて調子に乗っていたら震災に遭ってしまったとか。ちょうど3年経ったということでたくさんリクエストカードが届いてるそうだ。
・TOUCH ME
新車を買ってオーディオのサウンド・ライブラリーの編集に夢中だというリスナーからのリクエスト。達郎さんは20数年同じクルマに乗ってるとか。今乗ってるクルマ以上のがないのでひたすら乗り続けているそうだ。
ドアーズの1969年春のヒット曲、全米3位の「TOUCH ME」。サンデー・ソングブックでは初オンエアだという。エンディングのサックスはカリフォルニア・ジャズのカーティス・エミー。資料を調べると2002年に亡くなってたことがわかったそうだ。
・MY LITTLE RED BOOK
EMIがユニバーサルに買われたとき、独占禁止法の疑いがあるということで、EMI所属のレーベルを少し他に回すように言われて、ビートルズ以外のEMIのカタログを一気にワーナーが獲得して、ビンク・フロイドがワーナーから出る時代が訪れることになったとか。パーロフォン系のUKロックがワーナーに来たのは幸運で、ストラテジックを一手に引き受けてる宮治淳一さんはこういうところの知り合いがたくさんいるので、充実のライナー、充実の編集になっている。先週のハーマンズ・ハーミッツに続いて今週はマンフレッド・マン。1965年のアメリカ編成のサード・アルバム『MY LITTLE RED BOOK OF WINNERS!』から映画『何かいいことないか子猫チャン』の中で演奏される曲でハル・デイヴィッド作詞、バート・バカラック作曲の「MY LITTLE RED BOOK」のリアル・ステレオ・ヴァージョン。
・AORとは?
リスナーからの質問で「AORとはどのような音楽ジャンルなのでしょうか?」という質問。
「AOR。もう死語ですよ」と達郎さん。'80年代ぐらいの日本でアダルト・オリエンテッド・ロックと訳されたがあまり使われなかった。アメリカではアダルト・コンテンポラリーと言っていて、今はもうアダルト・コンテンポラリーしかない。達郎さんの時代でアダルト・コンテンポラリーというとボズ・スキャッグス、ボビー・コードウェル、クリストファー・クロスといった軟弱なやつで、日本ではもちろん山下達郎もAORに入ってる。勝手に入れるな、と達郎さん。
・I BETCHA DON'T KNOW THAT
イギリスのエースがこのところソングライターのコンピレーションを精力的に出している。今度は黒人のソングライター、サム・ディーズのコンピレーションが出た。1970年代から1980年代にかけて、正にAOR系の黒人シンガーやグループのアルバムを買うと、必ず1曲や2曲サム・ディーズの作品が入ってたという。卓越した作家で星の数ほど名曲があるそうだ。そのコンピレーションの中からアラバマ出身のソロ・シンガー、フレデリック・ナイトの1975年に全米ソウル・チャート27位のスマッシュ・ヒットになった「I BETCHA DON'T KNOW THAT」。
・LOOK OVER YOUR SHOULDER
リスナーからのリクエスト。ニュージャージーの黒人ヴォーカル・グループ、エスコーツは全員囚人。刑務所内でヴォーカル・グループを結成した。それを見たニュージャージーのプロデューサーのジョージ・カーが刑務所内まで機材を持って行って録音した1973年のアルバム『ALL WE NEED IS ANOTHER CHANCE』からシングル・カットされて1973年、全米ソウル・チャート45位まで上がった「LOOK OVER YOUR SHOULDER」。もともとはオージェイズの1968年のヒット。
・ノーザン・ソウル
リスナーからノーザン・ソウルの達郎さん解説付きのリクエスト。ノーザン・ソウルは最初イギリスだけで言われてきたが、最近世界的に言われるようになったとか。でも何の意味もなくて、いわゆるサザン・ソウルに対してシカゴとかデトロイトの、北部のR&Bことを言うが、イギリスでは少し違っていてクラブで使われるアップテンポのシングルでかける音楽を総称して「ノーザン・ソウル」というらしい。アップテンポで景気がよければ何でも「ノーザン・ソウル」で白人、黒人を問わない。だからジャンルと呼べず、言葉が一人歩きしてるので、あまり意味のある言葉ではないそうだ。そういう意味ではロックンロールとは何か、ヒップホップとは、例えばニュー・ジャック・スウィング、ドラムンベース、どれもカテゴリーというには抽象的すぎる言葉というのがたくさんある。先ほどのアダルト・オリエンテッド・ロックもそうだと達郎さん。
・TONIGHT'S THE NIGHT FOR LOVE
アル・ジョンソンはソングライター、プロデューサーとして実績のあるワシントンD.C.の人だが昨年末に亡くなった。彼のソロ・アルバムから1976年の『SECOND WIND』が追悼盤として紙ジャケで再発された。アル・ジョンソンは元ユニフィックスというヴォーカル・グループのシンガー。その後、ソングライター、プロデューサーに転身したが、唄歌いとして実力のある人。『SECOND WIND』から達郎さんがいちばん好きな「TONIGHT'S THE NIGHT FOR LOVE」。プロデュースはノーマン・コナーズ。
・マーマレイド・グッドバイ
リスナーからのリクエストで1988年のアルバム『僕の中の少年』から「マーマレイド・グッドバイ」。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
03月23日・30日は、「年度末リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp