木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

「核兵器転用」ゆえに「原発推進」

2011年05月21日 | Weblog

東日本大震災発生から2ヶ月が経った。
最初、福島第一原発の事故状況が伝えられるたびに、少しでも良い状況に向かうことを必死に願い、そういう情報にすがるような思いがあった。
東電や保安院の発表と、ネットで見れる「原子力資料情報室」のメンバーが伝える情報には乖離があった。
楽観的な保安院の発表を信じたいけれど、やはり「情報室」の言う方が真実なのだろうなと、心は重く沈んだ。
それが、1カ月経ち、2カ月が過ぎようとする今、原発の状況は、「資料室」が言っていた以上の深刻な状況であることがわかった。それなのに心が慣れてしまった。
これが人間の心理の流れというものなのだろう。最悪な事態を受け入れ、その最悪の事態によりどんどん不幸になっていってもあきらめて死んでいく、それが多くの人々のたどる運命のような気がする。
ところで、原発はいつでも軍事用に転換できる。それがこれほどリスクの高い、廃棄物の処理方法も見出されていない「発電方式」でありながら、世界中で採用されてきた一番の理由だ。
アメリカやロシアや中国といった広い国土を持っている国なら、事故が起きた時、逃げる場所もあるだろう。しかし日本のような狭い国土ではどこへも逃げようがない。
いつでも核兵器に転用できるからといって、「原子力発電」を推進してきた馬鹿らしさ。
放射能汚染に人と土地をさらしてまでも守る「国」とは何だろう。
こうした「軍事力信仰」の思考をこの震災を契機に日本から一掃しなくてはならない。
右翼陣営が「核兵器転用」をもくろんでいたのに対して、左翼陣営もまた「原子力の平和利用」という考え方に惑わされてきた歴史がある。
今回の事故でやっと日が当てられてきた「反原発」の学者の代表である京大原子炉実験研究所の小出裕章助教もまた「原子力の未来」を信じて、原子力工学の道に入ったのだという。

オバマ大統領、「イスラエル、占領地撤退を」と演説。
ビンラディンの殺害を世界に向かって誇ったかと思えば、今度はイスラエルへの政策の転換を表明した大統領。
ビンラディン殺害とイスラエル擁護政策の転換はオバマ大統領の中ではセットになっているようだ。
「テロとの戦い」を表向き高らかに宣言するものの、終わりがないのが実情だ。政策的にも財政的にも行き詰っている。
そして、アメリカに忠誠を誓っていた中東の独裁政権が民衆の怒りで次々に崩壊する情勢では、アメリカもイスラエルの無法を許しているわけにはいかなくなってきた。
そして再選の道が見えてきた。これも大きいのではと私は思う。
イスラエル擁護の色が濃い共和党はオバマに対抗する有力候補を用意できていない。
ユダヤ人と言ってもイスラエルにいるユダヤ人とアメリカの政治と経済を握っていると言われるユダヤロビーとの間には溝がある。
アメリカのユダヤ人社会はイスラエルは助けるが、イスラエルに永住するつもりはない。
周囲のアラブ社会と敵対し、常にテロを警戒しなくてはならないイスラエルは「神の与えし土地」と強弁しても「安住の土地」ではない。

コメント (3)
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