高松・瓦町のアパホテルで、3日目がスタートです。部屋の窓からは、建物の間から ことでん琴平線・長尾線の電車が見えて、「ちょっとだけよトレインビュールーム」でした。
三角型の旗が描かれた瓦町FLAGの広告電車は、走っているところを横から見るとなかなか面白い動きに見えます。
瓦町~片原町の市街地区間を行く、長尾線の電車。複線・電化の線路を走る通勤電車は、編成こそ短いながらも大都市近郊私鉄のような光景です。
踏切を渡り、商店街方面へと歩きます。四国にセブンイレブンが上陸したのは、2013年。当初からの店舗はサンクスが一気に鞍替えしてできたもので、その乗り換え劇には驚いたものです。
店内が異様に広い瓦町駅近くのセブンも、鞍替え店舗の一つかな?セブン独特の外装「薄茶色のタイル」が、タイル柄のシートを貼った「タイルもどき」だったので…。
高松に来たからには、うどんを食べたい。しかし祝日の早朝からやっている店なんてあるんだろうか?
商店街を歩いていたら、見つけました!立派な店構えの「麺処 綿谷(わたや)」です。8時30分の開店で、まさに開いたばかりでした。
いわゆる「高級うどん」系かなと思っていましたが、月見うどん250円、名物の牛肉ぶっかけでも390円という安さでした。さすが、うどん県はだてじゃない!
もちろん味もボリュームも抜かりなし。おいしかったです。
朝9時とあって、瓦町FLAGは開店前。店内には、ことでんのキャラクター「ことちゃん」と撮れるトリックアート写真スポットがあるらしく、行ってみたかったので残念です。
昨夜IruCaを買った僕は専用の自動改札でピッ、切符のヨメさんは有人改札のハサミでパチン。自動化したところで有人改札の駅員は必要なので、改札機はICカード専用として割り切っているのです。松山の伊予鉄でも見られる手法で、合理的だと思います。
改札内には、ことちゃんグッズの展示コーナーが。僕もきっぷ売り場で、「ことでんで行く!高松新発見の旅」なる旅ガイドムックを買いました。
ことちゃん&ことみちゃんの着ぐるみに和まされる ゆるいガイドブックを見ていると、また高松に来たくなります。
高松城址の堀端を走って、高松築港駅へ。
ホーム・パブは、椅子もこたつもそのままでした。なんて大らかなんだ(笑)。
JRの高松駅のガラスドームには「目」と「口」が入れられ、スマイルステーションなる愛称が付いていました。
快速「マリンライナー」に乗って、岡山へと戻ります。
三連休最終日とあって、岡山へ買い物に出る人や帰省客で車内は混雑。日本酒のワンカップを片手に携えてまわりのお客さんに話しかける上機嫌のおっちゃんに、皆さんちょっと苦笑いです。
でもその一方的なトークから、讃岐富士なる異名を持つ山があることを知りました。四国の玄関、高架の坂出駅からの眺めです。
昨日に続いて今日も快晴。眼下まで広がる瀬戸内海が爽快な、10分間の海上散歩でした。
岡山駅では、岡山電気軌道の市電に乗り換え。全線(といっても4kmと少しですが)が、ぐるりんパスで乗り放題です。もっとも普通に払っても、都心区間は100円と割安な運賃になっています。
川沿いを歩いて、真っ黒な岡山城へ。川向かいの後楽園ともども、パスで何度でも入れます。
復元天主の城内は、歴史上の史料の展示はもちろん、着物の着付けや、備前焼のロクロ回しなど「体験型」のコーナーが充実。外国人の観光客にも、喜ばれているんじゃないかしら。
天主からの眺め。後楽園は以前にも行ったことがあるので、上から眺めて満足しました。
代わりに後楽園とは反対側の、県立図書館へと足を伸ばします。
岡山は交通の結節点であることから、交通関係の図書は特に力を入れて収集しているのだとか。鉄道書だけでもかなりの数で、1週間くらい通って読みふけりたいラインナップでした。
閲覧室は、明るい吹き抜けが気持ちいい空間です。閲覧室は撮影禁止だったので、同じく明るい、エントランスの写真を載せておきます。
エントランスでは飲食物の持ち込みが自由で、お弁当を食べている人も何人かいました。カフェを充実させている図書館は好きですが、実用的にはこういうスペースもありがたいです。
岡山市内のコミュニティサイクル「ももちゃり」。32箇所のポートがあり、かなり充実しています。
「ももちゃり」と言いながら、自転車をピンク色にしなかったのは賢明な判断だと思います(笑)。
電停に行くと、ちょうどレトロ電車「くろ」が。駅とは逆方向の電車ですが、飛び乗ってしまいました。
超低床電車の「MOMO」と同じく、水戸岡鋭治氏のデザインです。氏「らしい」デザインですが、木の床など車両の古きよき部分は極力残されています。
「チン!」と鳴る、シンプルな下車ボタンもそのままです。
木の椅子は、オリジナルではない作りかえられたもの。見た目はおしゃれだけど、お世辞にも座り心地のよいものではありませんでした。
