水準より少し上くらいの、まあまあ泣ける映画。
ファーストショットの工夫も何もないのっぺりとした映像に、え~~っと少し落胆させられる。撮影監督が故篠田昇氏だったら、いきなり観客の心つかむ映像にしただろうなあ・・・
けれど、そこからの展開は超特急で進む。スクープ、恋人との関係、スクープが悲劇を呼び、博多への事実上左遷、幕間芸人に関する投稿はがき、取材のため上司を説得・・・わずか5分くらい。おもしろくも . . . 本文を読む
日本に10年住んで、子供も生んで道場開くにいたった割には日本語の下手なセガールさんの渾身の一作。
名台詞
「これ人切れるよ」意味不明
「バッキャロー 来るなゆうたやろー そんなに死にたいかー」げらげらげら
冒頭のミャンマーでのアクションシーンが、鑑賞終了後に度肝抜かされる。まったく関係ないじゃん!!
ヤクザが「ガメラ」観てるってシチュエーションだけでも十分すぎるくらい面白いのに、セガールよいしょ . . . 本文を読む
個人的には今年のベストにかなり近い映画であるが、大傑作か?と言われるとそうでもないような気がする。
こういう映画は、大好きか大嫌いのどちらかで、両者の間の違いはそんなに無い。
たけしの"Dolls"を思い出す。あれは全然好きになれなかった。
"Dolls"と"TAKESHIS'"はそりゃ全然違う映画だ。"Dolls"は現実離れした現実の物語だったけど、"TAKESHIS'"はほとんど夢オチと言っ . . . 本文を読む
イラク戦争って、地雷って、子供って、クルドって・・・一面的な見方しかできていなかったことを認識させられる映画。子供たちのたくましくも明るい姿が愛しく、それが故に悲劇的な結末を迎えることでクルドの子供たちへの同情を喚起させられる映画。政治的メッセージを叫ぶことなく、子供たちの演技も脚本と演出と編集によるものではあるが、子供たちの姿、作為のないロケーションが、がーがー吼える政治的プロパガンダ映画やドキ . . . 本文を読む
なんと感動的に笑える映画なんだろう。私が愛してやまない「バトル・ロワイアル2」の監督の新作ということで過剰な期待をしていたが、期待通りの凄まじい作品であった。思えばBR2はBR1よりも過激な内容であったにもかかわらず、前作の上映禁止運動まで含めた社会現象(結果的にはいい宣伝になった)と比べると、マスコミから黙殺に近い扱いを受け(クランクイン直後の親父が亡くなった時を除いて)、健太監督は下手したら映 . . . 本文を読む
葬式のシーンは抱腹絶倒もので、エリザベスタウンの住人たちとのコミュニケ不全、前半部の主人公の挫折感は素晴らしいのだが、キルスティン(斬る捨てん)が映画を掻き乱す。
大ヒットしたがアカデミーは逃した「ザ・エージェント」。アカデミー受賞(脚本賞)したがヒットはそこそこだった「あの頃ペニー・レインと」。その中間を狙ったような本作。キャメロン・クロウという監督さんの音楽センスとテンポいいストーリーテリン . . . 本文を読む
整頓されきれいに片付いた室内。高級感のある調度品。暗くもないが明るくもない。静かで波の音だけが聞こえてくる。・・・こんなところから、なんとなくベルイマンの映画を想起させる。犬童一心という監督さんがベルイマンに傾倒してるのかは知らない。「ジョゼと虎と魚たち」なんかを思い出すにキェシロフスキとかあの辺を意識してるのかもしれない。「死に花」なんかを思い出せばウディ・アレンの影響の方が強いのかもしれない( . . . 本文を読む
