自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

『響け!ユーフォニアム 〜アンサンブルコンテスト〜』

2023-08-05 18:16:00 | 映評 2013~
映像作品とクラシック音楽 第96回 『響け!ユーフォニアム 〜アンサンブルコンテスト〜』いい歳したおっさんが女子高生吹奏楽青春アニメを公開初日から観に行ってしまうのです。好きだから良いじゃないですか。久美子たんに、麗奈様にまた会いたいんだもん!さて、本作はこないだ紹介しました「響け!」シリーズ劇場版第3作『誓いのフィナーレ』のラストの直後くらいからのスタートとなります。北宇治高2年の久美子が新部長 . . . 本文を読む
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『TÁR / ター』(映像作品とクラシック音楽 第94回)

2023-06-12 19:29:00 | 映評 2013~
映画が始まると、非西洋的で、非東洋的(中国や日本では無さそうくらいの意味)な響きの少女の歌声がかかります。物語的にはリディア・ターとフランチェスカ(リディアの秘書)とクリスタ(後に重要な役割を果たす女性指揮者)らが民俗音楽の研究をしていたころ、南米奥地の部族の歌を収録したものだと言うことですが、そんなことよりオープニングシーンで気になって仕方ないことがありました。オープニングクレジットが、明ら . . . 本文を読む
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怪物 [監督:是枝裕和]

2023-06-11 19:28:00 | 映評 2013~
是枝裕和監督の『怪物』を観たのですが、なにやらモヤっとする映画でありました視点が変わることで一つの事件も見え方が全然違う…という是枝監督の一貫した姿勢を、今回さらに重層的に展開した脚本はうまいと思います…が…最後に種あかし的な展開が悪いわけではないのですが…『誰も知らない』や『万引き家族』は、あの子供たちや家族に「うらやましい」という感情を抱きました。そのうらやましさがあまりに大きな代償を伴う . . . 本文を読む
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Yokosuka 1953[監督:木川剛志]一通のFacebookメッセージから始まる日米戦後史の闇

2023-05-05 20:19:00 | 映評 2013~
鑑賞からだいぶ経ってしまい申し訳ありませんが木川剛志監督のドキュメンタリー映画『Yokosuka1953』の横須賀上映に行ってきましたのでその感想をあげます。一言で言って、最高に素晴らしい映画。未見の方、ぜひ見てください。RRRくらい強くオススメします。2017年の「第9回商店街映画祭ALWAYS松本の夕日」にてグランプリを受賞した『替わり目』の木川剛志監督による渾身のドキュメンタリー映画。キ . . . 本文を読む
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ザ・ホエール [監督:ダーレン・アロノフスキー]

2023-04-22 10:24:00 | 映評 2013~
かつて『ハムナプトラ』シリーズでイケメン冒険野郎として名を馳せた(ほどでもないか)ブレンダン・フレイザー。そういえばこないだのアカデミー賞で久しぶりに名を聞いた。冒険野郎といえばハリソン・フォードが80超えてなお失われた聖櫃のころとあまり体型が変わらずまだインディやろうってのに、ブレンダンはあの頃の女の子をキャーキャー言わせていた(のか?)頃の面影は見る影もなく、半分くらいはメイクアップとは言え別 . . . 本文を読む
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フェイブルマンズ 〜主にジョン・ウィリアムズの音楽について

2023-03-16 09:30:00 | 映評 2013~
お疲れ様です。アカデミー賞は『エブリシングエブリウェアオールアットワンス(以下エブエブ)』の圧勝に終わりましたが、作品賞候補になっていたスピルバーグ作品も忘れてはいけません。エブエブで助演男優賞を受賞した、キーホイクワン君の映画デビューはスピルバーグ映画でした。スピルバーグの横に座る奥様のケイト・キャプショーはキー君のそのデビュー作での共演者でしたし、作品賞のプレゼンターがそのデビュー作の主演 . . . 本文を読む
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ブレードランナーLIVE (2023/3/5渋谷bunkamuraオーチャードホールにて)

2023-03-09 23:32:00 | 映評 2013~
私、生涯で一番好きな映画は?と問われると1秒の迷いもなく『ブレードランナー』と答えます。なにをどう贔屓目に見てもクラシック音楽と関係ない映画ですが、強いて言えば生演奏の演奏会であるところがクラシックっぽいと言えなくもないので、無理矢理は承知でここに書きます。目次●ブレードランナーLIVEの感想●蛇足1 ブレードランナーサントラアルバム、ニューアメリカンオーケストラ版について●蛇足2 ブレードラ . . . 本文を読む
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パラレル・マザーズ 〜アルモドバル円熟の力を駆使した社会派映画〜

