トニー・スコットという名前を一個の独立した存在として意識し出したのは割と最近になってからである。もっと具体的に言うと「ザ・ファン」もしくは「エネミー・オブ・アメリカ」くらいからである。
それまでは「リドリーの弟」として観るか、あるいは「トップガン」という響きが本人の名前以上に大きく木霊していたか、そんな感じだった。
しかしここのところ彼は確実に変わってきている。兄貴の功績もあってスコット・フリーと . . . 本文を読む
「女の子はかわいい」これがこの映画の理念でありテーマであり存在理由だ。シナリオも演出も全て「女の子をかわいく描く」ことに全力投球している。というわけでこの映画は映画づくりの姿勢として共感するところ大であり、すごく好きな映画だ。
映画の目的が「女の子はかわいい」と高らかに宣言することにある以上、主人公となる女の子はめちゃくちゃかわいくなくてはならない。で、主人公を演じるチャン・ジヒョンちゃんだが。ズ . . . 本文を読む
「エイリアンVSプレデター」を観た翌日に、知り合いから一緒に「エイリアンVSプレデター」観にいこうと誘われ、さすがに二日続けて観るのもどうかと思ったので、同じ映画館でやっていた「Mr.インクレディブル」の方に入ってしまった。つまり完全な暇つぶしだったのだが・・・嘘みたいに面白かった。
たかがファミリー向け映画とバカにしていたが、日本語吹き替えのCGキャラにまんまと泣かされてしまった。
家族全員に見 . . . 本文を読む
スピルバーグは大好きだ。いや大好きだった。少なくとも「アミスタッド」までは。「E.T.」や「ジョーズ」はもちろん、皆が批判する「フック」や「アミスタッド」まで僕にとっては最高の映画の中の映画だった。
しかし、あれれなんか乗れないぞと思ってしまったのは不思議なことにみんながほめまくる「プライベート・ライアン」だった。以降「A.I.」「マイノリティ・リポート」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」と、 . . . 本文を読む
私の当初のストーリー予想では、「どちらが勝っても人類に未来はない」というコピーから推理して、というか、この種の対決映画の常として引き分けに終るんだろうな・・・と思ってた。エイリアンとプレデターの戦いに巻き込まれた人間たちがオロオロして、最後戦いに水さして勝者なし・・・そんな所だろう。
だが、その予想は見事に裏切られた。プレデターの男気溢れる戦士ぶりがたっぷり描かれた、熱い物語だった。
女の子(人間 . . . 本文を読む
めちゃくちゃなバカ騒ぎ映画で、巷にあふれる批判はよく判るのだが、個人的には最高に面白かった。念のため言っておくが私は怪獣映画、特に本多猪四郎&円谷英二による最盛期の東宝怪獣映画が大大大好きな男です。だからといって本多&円谷の功績を踏みにじったと言われかねないこの映画を批判するほど頭の固い男ではない。むしろゴジラ映画の未来のために、これくらいめちゃくちゃにぶっ壊してくれたことを感謝しているくらいだ。 . . . 本文を読む
熱いクライムサスペンスを期待させるが、そう期待した人たちは肩すかしを喰らう。犯罪映画でも刑事映画でもなく男の生き様の映画なんだな。特に盛り上がりもせず、ひたすら渋い。個人的には好きなんだが一般受けは絶対にしないだろう。犯罪チームの面々がそれぞれ目的違ってて、それでも機能的に働いて、でもやっぱりそれが故に足が出てしまうところがシナリオとしてよく出来ている。誘拐される社長さん(長塚京三)がまたよく作り . . . 本文を読む
これは多分、崔洋一の最高傑作だろうと思う。暴力とセックスを執拗に繰り返し描くばかりではあるが、単にそれが好きだからというだけの繰り返しではなく、その向こうに主張がある。幾百幾千のダイアローグよりも異様なほどエネルギーあふれる行動を持って体に伝えてくる。
理解できないどころか殺したいほど憎んでいる父親。中途半端な存在ではなく想像を絶する化け物。怖い。たしかにこいつは怖い。金勘定を覚えた野生のゴリラみ . . . 本文を読む
まあ正直いってすごいクソ映画だったと思うのだが、石井隆自身が「俺、一度こんなクソ映画撮ってみたかったんだ!!夢は全てかなった。満足満足」と言ってそうな気がする。
とにかくシナリオのずさんさには、かつての「死んでもいい」「ヌードの夜」の面影は微塵もない。だらだらと同じような描写が続いて、ミエミエの伏線、おまけに最悪なラスト。ただ話を終らせているだけで、感動も主張もなく事件の解決すらしていない。サブキ . . . 本文を読む
フランス語のカナダ映画。父親の最期を家族、友人、愛人みんなで囲んで、楽しく送り出してやろうとする息子の物語。親子和解系作品だが、ハリウッドや日本のTVドラマのようなありがちなものではない。
父親のキャラが必ずしも尊敬に値しないところが、ヒネリとなっている。愛人は沢山いるし、倫理感はちょっと欠けていて、反体制的な思想も持っていて
和解の映画とは書いたけど、息子は最後まで父を理解できはしない。理解不能 . . . 本文を読む