体験乗車みたいなものなので、2停目の小橋で下車。新型車や運賃値下げなど、意欲的な取り組みが続く岡山の路面電車ですが、こんな安全地帯のない電停も残っています。
路面電車の2路線に挟まれ、平行に街を貫く商店街をそぞろ歩き。天井にはステンドグラスが埋め込まれ、「欧風アーケード」とでも呼びたいデザインです。ヨーロッパにはないものでしょうけど…
電車で岡山駅前へ戻りました。
自転車走行空間整備は全国で進みつつありますが、駐車スペースを「迂回」する形のレーンを見たのは初めて。自転車が車道に飛び出さずに済む、いいアイデアです。
岡山駅から地下道で直結している都市型SC、イオンモール岡山へ。西日本におけるイオンの旗艦店であり、主要駅の駅前という立地が一大特徴です。
オープンから1年、公共交通で来る人はほぼ予想通りの数で、車での来客は少なく、その分が見込みに対してマイナスの業績であると伝え聞きます。とはいえモール内の人通りは、中心部のアーケード街の比ではありません。
スタバのテラスもある屋上広場では、夜にイルミネーションも灯されているそう他です。ショッピングセンターというより、駅ビルのような雰囲気があります。
株主やゴールドカードなどの所持者だけ入ることができるラウンジも、広々。ウチの地元のイオンのような、順番待ちはありませんでした。ドリンクは1杯までなんて制限もなく、フリードリンクなのも嬉しいところです。
ゆっくりくつろいで行きたいところですが、新幹線の時間が迫ってきました。
JR西日本管内のコンビニがセブンに衣替え中なのは知っていましたが、ホーム上のキオスクまで進出しているとは知りませんでした。
時間は午後2時。お昼ごはんを食べる間を惜しんで街歩きをしたので、ようやく駅弁でランチです。繊細な違いが分かる舌は持ち合わせていませんが、地域限定のビールは、ついつい手が伸びてしまいます。
このまま「のぞみ」でゆったり座って行けば、家までは2時間もかからない、のですが…
新山口駅で降りて、後続の「こだま741号」に乗り継ぎました。500系新幹線の、アニメ「エヴァンッゲリオン」タイアップの特別装飾車両、“500 TYPE EVA”による運行列車です。
500系の近未来的な外観に良く似合う、アニメの世界の特別塗装。手軽なラッピングではなく、きちんと塗装を施しているとのことで、期間限定なのが惜しい完成度です。ホームでカメラを向ける人は両手で収まらない数で、注目度の高さをうかがわせていました。
車内も、特別仕様。エヴァのデザインが、細かい所にまで散りばめられています。特に2号車は特別装飾車になっていて、車内がまるごと「あの」緊張感がある世界観に。
自由席車ということもあって、乗車率は他の号車よりぐっと高くなっていました。
1号車は1両まるごと展示・体験ルームになっており、無料ながら、「入室」にはネットでの事前抽選制になっています。
2号車の前方3列は待機席に割り当てられており、予約区間の前駅発車後には移動しておく決まり。ちなみに僕らの予約区間は厚狭~小倉間なので、新山口乗車後に直行しました。
客室乗務員さんから、パンフレットと許可書を受け取ります。デザイン、凝ってますね。
厚狭発車後、乗務員さんの案内で1号車へ。窓のない広々とした展示スペースは博物館のようで、新幹線の車内とは思えません。
パネル展示はエヴァンゲリオンの内容かと思えば、エヴァとの共通点から見出す、新幹線の解説。あくまで山陽新幹線40周年の記念企画、主役は新幹線ってことでしょうか?
模型(フィギュアって言わなきゃいけないのかな?)も、エヴァと新幹線のコラボ。写真で撮ると、実物かと見紛うほどの出来栄えです。
振動にも耐えなきゃいけないわけで、作り手さんも普通のものとは勝手が違ったんじゃないでしょうか。
そして展示ルームのさらに奥にあるのが、エヴァコクピットの体験ルーム。体験にはさらに高い抽選倍率をくぐり抜けなければならず、僕はあえなく落選でした。
ところがこの日は当選者が現れなかったらしく、見学だけはさせてもらえました。操縦体験の最後には、500系との「シンクロ率」まで表れるんだとか。エヴァファンならずとも一度は経験してみたいけど、もし当選していたら他のファンに譲ってただろうなとは思います。
こだま741号の1号車は昨春まで「プラレールカー」(写真は一昨年秋の様子)として子どもの人気を集めていましたが、エヴァ新幹線ではまた違うターゲットの人気を集めています。エヴァ新幹線は来春までだけど、500系という特別な存在感を放つ車両を生かした企画、さらなる次回作にも期待したいところです。
「ぐるりんパス」は北九州市内までなので小倉で降り、節約のため「ソニック」で福岡に戻って、長い三連休の旅は終わりました。