Sunday Song Book #1136

2014年07月20日 | Sunday Song Book

2014年07月20日プレイリスト
「BIG WAVE 30TH ANNIVERSARY EDITION ミニ特集」
1. 静かな伝説(レジェンド) / 竹内まりや 7月23日発売ニューシングル
2. THE THEME FROM BIG WAVE / 山下達郎
3. ONLY WITH YOU / 山下達郎
4. MAGIC WAYS / 山下達郎
5. I LOVE YOU PART II / 山下達郎
6. GIRLS ON THE BEACH / 山下達郎
7. PLEASE LET ME WONDER / 山下達郎
8. DARLIN' / 山下達郎
9. BREAKDANCE (Previously Unreleased) / 山下達郎
10. I LOVE YOU (Previously Unreleased Acappella 30sec. Version) / 山下達郎
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■内容の一部を抜粋
・近況
いよいよ今週はマニアック・ツアーの初日を迎えるので番組は前倒しで収録しているという。25日金曜日にパルテノン多摩からスタートするのでゲネプロ(通しリハーサル)の準備に追われているそうだ。ツアーは「マニアック・ツアー」と題して、普段やってない曲、このところ十数年やってない曲、そういうようなものを中心に据えたツアー。今週は前倒し収録なのでツアーがどういう内容なのか説明できなくなった。蓋を開けてみるまでわからないが、演奏はいい演奏だと達郎さん。

・BIG WAVE 30TH ANNIVERSARY EDITION ミニ特集
今週水曜日7月23日に『BIG WAVE』30TH ANNIVERSARY EDITIONを発売する。1984年の『BIG WAVE』という同名のサーフィンのドキュメンタリー・フィルムのサウンドトラックが今年で30周年を迎える。A面が昨年亡くなったアラン・オデイとの共作によるオリジナル・ソング。B面はビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの作品を中心にした一人多重録音で構成された全曲英語による作品。2014年最新デジタル・リマスター、ボーナス・トラック7曲付き。昨年の『MELODIES』、『SEASON'S GREETINGS』に続くムーン・レコード・カタログの再発の一環。今年はツアーの直前なのでリハーサルに追いやられて、雑誌取材、ネットのインタビューなどのプロモーション活動は一切行ってない。それではあまりに商売気ないので番組で思い出話などをアルバムのさわりとともに聴いてもらうことにしたとか。

・静かな伝説(レジェンド)
まりやさんの新曲「静かな伝説(レジェンド)」。フジテレビ系全国ネットの新番組「ワンダフルライフ」のテーマ・ソング。毎週日曜日の夜21時からのヒューマン・ドキュメンタリー番組。
http://www.fujitv.co.jp/wonderful-life/index.html

シングルは7月23日リリース。カップリングは1978年にデビュー・シングルとして出した「戻っておいで・私の時間」の2011年ヴァージョン。2011年に伊勢丹の創業125周年を記念して作られた。もう一曲はサンデー・ソングブックの夫婦放談のネタからBOXと一緒にやったビートルズのカヴァーで「TELL ME WHY」。初回盤は6月14日全国公開『わたしのハワイの歩きかた』の主題歌「アロハ式恋愛指南」のPVが収録されたDVD付く。

・THE THEME FROM BIG WAVE
アルバム『BIG WAVE』のリマスターは20年ぶりになるとか。達郎さんは中学、高校時代に洋楽のロックンロールを聴いて音楽に目覚めて、それが高じてミュージシャンになり活動を続けてきた。今と違って圧倒的に洋楽のほうが力が強い時代だったので、プロになってからも洋楽のカヴァーをやることが多い。達郎さんが最も影響を受けた洋楽のひとつがビーチボーイズを代表とするカリフォルニアのサーフィン・ミュージックだった。ソロになって下積みが長かったが、ようやく1980年に「RIDE ON TIME」というヒット曲が出て、そうなると横道に逸れる企画をやりたくなり、シングルのB面にビーチボーイズのカヴァーをずいぶん入れるようになった。自分にとってのレクリエーション、あとは引き出しの多さとか、ほかとの差別化とかいったいろいろな目的があった。ちょうどそんなときに『BIG WAVE』というサーフィンのドキュメンタリー映画の企画があり、山下達郎の音楽を使わせてくれないかというオファーがあって、これはいいというのでビーチボーイズのカヴァーをそれに使おう、ついでにサーフィン・ソングをオリジナルで作ってやったらどうだろうかという企画が出てはじまったのが『BIG WAVE』という映画のサウンドトラックの作業だった。その映画のテーマとして使われたのが「THE THEME FROM BIG WAVE」。結局、オリジナル・サウンドトラックのA面がオリジナル・ソング。B面がビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの作品を中心にしたカヴァー・ソングという企画になった。全曲英語なので英語の作詞をアラン・オデイに頼むことになった。当時はネットなんかない時代。曲数が多いのでカセットに録音した曲を郵送して、彼が仮歌を歌ったカセットをまた送ってくるという作業。そうなると間に合わないので彼を日本に呼んでやってもらうことになった。一月ほどアラン・オデイに滞在してもらって作詞や歌唱指導などもやってもらいつつ作業した。

