銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

両国湯屋江戸遊(東京・両国)

2023-05-13 06:20:00 | スーパー銭湯
#両国湯屋
江戸遊





都営地下鉄大江戸線
#両国駅
▲都営地下鉄の両国駅のA3出口。後ろにそびえ立つのは大江戸博物館。この時は大規模改修工事中で休館していた

▲出て正面に横断歩道があり

▲その横断歩道を渡った先に、江戸遊の広告看板がある


▲そのまま直進すれば

▲江戸遊に到着。あっという間の距離だ




▲ビル丸ごとで大きな建物である。白い部分がのれんを表現したものだろう


入り口に入って奥に進むと長方形に囲われたフロントがある。
下駄箱は手前かと思ったら、左の奥に進むとあった。男女に分かれていて、男が青で、女が赤と区別されている。
手前側の下駄箱はほとんど空いてなかったので、この時点で相当混んでることが分かった。フロント前も行列ができており凄く人気があるところのようだ。
待っていて順番が来ると対応してくれたのは20代の男性。ほかに40代ぐらいの女性と20代の女性がフロントに立っていた。大手になると対応は軒並み良いのだが、若い男性の対応はややぶっきらぼうな感じ。たまたまだったのか分からないけど。
初めてかどうか聞かれて、「初めてです」と答えると、それぞれのコースを紹介された。自分は銭湯オンリーで構わないので1時間コースをお願いすることに。値段は1500円とここの最安値である。ほかのコースは余計なサービスが加わり値段が高すぎるので、このコースがなかったらたぶん来なかったと思う。
支払いは下駄箱の突起がICチップになっているのでそれをかざして各種サービスを受けて、最後に精算する仕組み。
タオルとバスタオルは手提げ袋に入れられてフロントで渡される。返却する際は脱衣場の返却用バスケットに入れる。
時間制なので、説明が終わった段階で下駄箱のIC部分を端末にタッチし、そこから時間が開始される。
ちなみに帰りの会計は精算機がフロントのはす向かいにあるので、そこで手続きをする。支払いは現金だけでなく電子マネーなども使えて便利。
ゲートも下駄箱の突起をタッチすると開くようになっている。


男湯は2階と紹介されたので、エレベーターでのぼることに。
エレベーター前では綺麗な若い女性たちが列をつくり、なんだか場違いに来てしまったという感覚に襲われる。
エレベーターを降りると、入り口には重厚なのれんがぶら下がり、その反対側には休憩室が用意されていた。優雅な音楽が流れ、テレビもあった。
のれんをくぐれば脱衣場になるが、予想通りにだいぶ混雑していた。
ロッカーは横列にいくつか並び、一つひとつは細い縦型になっている。旅行者なども訪れていたが、スーツケースなどは一階の入り口受付で預かってくれていた。
ロッカーの横にはドレッサーが壁一面に並ぶが、ティッシュや綿棒、無数の化粧水がところ狭しと並ぶ。このへんの充実ぶりはさすがだ。
ロッカー同士の間隔は狭いので少しストレスを感じた。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲使わなかったけどアメニティの品ぞろえはなかなかすごかった


脱衣場を抜けて浴室の扉を開けると最初は緩衝スペースになっている。ここでタオルを使って体を拭く。こうしたきめ細かい空間の使い方はスーパー銭湯ならではである。
その緩衝スペースを抜ければ浴室。
浴室は一般的なスーパー銭湯と比較するとすこし狭いかもしれない。
浴槽は左側から奥に掛けてL字に並ぶ。
カランは右側の空間にあり、落ち着いた灰色で統一されている。
カランの作りはほかのスーパー銭湯と変わらないが、歯ブラシにナイロンタオルや櫛などアメニティが用意され、備え付けはシャンプーにリンス、ボディーシャンプー、ボディーソープもあった。
ボディーシャンプーとボディーソープの違いはいまいちよく分からないが、とにかく種類が豊富。それと大手メーカーのものを使っており、巷の銭湯みたく備え付けが安っぽくない。
カランの作りは奥行きがあるので、銭湯の固定シャワーに慣れてしまうとちょっと使いにくいと感じた。


浴槽は手前がいきなり「あつ湯」で、足を入れたらたしかに熱かった。ここだと本格的に熱いお湯に入りたい人もそれなりに納得できる湯船だろう。とはいえめちゃくちゃ熱いわけでもなく44℃ぐらいか。これは薬湯仕様にもなっており、この日は菖蒲の香りを楽しめるものだった。入れる人数は、たぶん4人ぐらいが限度だと思う。
その奥が主浴槽となるジェットバスを備えた白湯で、奥がハイパージェット、手前が座湯になっている。
温度は41℃ぐらいとスーパー銭湯らしく適温。真ん中には手すりが設置され、足下には足つぼがあった。限られたスペースを有効活用するために色々とコンパクトに収容されている。


