一関市藤沢町黄海地区南西部、峡谷の中腹に開削された林道を下って行くと、崖下の落葉
の間に朱色のキノコのようなものが見えます。ヒイロチャワンタケでしょうか ?
落葉を除けてみると、形が椀というよりも深い壺形をしていて、内側の色は濃い朱色で、
外側が白色です。質は軟骨質で、人の耳介のような質感です。
崖下が落葉溜まりになっているので、腐葉土に生えているのかと思いましたが、指先で探
ると枯枝から生えていました。周囲には10本近く生えていたので、落葉の中には数本の枯
枝が埋まっているものと思われます。
ヒイロチャワンタケの仲間でしょうから、それを手掛かりに種名を調べてみましょう。
二枚とも2021.3.4撮影
「きのこ図鑑」でヒイロチャワンタケを検索し、その前後のページをめくってみましたが似
たキノコは載っていません。ネットでヒイロチャワンタケを検索し、写真を見比べたり解説
を精読したりしましたが、納得できる記事には行き着きません。
次いで図鑑に載っていたオオチャワンタケをネット検索して、写真や記事を見比べていると、
ベニチャワンタケというキノコの写真があって、色や形がよく似ています。
改めて「ベニチャワンタケ」でネット検索すると、早春に発生するキノコで、落葉上の枯枝
などに生えるようです。黄海地区の発生場所と同じ環境ですから、これでしょうね。
2021.3.4撮影
ベニチャワンタケ科ベニチャワンタケ属のキノコで、温帯~亜寒帯に分布する。
発生時季は3~4月、林床の枯枝に発生し、しばしば数個体が連なる。
子実体は有柄の椀形で直径1~8cmだが、発生時はすぼまった壺形で生じることもある。
椀の内側は鮮紅色~深紅色で、外側は白い綿毛が密生して白色~淡紅色。
柄は1cm以下と短く、朽木にしっかりと食い込んでいる。
肉は朱白色を帯び、やや強じんで弾力性がある。無味無臭で食不適。
胞子紋は白色。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます