野田首相が「福島原発事故終息宣言」
誰もが多分「ウソだろう」と思ったのではないだろうか。
今、あの3月11日以来、政府・専門家・大手メディアの言うことをそのまま信用する人はいなくなったのではと感じる。
しかし、だからと言ってそれらに対抗する真実を国民の側が手にしているわけではないので、疑わしい目は向けるものの反論することがなかなかできないだけだ。
私たちは今でもさまざまな社会・政治・経済、その他の情報をテレビ、新聞、そして最近ではインターネットで得ているが、特にテレビは手軽で、映像、音声でダイレクトに伝わってくるので、その情報がまるで自分が考えたかのように頭の中に刷り込まれてしまう。
「いや、待てよ」と対抗する思考をするにはこちら側にそれだけの材料がなくてはならない。
テレビや一般新聞以外のものに目を通すためには時間的に余裕がなくてはならないし、意志も必要だ。
生活に追われ、仕事に追われている人々にはハードルが高い。
権力を持ち、支配する側はだからメディアを自分達の都合のいいように使う。
マードックの恐るべき影響力。
少し前、携帯電話を盗聴して、記事を作ってきた英国のマードック社のタブロイド紙の手法が暴かれた。
歴代イギリス首相が頭が上がらないというマードックの影響力。
スキャンダル報道のタブロイド紙をはじめ4紙を持ち、24時間ニュース、BスカイBというスポーツ・映画・ドラマの衛星放送局も支配下に置くマードックの得意技はもっぱら盗聴でスキャンダルを暴き、おどすというもの。
政治家もマードックを敵に回しては活動ができない。
イギリスのブレア首相が国民の猛烈な反対を押し切って、アメリカのイラク侵略に追随したのもマードックが「イラク戦争支持」だったからだという。
これで謎が解けた。私はあの時、ブレアが何でこんな大義のない戦争を、しかも国民が猛反対する中、支持に踏み切ったのかわからなかった。
マードックに弱味を握られていたのだ。もしくは特に弱味がなければあらたにスキャンダルを捏造されるのだろう。
日本にも購読者数一千万部という読売新聞の最高経営責任者とやらの渡辺恒雄がプロ野球界も政界もかき回し、周囲はいいように翻弄されている。
視聴率が全て。映画『ネットワーク』
76年のアメリカ映画。
視聴率・命のテレビ局の女性編成局長(フェイ・ダナウェイ)。
視聴率にかげりが見えてきたキャスター・ハワード(ピーター・フィンチを「怒れる予言者」に仕立て上げ、まるで大阪市長の橋下のように扇情的なアジテーションをさせる。
ところがそれもしだいに行き詰まりを見せ始め、編成局長はハワードを降板させようとするが、テレビ会社の会長がそれに反対し、逆に彼独自の「会社宇宙論」をハワードに語らせる。視聴率は益々下降。
遂に編成局長は公開番組上でハワードを暗殺させる。
これは70年代の映画だが、テレビとは「情報操作の道具」である。