月村了衛「脱北航路」を読んだ。
大好きな「機龍警察」シリーズの作者。
北朝鮮の海軍軍人たちが潜水艦に日本からの拉致被害者(横田めぐみさんがモデルと
思しき人物)を保険として同行させ、日本への亡命を目指す物語。
北朝鮮からの追手との死闘をくぐり抜け、やっと辿り着いた日本近海で沈没しそうに
なりながら、事なかれ主義&意思決定できない日本という国家にジリジリ。
潜水艦ものは小説も面白いのか。
面白くてあっという間に読み終えてしまった。
でもずっと一本調子で(初めから終わりまでずっとフルスロットル。笑)、読み終えると
何も残らない感じ。
面白かったからいいけど。
艦長のライバルとの対決はわりとあっさりだったね。
もっとケレン味たっぷりにくどく見せてくれても良かったのに。
救助後どうなったか、乗組員の行く末、日本と北朝鮮の関係、漁船や海保の扱い等、
シミュレーション的にもう少し読みたかった。でも蛇足かな。