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旅の実質的な1日目になる1月10日(土)の朝は、新大阪で迎えました。
「乗り換え駅」の新大阪駅、外に出たのは、おそらく今回が初めて。駅舎の1階部分は大きなピロティで、建設当時の最先端の意匠が取り入れられていました。
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新大阪からは、特急「こうのとり」で福知山へと向かいます。
車両は新型の287系で、後ろに緑帯の「くろしお」用車両が増結されていました。さらに臨時列車も続き、さすがはカニシーズンの3連休です。
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車内は、JR西日本の新型車両に共通した、あたたかみのあるデザイン。新大阪発車時点では、ガラガラでした。
グリーン車はゆったり3列座席で、某元兵庫県議も毎日のように乗った「はず」。これなら毎日のように通ってもラクだろうなとは思いましたが…
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紀伊半島を走る「くろしお」向け車両であることを暗に示すのが、津波発生時の避難要領を示すステッカーと、脱出用ハシゴ。南海トラフ地震に対する備えは、しすぎてしすぎることはありません。
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大屋根がかかる大阪駅へ。乗車口には長蛇の列ができており、8割近い乗車率になりました。
尼崎でも神戸方面からの乗客を乗せ、満席近い状態で福知山線へ。2005年の脱線事故現場のカーブを、ゆっくりゆっくり通過していきます。手を合わせ、改めて107名の方々の冥福を祈りました。
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国鉄末期に、立派な高架とトンネルで渓谷をショートカットした福知山線。しかし川代渓谷では今も、旅にふさわしい車窓を見ることができました。
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福知山駅で下車。高架化された駅は、大都市のそれのような雰囲気です。
駅前の市民交流プラザは、角の取れたユニークなデザイン。図書館を併設しており、書架のデザインを建物に合わせているのも面白かったです。
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福知山からは「一筆書ききっぷ」からしばし離れ、第三セクター「北近畿タンゴ鉄道」へと舵を切ります。ホームに上がると、「お目当ての列車」こと、くろまつが待っていました。
「くろまつ」は昨年5月にデビューした、水戸岡鋭治氏デザインのレストラン列車。肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」の、後輩格にあたる列車です。北近畿タンゴ鉄道も億単位の慢性的な赤字に悩まされており、起死回生を賭けた列車でもあります。
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車内は向い合せの席にテーブルが並び、「おれんじ食堂」よりも食堂車の雰囲気があります。
乗車すると、さっそく客室乗務員から、飲み物のサービス。道中は紅茶やコーヒーなどがお代わり自由ですが、途中で飲み物の変更はできないとのこと。相方とコーヒー、紅茶を分け合いました。
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テーブルにはきちんとした食器がセッティングされており、走る列車の中であることを考えれば贅沢な感じです。
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発車すると、さっそくスイーツセットが運ばれてきました。4種のスイーツがてんこもりで、甘党としては自然と顔がほころびます。
辛党でもあるので、これが日本酒であっても同じ反応だったとは思いますが。
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丹後の栗山には、こんな解説シートまで(笑)。
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最後には、和菓子2種と絵葉書の入ったお土産を手渡してくれました。気になるお値段は、福知山~天橋立間1時間強で4千円。通常運賃770円の区間ですが、贅沢なひとときを過ごせて大満足、妥当な金額だと思います。
ひとつ残念なのは、短い所要時間なのに終点を前にさっさと食器の片づけが始まってしまうこと。できれば最後まで、ゆったりとドリンクを楽しめたらと思いました。
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天橋立駅に着くと、折り返しのランチコースの準備が始まっていました。夜には「地酒コース」もあり、今度はコースを変えて乗ってみたいものです。
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生憎の雨模様ではありますが、せっかくなので駅裏手の「天橋立ビューランド」へ。モノレールに乗ると、駅構内がジオラマのように見えました。
