相当衝撃を受け、何度も観かえしたい衝動に駆られる紛れも無い傑作。観たのは1月だが公開は12月だったので2005年ベストに滑り込みセーフとした。
ダルデンヌ兄弟、カンヌのパルムドール・・という情報だけで観に行った(恵比寿のガーデンシネマに)
赤ちゃんの売買をめぐるトラブルから「ある子供」というタイトルなのかと思ったら・・・「ある子供」が指しているのは、赤ちゃんの父親(主人公)。
これほどのダメ男が . . . 本文を読む
一言でいえばつまらない映画だったが、大和のやられっぷりと、中村獅童のテンション高い演技が良かった事と、久石譲(あまり好きな作曲家ではないが)の音楽が結構良かったところ、がプラスポイントとして作用。
ただしクライマックスの戦闘シーンについては、迫力あって、血みどろで、戦争ってやだなあ・・とは思うけど、引きのショットとか俯瞰ショットとかが少なくて、イマイチ感も強い。
「大和」なんて、"国家"なり、"戦 . . . 本文を読む
映像の豪華さに満足。ドラマの薄っぺらさに不満足。スピルバーグなら・・・とかIFの世界に思いを馳せ、黒澤の影響かと深読みし、それ以上に深読みどころか妄想モードでチャン・イーモウになりきって複雑な思いにとらわれる・・・
以下の長い文章にその辺の詳細を記す。
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[好みの問題・・・豪華なの大好きさ]
かつて"監督:スピルバーグ"で企画が進行していた時、黒澤明がスピルバーグに . . . 本文を読む
家族というものを考えるとき、どうしても「家」というものがセットにして考えさせられる。逆に「家」を考えると家族という小社会がセットになって思い浮かぶ。家族というと普通は親子三人以上の集団をさすが、「Mr. & Mrs.スミス」は子供のいない夫婦である。恋人以上家族未満の関係かもしれないが、広義の「家族」の範疇には入っていると言っていい。不完全ながら「家族」である。
さて家だ。
私のようにアパート住ま . . . 本文を読む
悪人ブラック博士が言う「ムシキングを制する者は、全宇宙を支配できるのだぁぁ!!」
・・・いや、多分無理だと思うよ・・・と突っ込もうと思ったが、それを聞いている主人公の少年の真剣な表情を見ていると、それはできなかった。
「ムシキング研究所」はただのゲーセンにしか見えなかったが、そこも突っ込むのはやめよう。
基本なんてことない子供アニメであるが、あと一発喰らえば負けるというところまで追い込まれ(敵 . . . 本文を読む
蓼科高原映画祭・短編映画祭で審査委員長を務められた大森一樹監督の最新作である。ゴジラを終えてしまった東宝が無理矢理年末に押し込んだ特撮映画。でも本当はセイザーなんかじゃなく、昔ながらの東宝特撮がやりたかったのだろう。
海底軍艦・轟天号が出撃。『ゴジラFinal Wars』と違い、オリジナルとほぼ同じフォルム(『ゴジラFinal Wars』でも冒頭ではオリジナルフォルムの轟天号が出たけど)。しかも音 . . . 本文を読む
ここんとこ、バカ映画のオンパレードな感じで、人生もそんなに悪くないな、とよくわからない充実感にひたっている。
どうでもいいところから書き始める
監督は黄精甫。ローマ字で"Wong Ching Po"と書く。こう書かれるとどうしても、「ウォン・チ…」と読みたくなるのだが、公式サイトでは「ウォン・ジンポー」と表記されていて、かろうじてかわしている気がする。北京語、広東語も、中国で使われるなんとか式ロ . . . 本文を読む
水準より少し上くらいの、まあまあ泣ける映画。
ファーストショットの工夫も何もないのっぺりとした映像に、え~~っと少し落胆させられる。撮影監督が故篠田昇氏だったら、いきなり観客の心つかむ映像にしただろうなあ・・・
けれど、そこからの展開は超特急で進む。スクープ、恋人との関係、スクープが悲劇を呼び、博多への事実上左遷、幕間芸人に関する投稿はがき、取材のため上司を説得・・・わずか5分くらい。おもしろくも . . . 本文を読む
日本に10年住んで、子供も生んで道場開くにいたった割には日本語の下手なセガールさんの渾身の一作。
名台詞
「これ人切れるよ」意味不明
「バッキャロー 来るなゆうたやろー そんなに死にたいかー」げらげらげら
冒頭のミャンマーでのアクションシーンが、鑑賞終了後に度肝抜かされる。まったく関係ないじゃん!!
ヤクザが「ガメラ」観てるってシチュエーションだけでも十分すぎるくらい面白いのに、セガールよいしょ . . . 本文を読む
個人的には今年のベストにかなり近い映画であるが、大傑作か?と言われるとそうでもないような気がする。
こういう映画は、大好きか大嫌いのどちらかで、両者の間の違いはそんなに無い。
たけしの"Dolls"を思い出す。あれは全然好きになれなかった。
"Dolls"と"TAKESHIS'"はそりゃ全然違う映画だ。"Dolls"は現実離れした現実の物語だったけど、"TAKESHIS'"はほとんど夢オチと言っ . . . 本文を読む
イラク戦争って、地雷って、子供って、クルドって・・・一面的な見方しかできていなかったことを認識させられる映画。子供たちのたくましくも明るい姿が愛しく、それが故に悲劇的な結末を迎えることでクルドの子供たちへの同情を喚起させられる映画。政治的メッセージを叫ぶことなく、子供たちの演技も脚本と演出と編集によるものではあるが、子供たちの姿、作為のないロケーションが、がーがー吼える政治的プロパガンダ映画やドキ . . . 本文を読む
なんと感動的に笑える映画なんだろう。私が愛してやまない「バトル・ロワイアル2」の監督の新作ということで過剰な期待をしていたが、期待通りの凄まじい作品であった。思えばBR2はBR1よりも過激な内容であったにもかかわらず、前作の上映禁止運動まで含めた社会現象(結果的にはいい宣伝になった)と比べると、マスコミから黙殺に近い扱いを受け(クランクイン直後の親父が亡くなった時を除いて)、健太監督は下手したら映 . . . 本文を読む
葬式のシーンは抱腹絶倒もので、エリザベスタウンの住人たちとのコミュニケ不全、前半部の主人公の挫折感は素晴らしいのだが、キルスティン(斬る捨てん)が映画を掻き乱す。
大ヒットしたがアカデミーは逃した「ザ・エージェント」。アカデミー受賞(脚本賞)したがヒットはそこそこだった「あの頃ペニー・レインと」。その中間を狙ったような本作。キャメロン・クロウという監督さんの音楽センスとテンポいいストーリーテリン . . . 本文を読む
整頓されきれいに片付いた室内。高級感のある調度品。暗くもないが明るくもない。静かで波の音だけが聞こえてくる。・・・こんなところから、なんとなくベルイマンの映画を想起させる。犬童一心という監督さんがベルイマンに傾倒してるのかは知らない。「ジョゼと虎と魚たち」なんかを思い出すにキェシロフスキとかあの辺を意識してるのかもしれない。「死に花」なんかを思い出せばウディ・アレンの影響の方が強いのかもしれない( . . . 本文を読む