東京は、雨。空が気になって、屋根を見上げると、どこも、かしこも、尖った金属の針だらけ。野鳥や不審者の侵入を避けるためか。ふと下をみると百貨店の窓際には、鉄の棒が針ネズミのように立てられている。もし、この怪しい棒がなければ買い物を終えた人達の沢山の笑顔があったのだろう。もはや、百貨店の店員達の心の中にも、「ごゆっくり、お休みください」の言葉はない。東京では、もう誰も他人に支払われた硬貨の分しか優しさを渡そうとはしていないのだろうか。もう人間らしい暮らしは、田舎街にしかないのかもしれない。言葉を失うぜ。路上音楽情報紙ダダ・青柳文信