CGという技術を手に入れたクリエイターがCGべったりでただCGと遊ぶばかりで、物語とか演出とかそういう部分がまったく面白くなく、というよりそもそもそういう基本的技術を必要としていないかのような映画作りをする。その一番極端な例がエピソード1以降のジョージ・ルーカスだとするなら、ルーカスのミニチュア版となっていたのが山崎貴監督である。正直いってただのCGオタクな二流監督と思っていたのだけど、CGオタク . . . 本文を読む
全世界のマザー・テレサ・ファン待望の映画化だ。主演はかつてジュリエット役で一世を風靡したが、ぶっちゃけ他の出演作が記憶にないオリビア・ハッセー。あ、まだ生きてたんだ、とちょっと驚き。でもマザー・テレサのインドで慈善活動初めてからの40年間か50年間くらいを特殊メイクの力をかりて好演。終盤にはマザー・テレサ本人に見えてきたし(本人の顔よく知らんけど)うまい女優さんだなと思った。
ともかく組織化や効 . . . 本文を読む
蓼科高原映画祭で鑑賞。東京での公開が1月か2月だったと記憶してるので、10ヶ月近く遅れて、それでも長野の地でこの傑作を見ることができて、映画祭に感謝であります。ゲストで来場していた井筒監督が上映後に司会のアナウンサーと対談をしまして、それもテレビ通りな感じで、とても楽しかったです。
ただそこで「パッチギ!2」の話をしてて、「のど自慢」のあとで「ハワイに唄えば」撮って、さんざん蛇足だなんだと言われた . . . 本文を読む
東京より早く、蓼科高原映画祭にて上映。既存の映画スタイルをぶち破る壮絶な作品。したがって100%一般受けはしないだろうし、間違ってもヒットはしないだろう。しかし、この作品は個人的には今年のベストのかなり上位にしたい。1981年に作られた8mm映画「闇打つ心臓」のリメイクである本作は、単なるリメイクに留まらず、オリジナルとリメイクと続編とメイキングが同居する、異様な構造となっている。
****** . . . 本文を読む
蓼科高原映画祭で鑑賞。実は人生初の成瀬巳喜男鑑賞。キネ旬ベストテン全史を本棚から引っぱり出して探してみたら、1960年度の19位。批評家うけはそんなんでもなかったようだ。こんなに面白いのに・・・
これだけ面白いのに19位とは、キネ旬を絶対視する気はないけれど、それにしても1位や2位をとった「めし」とか「浮き雲」ってのはどれほど面白いんだろう。見たくて見たくてたまらないのだけど、近所のレンタル屋には . . . 本文を読む
蓼科高原映画祭にて鑑賞。野村芳太郎という監督の作品は大好き。月並みだけどサスペンス系の映画が好きで、特に「事件」と「影の車」は好き。「張り込み」「ゼロの焦点」「鬼畜」「八墓村」「疑惑」「配達されない三通の手紙」・・・とどれも傑作なのだが、悲しいことに、すべてビデオでのお付き合いでした。
本作「砂の器」は一般に野村芳太郎の代表作とか最高傑作とか言われている作品であり、もちろん以前に鑑賞済み(ビデオで . . . 本文を読む
蓼科高原映画祭にて鑑賞。今さら言うまでもなく木下恵介監督の国産初カラー映画。映画祭最終日の朝10時からの上映で、前日映画祭の飲み会だったので、当初の予定では最終日は昼まで寝てるつもりだった・・・しかし、その飲み会である人物に出会ってしまった。その人は城澤勇夫さんという方で、今から55年前に小津安二郎監督の「麦秋」(小津映画の一口評はこちら)で、次男のイサムちゃん役で出演していた方である。あ・・・あ . . . 本文を読む
ドイツ映画ということであるが、モンゴルに密着したドキュメンタリー。監督のビャンバスレン・ダバーとルイジ・ファロルニはミュンヘン映像映画大学の卒業制作としてこれを撮ったそうな。卒業制作が世界中で公開されているとは・・・なんてラッキーな人たち。
育児放棄された"子らくだ"と、育児放棄した"母らくだ"の話ということで、日本の社会状況が一瞬だぶるけど、もちろんそんな意図はこの映画にないし、物語的にも関係 . . . 本文を読む