白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

雨の多い季節に寄せて

2012年06月07日 20時41分57秒 | 日記

カッコウが朝からうるさいように鳴いた。

『カッコウが鳴いたら豆を蒔け』

土地の古老は言う。

今日こそ豆を蒔くというその日の朝のことだ。

六月の第一日曜日と決めていた。三家族で共同の豆畑。

大豆と黒豆、緑豆。

味噌にしたり、納豆を作ったり、豆腐にしたり、ほとんど肉を食べない身には貴重なタンパク源。

 

それとは別に我が家専用の菜園では色々な野菜が育っている。

 

庭先ではたった一本だけのニッコウキスゲがそこだけぽっと明るくなるような花を咲かせている。

 

そして、そこだけ明るくなると言えば、五月二十七日に東京で受けた消防設備士試験の合格通知が届いた。

多分1,800人受験して合格者334人。合格率18.6%。

思えば二十数年前、残業と休日出勤の中で、思うような勉強も出来ないまま受験して敢え無く散ってからずっと、借金を抱えているような気がしていた。

本当によく頑張ったと自分を褒めてもばちは当たるまい。

かつては点数など知らされないまま不合格とだけ書かれていた。何ができて何ができなかった家など知る由もなかった。

心配していた実技試験が96%の成績だったことは予想外のうれしさだ。

ボイラーと消防設備士の両方合格したらお祝いに御馳走してくれると約束してくれた年上のご婦人にさっそく連絡することにしよう。

 

今月半ばには四日間休みがある。

雨の多い季節。だけど雨宿りばかりしていられない。

美濃路に入ったままストップしていた中山道歩きに行こうと思っている。

残された難所、十三峠越えから始まるが、碓氷峠、和田峠に比べれば恐れるに足りないように思われる。

江時代からの老舗旅館にも宿が取れた。まさに旅籠と言った方がふさわしいその旅館は大黒屋旅館という。

多分和宮などが降嫁の折泊まったりしたのだろうか。古き良き時代に思いをはせながら歩く美濃路はきっと楽しいものになる。