生まれて一度たりとも、マーチンのギターを欲しいと思った事がない。10年位前、ギブソンのj-45を買うために神田をまわったもののよい個体に出会えず、「クラシック・ベッドのアコギもよいか」と1本買ったものの、すぐに手放した。大人になって、沢山のギター屋の友達ができて、「これ、最高っすよ」と弾かせてもらったD-45さえ、ピンとこなかった。勿論、同社の音楽業界と歩調を一にして成長した歴史は、素晴らしいと思う。要するに、合わないのだ。しかし、大久保の黒澤楽器で弾かせてもらった「この人」だけは、特別だと思った。私の歌に寄りそうように歌いかけてくるギター。「歌い手と同じ人格を持っている」とさえ思った。青柳さん基準の「世界一のマーチン」。凄い。こういうギターを松島英生くんのような「本当のマーチン弾き」は、どう評価するのだろうか。路上音楽情報紙ダダ・青柳文信。追記。このギターの凄さの秘密の一つは、恐らく、トップ材がシトカではなく、イタリアンアルパインであることにあるのだろう。凄い。凄すぎる。「奇跡のギター」に出会っ
た。
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