整頓されきれいに片付いた室内。高級感のある調度品。暗くもないが明るくもない。静かで波の音だけが聞こえてくる。・・・こんなところから、なんとなくベルイマンの映画を想起させる。犬童一心という監督さんがベルイマンに傾倒してるのかは知らない。「ジョゼと虎と魚たち」なんかを思い出すにキェシロフスキとかあの辺を意識してるのかもしれない。「死に花」なんかを思い出せばウディ・アレンの影響の方が強いのかもしれない(ウディ・アレンの「インテリア」はベルイマンを強く意識して作った映画だし)。
誰の影響であってもかまわないが、とにかく僕は神々しい美しさと気品あふれるキャラにベルイマンの面影を見たのだ。
ときどきおちゃらける所がベルイマンとは違う(アレンとも違う)。しかし幾つかのおちゃらけシーンも、まるで夏の終わりに残り物の花火で遊んでいるような、祭りの後のゴミと櫓の残骸の中で踊っているような、そんなわびしさが漂い、見ていて切なくなってくる。
批判対象となるのは、ゲイたちのセックスシーンを描かないことかもしれない。抽象的な存在としてゲイを描き、美化し神格化しているが、彼らから生身の人間としての感情が乏しい。・・・とは言え、これは「ハッシュ!」とか「バッド・エデュケーション」のようにゲイの日常や心理に重きを置いた物語ではない。柴崎コウ演じるヒロインや、オダギリジョーに「次殺すぞ」と脅されたが故にむしろゲイへの一歩を踏み出した少年の物語である。彼女らは同性愛者たちの心理が分からない故に、ゲイという観念に興味を持ち、より深く彼らの中に入っていこうとする。
柴崎コウは父との確執があるため、ゲイたちを全面的には受け入れない。ゲイたちの苦悩も愚痴も同情せず、頭から否定する。
そんな抵抗も飛び越えて、オダギリジョー演じる美しいゲイが心の中に踏み込んできて、戸惑う。柴崎コウの戸惑いが痛いほど伝わってくる。
それでなんといっても、オダギリジョーのかっこよさに尽きる。誤解されたくないがゲイになりたくなった少年の気持ちが分かる。観念としてのゲイを美化、神格化する作風も彼のおかげで説得力を持つ。
静かで情熱的。柴崎コウとオダギリジョーの否定と拒絶と欲望と諦めと愛とがごちゃ混ぜになったようなラブシーンは、スリリングかつ美しい。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
誰の影響であってもかまわないが、とにかく僕は神々しい美しさと気品あふれるキャラにベルイマンの面影を見たのだ。
ときどきおちゃらける所がベルイマンとは違う(アレンとも違う)。しかし幾つかのおちゃらけシーンも、まるで夏の終わりに残り物の花火で遊んでいるような、祭りの後のゴミと櫓の残骸の中で踊っているような、そんなわびしさが漂い、見ていて切なくなってくる。
批判対象となるのは、ゲイたちのセックスシーンを描かないことかもしれない。抽象的な存在としてゲイを描き、美化し神格化しているが、彼らから生身の人間としての感情が乏しい。・・・とは言え、これは「ハッシュ!」とか「バッド・エデュケーション」のようにゲイの日常や心理に重きを置いた物語ではない。柴崎コウ演じるヒロインや、オダギリジョーに「次殺すぞ」と脅されたが故にむしろゲイへの一歩を踏み出した少年の物語である。彼女らは同性愛者たちの心理が分からない故に、ゲイという観念に興味を持ち、より深く彼らの中に入っていこうとする。
柴崎コウは父との確執があるため、ゲイたちを全面的には受け入れない。ゲイたちの苦悩も愚痴も同情せず、頭から否定する。
そんな抵抗も飛び越えて、オダギリジョー演じる美しいゲイが心の中に踏み込んできて、戸惑う。柴崎コウの戸惑いが痛いほど伝わってくる。
それでなんといっても、オダギリジョーのかっこよさに尽きる。誤解されたくないがゲイになりたくなった少年の気持ちが分かる。観念としてのゲイを美化、神格化する作風も彼のおかげで説得力を持つ。
静かで情熱的。柴崎コウとオダギリジョーの否定と拒絶と欲望と諦めと愛とがごちゃ混ぜになったようなラブシーンは、スリリングかつ美しい。
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いろいろ考えさせられる点が多く、簡単に割り切れないという意味で・・・)
映画でした。もうすぐ滋賀で再上映されるので、も一回行こうかと
思ってます。セックスシーンを描かなかった点ですが、
私も当初「リアリティーが感じられない」と批判的に思ったんですが、
「オダギリジョーは、『メゾン・ド・ヒミコ』の偶像だから脱がせちゃいけない」
とのコメントをいただき、なるほど・・・と思いました。長文コメになって、すみません~
現実感を与えないことが目的だったのかなと思う次第であります
偶像。いい表現だ
あんな二人がいったいドコまでイケるのか?って
目が離せなくなってしまいました。
ノーマルな西島さんとのカラミよりドキドキするのは
何とも不思議な感じ。
これもオダジョーマジックでしょうか?
西島さんとのラブシーンも、ジョーとのラブシーンも、なんか知らんけど泣けて来たのでした。
でもジョーとのシーンは泣き&サスペンスで、すごかったです
この週末塩尻の息子の所へ行ってきました。
やはり気温が低くてビックリです。
さて、この作品、ご贔屓俳優が出ているので7回見ましたが、もっと何度でも見れる映画です。
ゲイの性描写は全く不要と思います。
春彦と沙織の「試す」シーンはものすごくインパクトありました。
ダンスシーンのカタルシスも大好きです。
塩尻は寒かったですか
私はこの週末、引きこもって「24」をずっと観てたので気付きませんでした。
はい、ゲイの性描写があるとインパクトはあるかもしれませんが、作品の方向性が変わりますね。
「ジョゼ虎」のラブシーンもエロかったですね。
下半身不随の池脇千鶴の上半身ヌード
不完全なエロが、また欲情をさそいます