出典:江戸遊ホームページ引用
▲こちらは女湯なので壁絵が違っている


さらに奥が浅浴槽の高濃度炭酸泉。白湯とおなじぐらいの広さを誇り、それなりに人数を収容できる。
入ってみると炭酸の濃度はスーパー銭湯にしてはかなり低いなと感じた。このあたりは率直に残念だった。
そこから右に目を向けると水風呂がある。
水風呂は真ん中に段差をもうけていて、温度は20℃前後ぐらいか。スーパー銭湯らしく無難にまとめている。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲濃度の低い炭酸泉


出典:江戸遊ホームページ引用
▲やや狭い水風呂


サウナももちろんあって、浴槽の対面にふたつある。右側がフィンランドサウナと命名されたもので、左が中温サウナ。
フィンランドサウナはやはり本格的な熱さで入った瞬間から強い熱波が体全体を覆う。広さもそれなりあり、定番のテレビが入り口近くに置かれてあった。この日は夫婦漫才で有名な大助花子のドキュメンタリーを流していた。
お隣の中温サウナは中温とあるが、さほど温度の差はなくて十分に普通のサウナとして通用しそうに思えた。
先ほどのフィンランドサウナよりは狭く、8人ぐらいが限度か。
ここもテレビが用意されてあるが、空撮された景色がひたすら流れるだけだった。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲フィンランドサウナ


出典:江戸遊ホームページ引用
▲こちらが中温サウナ



そのサウナの裏側に立ちシャワーがある。湯船に浸かって、サウナを利用して、立ちシャワーで汗を流す動線を想定したものだろう。
ここが面白いのは、2つあるうちの一つは滝シャワーと呼ばれるもので頭上には桶が取り付けられている。ハンドルを下げると水がぶちまかれる仕組み。
滝シャワーというか、見た目とおりバケツシャワーである。


▲江戸遊独自のユニークな仕掛け


ここまでが室内で、奥の二重扉をあけると露天風呂になっている。といってもご存知のとおりビルに囲まれた立地なので、完全なオープンではなく天井部分と横板の簀の子から外気が入ってくる構造となっていた。そのために半露天風呂といったところだろうか。
入ってすぐ目の前は薬湯で、ここは森下仁丹が作った漢方薬だった。
見た目は青汁そのもので、なんとなく入るのに抵抗を覚えたが入ってみると匂いは通常の漢方薬湯と変わらない。むしろややマイルドで、温度は41℃ぐらいと快適。
その横に小さな窪みがあり、壁には湧出口があるのだが中は空っぽ。以前は使っていたけど、今はやめてその空っぽを誤魔化すように観葉植物が並んでいた。


露天風呂の左側奥には寝湯があるが、こちらは通常の寝湯と違っていて少し深みがある。なので入ってみると首をあずける角度がややキツい。ただそのかわりに半身部分はお湯にすっぽりと浸かるので冬場はちょうどいいだろう。通常の寝湯は体の表面が出てしまうので、冬の時期になるとちょっと厳しい時がある。
露天風呂のスペースは壁沿いに椅子が並び、みんな各々外気浴に浸っている。
ベッドチェアも二つあるが、こちらはかなり人気だったので、自分は使うことができなかった。


出典:江戸遊ホームページ引用
▲寝湯。写真は白濁だが、自分が訪れたときは透明の白湯だった


客層は多彩で、年齢層か幅広く、日本人だけでなく外国人(とくに白人)も目立った。フランス語とか聞こえたりとか、いかにも東京らしい風景。


壁絵は葛飾北斎の富嶽三十六景の神奈川沖浪裏を豆タイルで描いたもの。絵であるが、その絵を写実的に表現しているので、絵なのにまるで写真のようでもある不思議なタイル絵だった。


有名なスーパー銭湯ということでここはかなり期待を寄せたせいもあったが、一つひとつの質を考えてみると意外と普通かな?という印象を抱いた。
既存にないような新しい設備はなく、浴室に限ってみれば安パイにまとめられたという印象だ。
ただ、入り口から浴室までその空間演出は秀逸で、非常に洗練されていてお洒落。この特別な空間演出が広く支持されている要因かもしれないと感じた。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 両国
経路 すぐそば
周辺の環境 テナントビル

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 北斎の絵
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ハイパージェット、座湯、炭酸泉、水風呂、薬湯、寝湯
サウナ あり
温度 41~44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(料金込み)
備え付け あり

◆人
受付 20代の男女と40代の女性
客層 多彩


【案内】

営業時間

10:00 - 翌8:30

住所

〒130-0014
東京都墨田区亀沢1−5−8

tel

03-3621-2611



通常コース
時間無制限
大人2,970円
中人2,270円
江戸遊カード会員2,570円
カード会員デー(毎週火曜)2,370円
休日割増料金
330円

3時間コース
大人・中人2,400円
休日割増料金
330円

短時間コース(60分)
大人・中人1,500円

深夜割増料金
深夜1:00~翌6:00まで
1時間ごと360円

入館回数券
10枚1セット26,700円

※江戸遊ホームページ転載