銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

入船温泉(大阪・動物園前駅)(リニューアル)

2022-09-03 05:37:00 | 銭湯
#入船温泉






大阪メトロ御堂筋線
#動物園前駅

▲最寄り駅は大阪メトロの動物園前駅


▲工事中のさなかに訪れた



▲路線図をみると中心部はとくに碁盤の目のように敷かれている


▲動物園前駅というとファミリー層向けの場所と思いきや、光と陰のコントラストが激しい地域である。


▲出口にむかい






▲改札口


▲4番出口をめざし




▲地上に到着

▲そのまま真っ直ぐ歩き


▲踏み切りをわたって




▲ローソンがみえてくると思うので


▲ローソンのところまで歩き


▲ここを左折


▲するともう見えてくる


▲これはなんでしょうか?


▲定休日以外で毎日朝風呂をやってるのはすごい。とくに土日はぶっ通しだ


▲簡易型の宿泊施設も経営してるようだ




▲全景


▲到着

さらにはちょっとその先に足をのばすと







あいりん地区である。


ここは動物園前駅だけでなくJRや阪堺電気軌道(いわゆるチンチン電車)の新今宮駅からも来ることができる。
ただ阪堺電気軌道の新今宮駅はかなり特殊な駅なのであまりオススメしない


▲こんな感じで地肌がむきだしに。ホームで寝ている“住民”もいる

▲チンチン電車に乗ってると、ここに通るときはものすごい音が響く


線路のバラスト(路線に敷き詰められている石)が引き上げられたのは、かつてあいりん地区で暴動がおきたさいに凶器として使われたからだ。
過去には何十回と暴動が起きているので対策としてやむをえないのだろう。ただ今は住民たちの高齢化が進み、暴動をおこす気配などみじんも感じない


はなしを入船温泉に戻すと、リニューアルしたのが2022年8月8日で、おとずれたのが8月12日だった。リニューアルして4日目ということでかなり綺麗だった。
扉をあけて足をふみ入れると、木材をふんだんに使った空間で入った瞬間から心を落ち着かせてくれる。
券売機は正面にあって、各種組み合わせのチケットが上段に用意されていた。
今回は入浴料+貸しタオル540円と追加30円の石鹸チケットを購入した。
右扉を抜ければ、ロビーもやはり木材が潤沢に使われ、ぬくもりを感じさせてくれるすてきな休憩所だった。


▲フルセットは860円とお高めだが、カミソリや歯ブラシもあるので旅行者にうってつけのセットだろう


▲右手奥がロビーになっている


出典:入船温泉ホームページ引用
▲室内は隅々まで明るく、郊外にありそうなおしゃれなカフェの雰囲気だった


受付は入って左側にあり、対応してくれたのは50代なかばぐらいの女性。
「こんにちは!」と朗らかに対応してくれて、タオルを出してもらったあとで「使い終わった貸しタオルはこちらに返せばいいですか?」とたずねたら、「脱衣場の中にカゴがありますので」とはにかんだ笑顔でこたえてくれた。愛想の良さと奥ゆかしい感じがとても好印象だった。
帰りのときは「おおきに」と大阪らしい挨拶をしてくれた。はなし方一つで大阪弁は上品な言葉に感じられる。
女湯は左側で、男湯が右側。
 

ふたつののれんをくぐると、脱衣場も木を主役にしたデザインで、休憩用の椅子には畳が使われている。このあたりは和のテイストを意識した空間だった。
天井を仰ぎみると昭和の感性を今に伝える装飾フィルムが残され、今回のリニューアルした現代風の洗練された意匠と違和感なくとけ込んでいるから不思議だ。歴史の地層を積み重ねたからこそ可能な時代を超越したコラボである。
服をロッカーにあずけて浴室に入ると、浴室はどちらかというと部分的な中普請(リニューアル)にとどまっていた。


かなり広めの空間で、真ん中には短い島カランが2つ並ぶ。左右の壁にもカランが連なり、基本的に固定シャワーであるが、島カランの内側はすみっこに一つずつハンドシャワー仕様になっていた。
右手前にはさりげない形でサウナが据えられ、銭湯のサウナということで決して広くはないものの、中を覗いてみたら最新式のサウナだった。
今回のリニューアルした目玉のひとつがこれだろう。サウナブームの熱波は西成にもしっかりと届いていた。


出典:入船温泉ホームページ引用
▲オートロウリュまで導入。ここまでハイテクだとスーパー銭湯に引けを取らないどころかむしろ凌駕するほどだ


出典:入船温泉ホームページ引用
▲浴室のひだり手前にあるのが水風呂。深さを確保するために入り口が階段状になっている。水温は予想以上に冷たく、限界に挑戦するサウナーにとっては嬉しい設備だ