・ONLY WITH YOU
「ONLY WITH YOU」はこのアルバムのために書き下ろした曲。A面の3曲目。達郎さん31歳のレコーディング。この当時の『MELODIES』や『POCKET MUSIC』を今聴くと声が若い感じがするけれど、英語だと声が今とそんなに変わらない感じがするそうだ。全曲英語は洋楽の音楽ファンに向けたアプローチで、達郎さんはネイティブ・スピーカーではないし、現代のバイリンガルのシンガーと違って海外進出など考えてなかったそうだ。達郎さんはしばしば日本語が乗りにくいメロディを作ってしまうのだとか。そのメロディに日本語を乗っけるので、日本語がすごく歌いづらい。それで一風変わった歌い方をする。矢沢永吉さんの時代から忌野清志郎さん、桑田佳祐さん、みんな特徴のある歌い方をする。どうやって英語的なメロディに乗っけるかという努力の結果がそうなっただけ。逆に英語の歌詞だったら苦労しなくていいので楽しい。「ONLY WITH YOU」に日本語を乗っけようとすると言葉数が少なくて苦労する。

・MAGIC WAYS
A面の4曲目「MAGIC WAYS」もこのアルバムのために書き下ろした曲で、英語の歌詞を想定して作った曲なので日本語は乗りにくい。1980年に「RIDE ON TIME」というヒット曲が出て、ようやく長い下積みからブレイクしたときに思いついたのが、脇道に逸れるというかオリジナルと違うアプローチ。それで作ったのが『ON THE STREET CORNER』というドゥーワップのアルバム。ひとり多重録音のひとりアカペラで一風変わったものだったが好評を得た。その次にやろうとしたのがこうしたビーチボーイズ系のサーフィン・ホットロッド系の作品。オリジナル・アルバムと違うアプローチでどれだけ作れるかという、簡単に言えば引き出しの多さ。音楽的に幅広くいかにアピールできるかということを考えると、ときどきこうした脇道に逸れる手段が有効だった'80年代。『ON THE STREET CORNER』は3枚、夏の『BIG WAVE』に冬の『SEASON'S GREETINGS』という作品も'90年代に作った。

・I LOVE YOU PART II
「I LOVE YOU PART II」はドゥーワップ・テイストのひとりアカペラ。CM用に作った「I LOVE YOU」にアラン・オデイが、メロディを上に作って英語の歌詞を付けたらどうだと提案してできた曲。A面の最後の曲。

・業務連絡
FM群馬では7月27日に高校野球中継があるため午後8時からの放送になる。試合が早く終わったり雨天中止の場合は通常通り午後2時からの放送。

・GIRLS ON THE BEACH
B面は全てカヴァー。もうひとつ大きな特徴はドラムもベースもひとり多重録音でやってること。「GIRLS ON THE BEACH」はビーチボーイズのカヴァー。ビーチボーイズの1964年のアルバム『ALL SUMMER LONG』に入ってる。高校のときにビーチボーイズのレコードからコーラスのコピーをして譜面を書いてたので、それをもとにアマチュア・バンドでやったり、自分でやったりしていた。プロになったきっかけは自主制作でビーチボーイズのカヴァーをやって、それが大滝詠一さんの耳に届いて、そこから声がかかって道が開けた。このアルバム『BIG WAVE』はひとり多重録音が多くて「THE THEME FROM BIG WAVE」と「MAGIC WAYS」以外は全てひとり多重録音。当時はスタジオ・ミュージシャンの全盛期だったので、誰のレコードでも同じミュージシャンが演奏しているので音が似通ってくる。ニュー・ミュージック、フォーク、ロック、アイドル歌謡もスタジオ・ミュージシャンがレコーディングしているので松田聖子さんでも南佳孝さんでもバックは同じだった。スタジオ・ミュージシャンを使うとビーチボーイズの色彩が出ないのでひとり多重録音をすることにしたという。たとえ下手でもヘタウマの色合いが大事で、これがひとり多重録音でやったいちばん大きな原因だった。

・PLEASE LET ME WONDER
B面の2曲目はビーチボーイズのアルバム『TODAY』に収められている「PLEASE LET ME WONDER」。アルバム『BIG WAVE』は達郎さんにとって最後のアナログ・レコーディング。このような音世界はもう二度と構築できない。今のプロツールスではこの空間が作れない。

・DARLIN'
B面の3曲目「DARLIN'」はシュガーベイブのときからやっていた曲。ビーチボーイズではカール・ウィルソンがヴォーカルを取っていた。

・BREAKDANCE (Previously Unreleased)
映画『BIG WAVE』は当初、サーフィン・ドキュメンタリー・オンリーの映像で構成されるはずだったのが、輸出用に長さをのばすことになり、結果的にサーフィン以外のシーンを足すことになった。映画としては焦点がぼけた感じのものになってしまった。でもサウンドトラックとしては好評で夏にずいぶん聴かれた作品になった。ボーナス・トラック7曲の中でいちばんめずらしいやつがアルバム未収録の「BREAKDANCE」。映画の中にブレイク・ダンスのシーンがあってそれ用に音を作ってくれというオファーがあり作った。「当時のテクノもののアチャラカなやつでございます。もともと収録されてる曲と指向が全然違うのでアルバムには収録しませんでした」と達郎さん。

・I LOVE YOU (Previously Unreleased Acappella 30sec. Version)
ボーナス・トラックから「I LOVE YOU」のアカペラのステレオ30秒ヴァージョン。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

07月27日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp

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