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やさしさを心に届ける絵―並田佳子展覧会

2007-07-10 23:15:56 | 美術
 体の働きに障害を担(にな)いながら、けれど世の中にすばらしい光を放っている人が、ようやくはっきりと見える時代になってきました。
 並田佳子さんはダウン症で生まれましたが、絵に深い表現力を持っています。
 心にとてもやさしい絵を描(か)くのです。
 こんなやさしい絵を描く人がこの世界にいるのなら、わたしたちもやさしい心を持ってまっすぐに生きていけるんじゃないか、とそういうふうに勇気をもらえる絵なのです。
 7月14日(土)から16日(月)までJR芦屋駅のモンテメールギャラリー(大丸芦屋店内)で個展「光の散歩道」を開きます。

 この佳子さんの個展のことを教えてくださったのは、芦屋に住む画家の松本伸子(しんこ)さんですが、松本さんは5年ほど前に初めて佳子さんの絵を見て、たちまちその絵のとりこになったようです。
 生き生きとした線、佳子さんならではの独特の形、あざやかな色彩感覚、それら豊かな表現力で、佳子さんの心の世界が描(えが)かれていくのです。
 展覧会の案内状には黒い大きなネコちゃんの絵が印刷されているのですが、月に向かってゆったりとすわっているそのネコちゃんは、黄色い月光をいっぱいに浴びながら、なにかうっとりと遠くの出来事を考えているようなけはいです。
 このネコちゃんのモデルは、佳子さんが愛し続けた黒猫のマリーだそうです。
 マリーはもうこの世から去ったのですが、佳子さんの心のなかでまだ元気に生きているのです。

 佳子さんは知的な障害のほかに視力にもハンディキャップがあって、ですから作品のまぢかまで目を近づけてけんめいに描くのだそうです。
 でもすごい集中力で自分の世界を築き上げていくのです。
 彼女のやさしさと明るさにわたしも心を癒(いや)されているひとりです、と松本さんはそう言います。

 赤ちゃんのときからいろいろな治療を受け、訓練に励み、お母さんとそれこそ二人三脚で、大きな努力をはらいながら佳子さんはいま23歳になりました。
 深い愛に育てられた佳子さんは、その愛をいま世界に向けて放つようです。

 モンテメールギャラリーは0797.32.8011


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