金正恩が安倍晋三に重なって見えた。
北朝鮮の金第一書記の叔父でナンバー2とされていたチャン・ソンテク氏が処刑された。
政権内部の主導権争いで、改革解放派と見られていたチャン氏が軍部側に敗れた結果だというのが大方の見方らしいが、チャン氏は叔父=身内ということで、政敵を甘く見ていたのかもしれない。
正恩は父の正日と違って、長い時間をかけて政権を委譲されたわけではなく、ここ二年ぐらいの間に最高権力者になったわけで、明らかに政治的には未熟で、それだけに巧みにチャン氏のおごりや不正を吹き込まれれば、それを信じ、身内に甘いと思われたくないと虚勢を張ったのかもしれない。
このへんが能力的には平凡な安倍が、出自だけで総理にかつがれ、居丈高に事を進めている姿に重なって見えるのだ。
特定秘密保護法の強引な制定といい、沖縄の普天間飛行場を何が何でも辺野古に移設しよう沖縄を恫喝したりと、日本も北朝鮮並みになりつつある。
処刑と聞いて驚いている場合ではない。政治犯と凶悪犯の違いはあるが、日本でもこの間2名の死刑が執行されている。
世界の流れは重罪犯でも罪の重さを生きて感じさせ、被害者への償いの人生を送らせるという方向になっているのに、日本は司法だけでなく国民の側も深く考えてそう回答しているとも思えない軽さで「死刑」を支持している。
日本の植民地にされた朝鮮半島のその後の不幸
NHKETV特集で「忘れられた引揚者」として、敗戦後北朝鮮に留め置かれて、飢えと病気などで命を絶たれ、埋葬とは名ばかりのかの地の土になった日本人が数多くいたことを取り上げていたが、朝鮮半島は敗戦時に国家を持っていなかったために、米ソによって38度線で南北に分断され、ソ連は北朝鮮を支配化に置いたものの、ヨーロッパの支配の方を重視し、朝鮮をどうしていくかという明確な政策を持たず、そのためにいたずらに日本人引揚者が留め置かれたとは研究者の見解だ。
日本政府はというと海外からの引揚者を本土に受け入れるには食料も仕事もあらゆるものが足りないので、できれば現地の人々と共存してかの地で生活していくようにという方針だった。
しかし友好的に移民したわけではなく、武力で威嚇して乗り込み、現地の土地や財産を取り上げ、その上日本人は朝鮮人を見下し、差別してきたのだから友好が築けるわけがない。
そんなことは大陸や半島を侵略していった政府が一番よくわかっていることのはずだ。だからそれは意図的棄民である。
北朝鮮の金日成は解放の英雄ということになっているが、それは例えば毛沢東やホーチミンやカストロのような誰もが認める歴史的事実とは言いがたいものがある。それだけに「神格化」にこだわるのだ。
3代にも渡って家族で最高権力者の座につくという現代では異様な政体もそもそもは日本が植民地化したことにその根があると、日本人は自覚しなくてはならない。
南朝鮮=韓国の長年の軍事独裁政権も同根だ。
1945年、日本の敗戦で解放に沸いた朝鮮。その後自らの民主国家を作るべく模索した人々。それを打ち砕いたのは米ソという大国の主導権争いだった。
長年国民を苦しめた軍事独裁政権も、パク・チョンヒ大統領はその統治を植民地時代の日本による統治に学んだという。
新聞に掲載される週刊誌の広告を見れば、隣国への悪罵と中傷の文字が並んでいる。
この広告を見て、「そうだ、そうだ」と憎悪を掻きたて、鬱憤晴らしをするのだろうか。売らんかなでこんな特集を組むのだろうが。
しかしよく考えてみれば、中国や朝鮮が日本を侵略しようとしたことはない。
鎌倉時代に蒙古=元が攻めてきたが、あれですら元は交易を求めて来たのに、既得権を奪われると思った唐商人達の情報ばかりに頼ったために交戦と言う事態になったというのが最近の研究成果だ。
それなのに今中国が防空識別圏を設定したといって、撤回せよと息巻く。
しかし日本も米軍と一体になって防空識別圏を設定していてそんなことを言う資格はそもそもないというではないか。
夜七時のNHKニュースは安倍総理がASEAN諸国との会合で、中国の防空識別圏設定に抗議していくということで一致したと報道していたが、朝の新聞には共同声明で「脅威」という文言は削除されたとある。
新聞を読まずにNHKテレビのニュースだけを見た人は「東南アジア諸国も日本に足並みをそろえて中国を非難してるんだ」と思うだろう。
事実はそうではない。経済でお互いに関係の深い中国を刺激しないように配慮するというのが東南アジア諸国の姿勢だ。ひとり空周りの空元気は安倍だけだ。
ゆめゆめNHK政府御用たしの政治報道は信じないことだ。
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