そう言えば、おばあちゃんは正直を大切にしていた。「真実を曲げると世の中がややこしくなる」と言っていた。「まっすぐ、そのままがいい」と言っていた。
「嘘をついたことがないの?」と尋ねると、おばあちゃんは意外にも「あるよ」と言った。
「嘘をつかなきゃいけない時もある。けど、それは自分を守るためではなく、人を守るためにつくんだよ」
あずかりやさんー桐島くんの青春 大山淳子著より引用。
かつて学生時代の僕はものすごい読書家だった。
人生のことや社会のことは全部本で学んだ。読書は僕の学校だった。
多分、中学校の図書館の本は一番僕によって読まれただろう。
国語の教科書に出てくる新しい漢字で読めない時などなかったし、意味の分からない言葉などなかった。
数ページの教科書の内容を2時間も3時間もかけて勉強する意味が分からなかった。その時間、当てられた生徒がつっかえつっかえ音読するあいだに、さっと黙読すれば数分で終わった。あとはもう興味もなかった。内職をするしかなかった。
そんな学生時代を過ごした僕は近年実用書ばかり読むようになった。小説は読むに値しないものが多すぎて、選択するのが煩わしかったからだ。
それが、ここにきて少し暇ができると本を手にするようになった。もともと読書スピードが速くて、多分かみさんの3倍くらいの速さで読んでしまう。おまけに、読み始めると、脇目もふらずに没頭してしまう。この季節、あまり外に出ないということもあって、すごい勢いで読み進んでいる。
冒頭に引用した言葉などは、アノお方に聞かせてあげたい。世の中をややこしくしてしまったご夫妻と取り巻き達に。
本に影響され過ぎることは残念ながらもうないけれど、純粋に楽しむことはできる。
質の良い本屋さんに行くと、そこの空間が心地よくて、1日中でも居たくなることがある。図書館もそうだ。ホームセンターの資材館に行った時のようなワクワク感がある。
晴耕雨読とはよく言ったものだ。この冬、僕はどんな本に巡り合えるのだろう。雪に振り込められた北信濃の山里で、一心不乱に読書に耽るのも悪くない。
北信濃の素晴らしさに感動しました。
読書に関しても学生時代を思い出されて懐かしく感じました。私も高校では担任の先生のところに行っては本を借りて読んでいました。
今年の同窓会の際先生におまえはよく本を読んでいたなあといわれるほど印象にあったようです。
読書は宝、今でも私の財産と思っています。
これからもすてきなブログ見せてください。