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黒田官兵衛には3人の妹がいたと伝えられている。
姉妹となるともっと多い。
すなわち、浦上清宗室、浦上誠宗室、三木通秋室、尾上武則室、一柳直末室の5名の姉妹がいた。
この浦上清宗室というのが官兵衛の妹で室津・室山城に嫁いだ志織姫であった。
祝言の夜に赤松氏の襲撃を受けて討ち死にを遂げ「室津・八朔の雛祭り」の由来となった播州姫路・黒田家からの姫であった。
大河ドラマ「軍師官兵衛」では官兵衛の初恋の人「おたつ」のモデルとなった姫だ。
このあたりは「大河ドラマ」らしくドラマチックな脚色が施されていて、真実との食い違いも考えられなくはない。
「おたつ」は、おそらくドラマ性を盛り上げる為の創作人物であろうと考えられる。
「宮本武蔵」を語る時に「お通」さんが登場するのと似たようなものだと思う。
「お通さん」も実は吉川英治が「小説・宮本武蔵」に登場させた創作人物である。
歴史小説、歴史ドラマ、歴史書 は鼻から疑ってかかる姿勢が必要だ。
その最たるものが「古事記、日本書紀」である。
「平家物語」も琵琶法師の伝承が史実に尾ひれを付けて、美しく哀れを誘う口承文学として完成されたものと言える。
現に、義経の「一の谷の逆落とし」が行われた場所と伝承される場所は二箇所存在する。
黒田家から室津・浦上氏に嫁いで祝言の夜に討ち死にを遂げ「播州室津・八朔の雛祭り」の由来とされる黒田官兵衛の妹・志織姫にも同じような脚色が加えられたものと思われる。
実在したのは黒田官兵衛の妹・志織姫であり、ドラマ性を持たせて創作された人物が、官兵衛初恋の人「おたつ」であろうと考えられる。
「大河ドラマ」はあくまで史実に「近い」娯楽作品であり「歴史的事実」であると断定できるものではない。
「歴史ドラマ」を見る時は、常に「それが真実」とは限らないという目で見ることが大事だろうと思う。
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