肝心の天橋立は雨霧の中で、乗客からは「こりゃだめだな」「うっすら見えるかな」と落胆にも似た声が聞こえてきます。しかし雨は次第に上がり、山頂に着くころには日差しも見えるように。そして広がった景色は…
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天橋立にかかる虹! 絵に描いたような景色に、同じモノレールで登った乗客は、揃って感激の眼差しでした。
観光客同士、写真を撮り合うテンションもかなり高めです。
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帰路は、爽快な風景が広がるリフトで下りましたが、麓に着くころには再び雨模様に。この後も雨と晴の繰り返しが続き、この辺りのいわゆる「弁当忘れても傘忘れるな」という格言が身に染みました。
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駅前の観光案内所には利き酒コーナーがあり、おちょこ3杯にオイルサーディン付きで500円という良心的なお値段。蔵元ごとの個性も、しっかり感じられました。
じっくり飲み比べていたら、列車に乗り遅れかけました。あぶないあぶない。
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天橋立~豊岡間の快速「丹後路」は、2両編成の特急仕様で乗り得感があります。外観、内装ともに、JR西日本の特急列車との共通項が多く見られました。
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豊岡方には展望室もあり、前面展望と、大きな窓からの側面展望を楽しめます。
水戸岡デザインの列車に活路を見出すタンゴ鉄道ですが、本来の主役である特急型車両も大切な資産。3月からは、格安高速バスでお馴染みウィラーが鉄道の運営に当たることになっていますが、既存事業者にない発想で活かしていってほしいものです。
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「こうのとり」に1駅乗り、城崎温泉へ。川沿いに外湯が連なる、しっとりとした情緒ある温泉街ですが、さすが3連休、人でごった返していました。
年始の1月3日に起きた火災の跡は今も生々しく、現地対策本部では休日返上で動く人の姿がありました。
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列車の時間も気になるので、駅前の外湯「さとの湯」へ。露天やサウナなど施設は充実しており、寒い中での温泉はたいそう気持ちよかったのですが、塩素の匂いがきついのが残念。
温泉そのものは塩気があって、よさそうな湯。次回は、源泉を楽しめる温泉に行ってみたいものです。
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鳥取へは、普通列車で移動します。株優で特急券も半額になるので、特急に乗ってもさほど懐は痛くないのですが、特急そのものが少ない区間です。香住までは1日2往復、その先は往復に過ぎません。
その分普通列車も観光客の利用が多く、3両の列車はほどよく埋まりました。
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香住ではどさっと降り、ガラガラの車内で足を伸ばしていると、鈍行の旅の雰囲気が盛り上がってきました。
余部鉄橋は、新しいコンクリート橋になってからは初めて渡ります。橋の上からのどかな集落を見下ろす車窓は、今も変わりません。
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浜坂で乗り換え。2両のワンマン普通列車は、それでもがら空きでした。
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鳥取駅では、乗り換えで30分のインターバル。駅周辺の人通りは少なかったのですが、いい感じの居酒屋や洋風の飲み屋が連なっていて、一杯飲んでいきたい衝動にかられました。
出張で来たい街ですね。
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これまたがら空きだった特急で、倉吉へ。少し長めの3両編成だったので、平日だったら通勤客で混み合う列車なのでしょう。
倉吉からタクシーに乗って10分少々、今夜の泊まりは、はわい温泉です。懐かしい感じの歓迎ボードが迎えてくれました。
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旅館の周辺にもほとんど灯火を見かけず、旅館の夕食も予約必須。すわ夕食抜きかと絶望しかけましたが、近所に一件、食事処があるというので行ってみました。
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ステーキ、エビフライなどから選べるおもてなし御膳が1,944円ということで、焼き蟹御膳を頼んでみたら、かにみそ焼きまで付く豪華版。通常千円かかるという、お隣の温泉旅館の入浴券まで付いた、超お値打ちなメニューでした。
9時を過ぎてしまったので温泉には入れませんでしたが、大満足の晩御飯で、ご機嫌になって宿に戻ったのでした。