音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

現代新型うつ病 と 哲学教育

2012年04月29日 | 日常雑感
テレビを見ていたら、現代は「新型うつ病」が急増しているとのこと。
その様子をレポートしていた。

現代社会では若者も年配上司も生きづらいようだ。

旧来の うつ病、新型うつ病、と現代の精神の病的な衰退は、すべての現代人が陥る状況だなあと感じた。

人間関係、仕事と自身の価値観の乖離、人間の捉え方の混乱など、すべての現代人は うつ病であると思っても間違いはないなあ、と感じた。

ひとつ思ったのは「実存哲学」「実存的生き方」というのもキーワードになるかな、と思ったこと。

ニーチェ的生、永劫回帰、超人・・・など、現代を考えるヒントになるような気がする。

現代人に決定的に欠けているのは、哲学教育であろうと思う。

それは小さな子供・学生から社会人、高齢者まで。

世界の事象すべてに疑問を投げかけ、自分の思考力で、自分の価値観や生き方を築き上げる能力が決定的に欠けているように見える。

既存の価値観や既成の制度をそのまま受け入れて、自分をそれに当てはめて生きようとするところに、どだい無理がある。

それは自身を「生」の中心とは捉えない、受動的、他力本願的生き方に導く。

それで何も違和感が無い人達はそれでよいのだ。

問題は、既存の価値観、既成の制度を受け入れられない人達、平たくいうと現代社会からはみだす人達だ。

しかし、こういった社会からはみ出す人達の存在によって社会や人類の歴史は進歩してきた。

現代の子供達や大人達をみていて、自分自身で、自分の価値観を築くことができない人達、自分で自己実現の生き方を見つけられない人達が多いことが危惧される。

その危惧の根幹にあるのは「哲学教育」の欠如だ。

人間が奴隷状態か、あるいは同じ価値観を共有できた時代は、何も考えることなく時代に流されて生きていればよかった。

しかし現代は違う。インターネットの普及により、世界中のありとあらゆる価値観が流入する。

この時、確固として価値観を判別し総合して、自分なりの価値観と生き方を構築できる「自分」が「在る」ことがなければならない。

それには何が必要か。いわずと知れた「哲学教育」である。

これからの時代、ますます加速する価値観の多様化と、社会の変化の加速度的増加が予想される。

この価値観の多様化と変動の急流ともいえる現代にあっては「自己」の確立なくして生き抜くのは難しい。

そこに必要なのはファッションや、単なる知識、観念的な知的遊戯としての哲学ではなく、本来の「哲学」であろうと思う。


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