気仙沼市本吉町山田地区北部、沢沿いの林道をゆるやかに上がって行くと、傍らの草地に
たくさんの小さな淡紅色の花穂が立ち上がっています。さらに行くと沢沿いやあちこちの
山裾の草地にたくさん咲いています。よく見るイヌタデよりも花穂が細く、花数も少ない
し、葉の中央に深緑色の斑が入っているので、別の種でしょうね。
帰宅後に野草図鑑と見比べて、種を同定しましょう。
二枚とも2020.10.15撮影
「秋の野草」という図鑑でイヌタデの前後のページをめくっていると、ハナタデという植
物が載っていて、私の写真の植物とよく似ています。自生地が林縁や草藪となっていて、
写真のタデと同じような環境に生えるようですから「ハナタデ」で間違いないでしょう。
花穂に付いている淡紅色のツボミのように見える小花ですが、この小花には花弁がなく、
花弁のように見える部分は萼だと言います。花後も萼は残って種子を包んでいて、一見す
るとツボミのように見えるのだそうです。たぶん・・もう結実しているのでしょう。
二枚とも2020.10.15撮影
タデ科イヌタデ属の一年草で、日本全土に分布し、草丈は30~60cm。
半日陰の林道端や沢沿い、山裾の草地などの湿気のある場所に自生し、しばしば群生する。
茎の下部は地を這い、上部は立ち上がる。
葉は互生する。葉身は卵形〜長卵形で長さは3~9cm、先端は急に細くなって尾状に尖り、
中央部に深緑色の斑紋があるものが多い。茎の節に付く托葉鞘は筒形で縁に長い毛がある。
花期は8〜10月、茎や枝の先端から細長い花穂を出して、淡紅色~白色の小花を咲かせる。
花弁に見える部分は萼。雄しべは7~8本で、雌しべの花柱は3本。
花後も萼は残って種を包み、ツボミのように見える。
果実は痩果、種子は3稜形で黒色。
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