里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イブキスミレの根生葉か

2020-10-13 | 日記

加美町宮崎旭地区西部、尾根筋の細い山道を登りきると、そこからは広葉樹林内を緩やか
に下っていきます。一度木々の疎らな場所を通過しますが、その先も若い広葉樹の林が続
いています。その林の入口付近の山道に、タチツボスミレらしき群落があったものの、あ
りふれたスミレですから注目することもなく通過しました。

ところが、林内の薄暗い場所まで群落が続いているので、ここで初めて「タチツボスミレ
ではないかも ?」と疑問が生じてきました。タチツボスミレは日向~半日陰には群生して
いますが、薄暗い林内に群生するのは稀なこと。これは別のスミレかも知れません。

                              二枚とも2020.10.9撮影

改めて葉を観察すると、イブキスミレの葉に似ているような ? その特徴は・・
①葉が丸く、先端が小さく突出する。
②葉の基部は心形で、左右が重なることもある。
③葉脈が窪み、くっきりと目立つ。

各部の特徴が合致しますから、イブキスミレの可能性が高いですね。
来春の花期に再訪して、是非とも花を観察したいものです。

                                  2020.10.9撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、本州の東北地方~中国地方に分布し、草丈は12cmほど。
火山灰地や石灰岩地帯の落葉樹林に自生し、しばしば群生する。
イブキスミレの名は、滋賀県の伊吹山で最初に採集されたことによる。
葉は束生し、葉柄が長い。葉身は円心形で、先は鈍頭または短く尖り、鋸歯は低い。
花期は、心形の基部が表側に巻いている。托葉は全縁で縁に少し腺毛がある。
花期は4月中旬~5月上旬頃 葉より長い花柄を出し、先端に淡紫色の花を横向きに開く。
花の直径は1.5~2cmほど、花弁は5個、唇弁に濃紫色の筋が入り、側弁の基部は有毛。
雄しべ5個、花柱は先が短く曲がる。距は白色で太め。
花後、茎を出し、少数の茎葉と閉鎖花をつける。
果実は蒴果で、3裂して種子を飛ばす。

 



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