白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

冬ごもり

2016年01月29日 21時39分52秒 | 日記

北信濃では記録的な雪の少なさの中で1月の後半を迎えた。

一時的に雪は降るものの長くは続かない。

それでも我が家の庭は10センチ程度の積雪がある。

1月は10日ほど仕事をしたが、あとは冬ごもりの日々を送っている。

昨日は半年ぶりにヨガ教室に行った。

この教室は年配者ばかりなので、かなり緩い。

先生は年配の女性で、食事は夕食のみの一日一食だという。

朝食を摂らないと一日の活動エネルギーが担保されないと現代栄養学は言う。

だが、野生動物は労働をして餌を採り(あるいは獲り)、その後に食事にありつく。

人間だって長い間そのようにしてきた筈だ。体がそのようにできている。

僕は小中学校のころ、朝食を摂ると、だるくなり眠くなった。

食べないほうがはるかに調子が良かったのだ。

『頭脳労働の人はしっかり朝食を摂って脳にブドウ糖を送ってやらないと、脳が働かないのでは?』と他の参加者が言う。

『断食をしたことがあって、食べないほうがはるかに頭がすっきりするし、冴えわたるのがわかる』と僕が言う。

先生も道場で一週間の断食をしたことがあるそうだ。そのときは3日目の頃が動けないほど具合が悪くて大変だったそうだ。

僕は自宅で一週間の断食をした。

その時の経験から現代栄養学をあまり信用していない。

会場から自宅までは19キロほどあるのだが、大体ランニングで帰ることにしている。

途中千曲川を渡る。遠くに後立山連峰や上信国境の山々、善光寺平周辺の里山が雪をかぶって白く輝いている。

次第に登り勾配が急になる。最高傾斜度は12.9%。

これは水平距離100メートル行く間に、役13メートル高度を上げるということだ(多分)。かなり急な傾斜だ。

これが数キロ続く。途中何度も心が折れて歩きそうになる。だが、その度に自分との戦いに勝ちついに自宅にたどり着いた時の達成感は何物にも代えがたい。

 

今日は天気が悪かったので冬ごもり。

石臼で粉を挽き、そばを打った。

 

                

 

                

 

そばは新そばがいい。それは間違いないのだが、大寒の寒さの中で甘みを増したそばはもっといい。

石臼で粉を挽く作業は時間を気にしているような時にはできない。

2時間かけてやっと400グラムの粉ができた。もちろん振るう時間も入れてだが。

最初の一番粉を取った後、もう一度挽いた。

程よく殻も挽き込まれて、茹でたとき黒い星が浮かび上がる。これが田舎そばだ。

 

日がな一日、そば三昧で過ごすのはなんという贅沢。

世間では甘利大臣の辞職、SMAPの解散騒動、ベッキーの不倫騒動、原発の再稼働、北朝鮮のミサイル発射騒動と騒がしいが、この、雪に覆われた白樺小舎の中にいるととても静かだ。

先日仕事で行った図書館で、使用期限が切れた本がたくさんあった。『ご自由にお持ちください』という張り紙とともに。

気に入ったものだけ持ち帰り、読み進めている。何冊も同時並行で。

『樹氷』五木寛之。『寅さんがタバコを吸わない理由』大室幹雄、『棋風堂々』大山康晴、『エッセイを書きたいあなたに』木村治美、『41歳寿命説』西丸震哉、『街角で笑う犬』椎名誠、『現代将棋の急所』山田道美。これらが同時進行で読んでいる本だ。

他に『夏の雨』マー.ヴァン.カーン、『コロンブスは何をもたらしたか』ミルトン.メルツァー、『天国と地獄 地球8万キロ自転車の旅』森逸広、『トーマス.マン』村田經和、『猿の証言』北川歩実、『本牧帝の灯は消えず』石井英子、『史上最大の乗り継ぎ旅』種村直樹、『首里』堀場直子,『最後から一人目の読者による「埴谷雄高」論』池田晶子、『ブナの山々』根深誠 他。これらはこれから読む本。

中にはほとんど読まれた形跡がない本もあり、ハードカバーなど買えない身にはとてもありがたい。この冬ごもりの中でだいぶ読めるだろう。