新しい年が始まった。
今年はどんな一年になるのだろうか。
時は忙しく流れ去り、気が付けばいつか還暦も過ぎ、残された時間が気にかかる年齢になった。
やり残したと思うことがないように、日々を暮らして行こう。
2年前、歩き始めた中山道の旅もいよいよ大詰め。近江の武佐宿から京の三条大橋まで、四十数キロを残すだけ。
青春18切符を使って元日から鈍行で移動。一日かけて近江八幡まで。
2日は電車で武佐まで移動。そこから歩き始める。
とても外国になど行けないが、現代から過去へと重層的な旅をする。
江戸時代、多くの人々がこの道を歩いた。
同じようにぼくもこの道を歩く。先人たちは何を願い、何を思って歩いたのだろう。
日本が原発で汚染され、世界が核兵器の恐怖におののくようなこんな社会を作り上げてしまったことを、ぼくらはお詫びしなければならない。
維新で彼等が目指したのはこんな社会ではないだろう。
守山宿を越え、草津宿。ここは東海道と合流する地点。
東海道を本流とするなら中山道は支流なのだろう。ここから、中山道の標識は消え、東海道の文字になった。
この日、瀬田駅前のスマイルに宿を取った。
このホテルは、値段が安い割に部屋がゆったりしていて、ユニットバスも広かった。いくつかのホテルに泊まってみたが、一番良かった。
この日の歩数。45,609歩。
3日。
瀬田の唐橋を渡り、逢坂の関を越えていよいよ京都に入る。
山科駅のビルでお好み焼きを食べた。
予想以上にうまかった。
平安神宮にも立ち寄った。初詣の人たちがたくさんいて、屋台もたくさん出ていた。
中山道六十九次の終点、三条大橋に着いた。
感激を味わう間もなく、寒空のもと、予約しておいたホテルまで行かなければならない。
京都の冬も信州に負けないくらい寒い。
三条大橋から京都駅近くまでかなり距離があるらしい。
だが、乗り物に乗る気にはならない。もちろん、歩く。
このホテルで食べた豆腐料理のフルコースは2,500円とちょっと奮発したが美味しかった。
旅の終わり、余韻に浸りながらゆっくり味わった。
充実感や達成感はある。だが、もう終わってしまうという寂しさのほうが強い。
まあ、いいか、今度は東海道が待っている。
この日の歩数。46,937歩。
4日。鈍行を乗り継いで信州に帰った。
良い正月だった。とても良い正月だった。
お元気そうですね。何よりです。
右手はどうでしょうか。