2023-01-02 12:04:00 | 映評 2013~
自分の中で気がつくと非常に大きな存在になっていたペドロ・アルモドバル。コロナ以来映画館から遠のいてしまったが、それでもアルモドバルだけは観たいという思いで東京に出向く。ちなみに今回初めて株主優待を使って映画観ました。東京テアトルの株持ってるのです。引っ越してから渋谷新宿が遠く…映画鑑賞のホームグランドは西新井か越谷レイクタウンのシネコンになってます。東京なら有楽町日比谷は行きやすく、今回はヒュ . . . 本文を読む
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ケイコ 目を澄ませて

2022-12-26 01:29:00 | 映評 2013~
これはしみた自分の中では「コーダ」を超えて今年のベスト1級ってその並び…(にする自分のあざとさ)主人公に感情移入させる映画ではない。主人公は発生言語で喋れないことも相まって心情をほぼ語らない。人間なんて結局1人でしょ、という旨の彼女の台詞もある。我々は傍観者にならざるを得ない。頑張れと叫んでも彼女には聞こえない。しかし我々も目を澄ませ、彼女の気持ちを苦しさを理解した気になれる…が、痛みに耐え生 . . . 本文を読む
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『トップガン マーヴェリック』〜作家性を打ち消してきた「トム映画」というジャンル

2022-09-28 23:11:00 | 映評 2013~
トップガン・マーヴェリックについて連投しちゃう------そういえば大スターには2種類がある作家性を重視するスターと、作家性を求めないスターだスタローンとシュワルツェネッガーを比べてみようシュワルツェネッガーは自分を売り込むために強い作家性を持つ監督と組むことを望んだ。ジェームズ・キャメロン、ポール・ヴァーホーベン、ウォルター・ヒル、アイバン・ライトマン…対してスタローンは彼の映画で監督が注目 . . . 本文を読む
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トップガン・マーヴェリック その1…ネタバレ物語沿い所感

2022-09-27 08:45:00 | 映評 2013~
観賞からだいぶたってしまいましたが、やっぱりこの映画の映評は書いておかねばなるまい…と思い書きますトップガンマーベリックといっても、もうこんな時期だし、観た人向けネタバレ全開で、批評なんてもんではなく物語に沿った副音声解説っぽく…------映画が始まりますビデオで何十回と見た『トップガン』のオープニングと同じ曲が聞こえてきます。サントラでは「トップガン・アンセム(トップガン讃歌)」という曲名 . . . 本文を読む
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『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島』 ~ 思想性から非情さへの変遷

2022-07-25 08:21:55 | 映評 2013~
ガンダムの映画を劇場で観たのは実はこれがたったの3回目。 『めぐりあい宇宙』を小学のころ、『逆襲のシャア』を高校のころにそれぞれリアルタイムで観ている それ以外のガンダム映画は、すべてテレビかレンタルで観た。『ガンダム』と『哀戦士』の時は小学低学年だったし、『F91』のころはガンダムへの興味が薄れていたし、『Z』3部作は単純にあまり見る気がしなかった。Zは後に配信で観たが、新たに書きおろされた . . . 本文を読む
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キッズ・オールライト (2010年作品、レインボーマリッジフィルムフェスティバル2022にて鑑賞)

2022-05-16 22:56:00 | 映評 2013~
婚姻の平等をテーマにした映画祭、レインボーマリッジフィルムフェスティバル2022にて上映された2010年のアメリカ映画アネット・べニングとジュリアン・ムーアが結婚し精子提供で子供を産んだレズビアンのカップルを演じ、マーク・ラファロが精子提供者を演じるアネット・べニングが本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたが、この年は『ブラックスワン』のナタリー・ポートマンが本命といった感じでアカデミ . . . 本文を読む
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レインボーマリッジフィルムフェスティバル2022

2022-05-11 01:08:00 | 映評 2013~
5/7なかのZEROにて婚姻の平等をテーマにした映画祭、レインボーマリッジフィルムフェスティバルに行ってきた90年代以降の海外の同性婚をテーマにした作品数本と、そして婚姻の平等をテーマに公募した短編作品のコンペを行う。コンペでは全国から20程度の作品が集まり、入選5作品を上映。入選作は全てとても面白く、考えさせられたり、単純に感動したりと、とても充実したプログラムだった以下に、短編コンペ入選5作の . . . 本文を読む
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映評『コーダ あいのうた』 〜プログラムピクチャーでいいじゃない

2022-03-28 01:43:00 | 映評 2013~
『コーダ あいのうた』をアカデミー賞授賞式の前日に映画館で駆け込み鑑賞いつもだと何日か寝かしてから映評を書くのですが、もし、アカデミー賞とってしまうと、自分の中の評価が変わるかもしれないので(おいおい笑)、緊急リリース。------原題は「Coda」私はこれは音楽用語で「終曲部」を表すあれかと思っていた。音楽の映画だし。でも「Coda」にはもう一つの意味がある。Childlen Of Deaf A . . . 本文を読む
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