晴れた五月、民衆の高らかな歌声が聞こえたのはもう昔のこと。
今はもうその歌声も抑え込まれてしまった。
再び歌声が起こることを信じて。
元日に飯縄山に登って南峰のお地蔵さんの前掛けを取り替えてきた。
本峰のお地蔵さんは雪の中で見つけられなかった。
それはカミさんのミッションとなった。
それを果たしに、二日、七十八歳になる友人を誘って三人で飯縄山に登った。
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登山口。
ここは昔修験道の山。
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もとよりのんびり登山は覚悟していた。
ここは一の鳥居。
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フデリンドウ。
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イワカガミ(オオイワカガミ?)。
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スミレ。
スミレは驚くほど種類が多く、正式な名前はよく知らない。
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ショウジョウバカマ。
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奇麗な花だった。
野に咲く花の名前は知らない。
だけども野に咲く花が好き。
帰って調べてみたら『エイザンスミレ』らしい。
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これは葉の形からスミレの仲間らしいが、色と言い形と言い気品がある。
牧野富太郎なら教えてくれるに違いない。
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エンレイソウ。
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このような像が十三ある。十三佛。
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駒つなぎの場。
積雪期はこの尾根をロープにつかまり直登する。
夏道は右へ迂回。
気分的にはここが五合目。
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風雪に耐えた雄々しい姿。
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空気が澄んでいれば富士山が見える。
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水場の上に一輪だけ咲いていたカタクリ。
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天狗の硯岩。
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高度を上げると戸隠連峰の西岳、本院岳が鋸の刃のよう。
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山頂直下のお堂には天狗が祭られている。
これは飯綱三郎天狗。
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飯縄神社がある南峰に到着。
何と四時間以上をかけてここまで登ってきた。
元日には一時間半だった。
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初めてコーヒープレスを使ってみた。
自家焙煎の粉でとても美味しかった。
ここで気づいたのだが、問題が一つある。
コーヒー豆の片づけが大変だ。
コンロ一式はこの鍋(コッフェル)の中に納まるようにできているが、中をきれいにしないと入れられない。
山コーヒーを楽しむという贅沢な気分を味わうにはこれを解決せねばならない。
ここで遅い昼食。
友人は足が痛いという。
聞いてみると靴下は厚手と薄手の二枚履いているという。
観察してみると、靴ひもをきっちりと締め、フックの上から四段目で一回きつく縛ってある。
それはまるで石膏で固めてあるよう。
指で確かめてみると、全く余裕がない。
これでは血行が悪くなる。
昔は靴ひもをきっちり結べ、という指導がされたことがある。
ただそれは三十キロ以上の重い荷を背負って岩場を歩く時だ。
靴の紐を解いて緩め、フックの上二段は外した。中で指が自由に動くよう締め直した。
現在ではトレランシューズのように足首が自由に動くスタイルが主流。
足だってもっと自由を求めている。
脚の痛い友人は待機してもらってカミさんとミッションを果たしに本峰に行った。
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たくさんいた登山者もすでにいない。
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ビフォー。
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アフター。
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残雪の火打。左焼山。
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高妻から乙妻。
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白馬三山。
展望には事欠かない。
下りもゆっくり降りた。
全行程、八時間近い。
こんなにゆっくりした登山は何年ぶりだろう。
陽は大きく西に傾いていた。
五月のさわやかな空気を吸いながら楽しめた山旅だった。