そのサウナの前には立ちシャワーがある。ただこの立ちシャワーはお湯しかでないのと頭上に大きな円形のヘッドがあるものの勢いはかなり微妙だったので使い勝手が悪かった。こうした基本的な設備が刷新されてなかったのは残念。
一方で、通常のカランは勢いがちゃんとしてたので問題なかった。
石鹸を使ってシャワーでゴシゴシ流そうとすると、なかなか落ちない。もしや軟水?と思ったら、軟水だった(水道水もおおまかな基準では軟水に分類されるが、銭湯の軟水はミネラル成分を徹底除去された超軟水である)。
もちろんシャワーだけでなく、湯船のお湯もみんな軟水である。美肌の湯と題して人工温泉を名乗っているので、いちおう“温泉”の看板に偽りなしか。


湯船は浴室の奥側に設置されたレイアウトで、これは完全に関東式である。
L字型をしていて、ひだりから眺めていくと、左端が寝湯のジェットバス。クリニックバスと命名され、これが3つ用意されていた。入ってみると温度は41℃ぐらいか。
その真ん中が電気風呂で温度は40℃ぐらい。電気の強さは特に可も不可もなく普通だった。右側の奥が浅浴槽で、手前が深浴槽になっていた。こちらも温度は40℃とぬるめだった。


出典:入船温泉ホームページ引用
▲クリニックバスと書かれてある。関西特有の呼称なのか。関東だとジェットバスとか寝湯とかで呼ばれる


出典:入船温泉ホームページ引用
▲こちらは真ん中にある電気風呂


出典:入船温泉ホームページ引用
▲そして右側は手前に伸びた湯船


浴室の右端には外気浴(ととのい)スペースをかねた露天風呂が用意されている。古いガラス扉をあけると短い通路の先に緑色の湯船があった。浴槽の奥は段差になっていて、すこし深い。こちらも温度は40℃とぬるめだった。
解説板にはうたせ湯と書かれてあったので、試しにボタンをポチっと押してみたところ、容赦ない勢いで頭上から打たせ湯が流れ落ちてきた。
じつは露天風呂の手前通路には外気浴用の椅子が3つほど並び、この時は2人の若者が会話を楽しみながら過ごしていたのだが、その2人の会話を遮断するように爆音を響かせてしまった。しかもそのうたせ湯の跳ね返りも当たりそうだったので(真横に壁はあるけど不規則にお湯が跳ねていたので)、打たせ湯を背中で受け止めて跳ね返りと音をおさえたがうたせ湯自体が一向に止まる気配がなく、かなり困惑した。忍耐強く待っていたらなんとかとまったものの、このまま永遠に流れてるんじゃないかと思うぐらいえらく出続けていた。めちゃくちゃ周囲に気を使う設備である。


出典:入船温泉ホームページ引用
▲打たせ湯もある露天風呂


天井は真ん中にかけて徐々に高くなり、その中心部分は四角にくり抜かれて湯気抜きになっている。
全体を通してリニューアルされているもものの、カランや壁のタイルはほとんどそのままだったので、郷愁感をいざなう昭和の風景は今も健在だ。室内もきちんと清掃されてかなり綺麗だった。


利用者は若者が多く、ほとんどは二十歳前後ぐらいだろうか。高齢者や中高年もいるが、ここでは少数派である。
おしゃれな空間へと生まれ変わるとトレンドの嗅覚するどい若者たちが集まってくるのはどこも同じだ。


ここはいわゆるドヤ街に近い銭湯ということで、一部では危険なイメージで語られることが多いが、率直に言ってそんなにアブナい場所とは思えなかった。
どんな客層もみんな小綺麗で、みるかぎり常識をもちあわせた人ばかりである。
まったく安心安全な銭湯だった。
再三のべるように受付の対応はすばらしく、駅からもかなり近かったし、治安も思ったよりもいいし、大阪に来たなら何度も足を運びたいと思える銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 動物園前
経路 あいりん地区方面へ歩く
周辺の環境 簡易ホテルや飲食店

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 おしゃれ
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 クリニックバス(寝湯ジェット)、電気風呂、薬湯
サウナ あり
温度 40~41℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 感じがよい
清潔さ きれい
貸しタオル あり(円)
備え付け なし

◆人
受付 50代の女性
客層 若者や高齢者


【案内】

〒557-0004
大阪府大阪市西成区萩之茶屋1-6-3

TEL
06-6641-2681

営業時間・定休日・祝日等について
月  :定休日
火〜金:6:00〜11:00 /15:00〜23:00(最終受付22:30)
土・日:6:00〜24:00(最終受付23:30)

※入船温泉ホームページ転載


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