<01月18日プレイリスト>
[新春放談 Part 3(ゲスト:大瀧詠一)]
RUNNING SCARED/ROY ORBISON '61
MOTHER/JOHN LENNON "PLASTIC ONO BAND" '70
GO AWAY LITTLE GIRL/DION "DONNA THE PRIMA DONNA" '63
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■内容の一部を抜粋
・近況
先週から全国ツアーが再開。これまで13本が終わって今日は14本目、福山のふくやま芸術文化ホール。21日、22日は鹿児島公演。6年ぶりだそうだ。全国ツアーのスケジュールはタツローさんのホームページに掲載されている。
http://www.smile-co.co.jp/tats/
・新春放談
お正月は大瀧詠一さんをゲストに迎えておなじみの「新春放談」。
先週はバリー/グリニウィッチ特集の先駆けでバリー/グリニウィッチに造詣が深い大瀧さんに話を聞いた。今週はその話の続き。
・OS
遠藤実さんや船村徹さんと直接会って、生まれ育った時代が違うのではなくてOSが違うと感じたのだと大瀧さんは話す(笑)。「OSが違うので憧れてはだめだ」と自問自答していると大瀧さん。遠藤実さんや船村徹さんは流しの経験があるのだと話す。それと同じことをジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチにも感じるのだと。逆に服部良一さんをはじめ日本の戦前の人たちはジャズの体験があるから、アメリカン・ポップスの体験を通した大瀧さんとOSは同じだと思うのだそうだ。以前、ラジオ番組の特番で「ポップス伝」を公開したが、そこでは歌謡なり浪曲といった伝統芸能に近いのはバリー・マン、唱歌や学校で教える音楽に近いのはキャロル・キングで、ジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチは童謡的なものとして分けたのだという。で、大瀧さんと資質がいちばん合ってるのはジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチで、このジャンルの人は日本でヒット曲が書けないことになってるのだと話す(笑)。『LET'S ONDO AGAIN』でナイアガラの活動を終わろうとしたときに文化と勝負しても勝ち目がないとそう思ったそうだ。
・RUNNING SCARED
もし大瀧さんが伝統芸能で勝負していたら船村徹さんみたいになっていたかも、とタツローさん。「布谷(文夫)さんになってたかもしれない(笑)。布谷さんから離れられないのは同士のものを見るからという気がするけど」と大瀧さん。
ロイ・オービソンが「ONLY THE LONELY」の途中で"You gat a ~"となるところとか、「RUNNING SCARED」で終わるのかなというところで"OK"と歌うところの非論理的な展開。詞先だからああいう展開なのだと思うが、曲先だとすると大作曲家だと大瀧さん。
・ジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチ
先週かけた「HANKY PANKY」のようなC,F,Gの曲でメロディアスなのというと「君は天然色」がある。タツローさんは大瀧さんを褒め讃えたという。大瀧さんは「A面で恋をして」のほうがジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチのイディオムなのだと話す。自分の体質にジャスト・フィットしていて、あの曲以上のものはできない、ジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチは難しいと。
・MOTHER
ジェフ・バリー、エリー・グリニウィッチの作品をフィル・スペクターは最大限に登用した。フィル・スペクターというとエコー、ウォール・オブ・サウンドだが、タツローさんはジョン・レノンの『PLASTIC ONO BAND』を聴いたときインパクトがあったのだと話す。ノン・エコーでベース、ドラム、ピアノだけでプロデュースしている。スペクターのジョン・レノン作品は押し並べていいとタツローさん。ポール・マッカートニーとスペクターが合わなかったのは「資質の違い」と大瀧さん。
・音楽史
『ロンバケ』は中学生の頃に聴いていたサウンドで、『EACH TIME』は高校生のときに聴いていたサウンドをやったと大瀧さんは話す。大瀧さんはその後、バッファロー・スプリングフィールドを聴くので、サウンドの傾向からすればはっぴいえんどになるのだそうだ。そして『NIAGARA MOON』でニューオリンズだから、この順番が自分の音楽史なのだと話す。
・ブロンディー
ブロンディーのデビュー時の最初のデモは「OUT IN THE STREET」だったという。エリー・グリニウィッチはファースト・アルバムに参加してコーラスと曲の提供をしているのだそうだ。この話は特集のときにするとタツローさん。
・GO AWAY LITTLE GIRL
木崎義二さんがDIONのリストを作っていてあと4曲でコンプリートとなるそうだ。タツローさんがコロムビアのレア・シングルを持っていたので進呈したとか。だからあと2曲だけになったそうだ。DIONの「GO AWAY LITTLE GIRL」はキャロル・キングが書いた曲。大瀧さんはキャロル・キングの曲でいちばん好きなのが「GO AWAY LITTLE GIRL」だとか。
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〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
01月25日は、「リクエスト特集」