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庶民の感覚とズレる最高裁判決――住基ネット

2008-03-07 00:19:06 | 社会
 市民ひとりひとりに番号をつけて、市民をコンピューターで管理する「住基ネット」(住民基本台帳ネットワーク)が憲法に違反しないという判決が最高裁判所で下されましたね。
 自民党政府の考えにそった判決です。
 最高裁判所というところは、だいたい自民党政府の方針に従う判決を出しますね。

 ひとつ下の段階の高等裁判所で市民の考えを理解する判決が出ても、最高裁判所へ行くとだいたいくつがえされてしまいます。
 まあ、最高裁判所の判事さん(裁判官)というのは、エリートコースを歩んできた人たちばかりで、エリートコースを歩むためには、今だと自民党政府のウケがよいといけませんから、最高裁判所はそういう人たちのタマリ場になってしまうんでしょう。
 
 住基ネットも現在はまだ、ひとりひとりの名前と生年月日と男女別と住所の4つが主な入力項目で、一見たいした情報はないようにみえますが、100年くらいの長さでみれば、これから徐々に学歴や職業歴や賞罰あるいは犯罪歴や離婚暦や周辺の人がその人に下す評価など、その人の人格を想像できるたくさんの材料がインプットされていくに違いありません。
 第二次世界大戦前の日本を支配した軍事政権やヒトラーのような独裁者が出るようなことになれば、それぞれの思想や信条や信仰もこまごまと入力されて、心の中まで監視されることになるでしょう。

 裁判所はそういう最悪の時代が来ることも考えて、どうすれば民主主義を守れるか、そこにいちばん心をくだかないといけないのですが、最高裁判所の判事さんたちはそのときどきの政府の顔色をうかがって、けっきょくはズルズルと正義を失っていくんですね。

 各都市にある地方裁判所は、判事さんもまだ庶民の感覚に近いところにおられるようですが、最高裁判所になると、ぼくら庶民の感覚からずいぶんズレてしまいますねえ。
 もう雲上の人々ですね。

 もっとも庶民のほうにも、自分たちがそういう管理システムの中に取り込まれていることに無関心な人が多くて、その無関心をいいことに自民党政府が好きなようにやっているという面もありますからねえ。
 とにかく日本の多くの人々は、自分の置かれている状況を自分の頭脳や自分の感性でしっかりと考える、そういう個人力や主体力がまだちゃんと育っていませんから。
 戦争中でも、日本兵は集団で戦うときは強かったけれど、ひとりになると弱くて、もろかったといわれます。

 どうしたものでしょう。

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