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あみものと手仕事と旅の記録

恐怖!!タイ版シンデレラ(4)-最終回-

2006-06-25 18:36:49 | ぱーさー・たい
(今回で終わりです!! 果たして結末はいかに?! めっちゃホラーなとこあります!)


オウムのウアイは、ネズミの穴に身を潜めていましたが、ここにいてもいつアイに知られるかわかりません。そこでそっと穴から出て、他の隠れ場所を探すことにしました。用心深く、天敵のヘビに襲われないようにしていたのですが、運悪くヘビに見つかって、身体をグルグル巻きにされてしまいました。ヘビが大きな口を開けてウアイを食べようとしたそのとき、空からタカが舞い降りてきてヘビをさらって行きました。間一髪でヘビから逃れられたウアイは、先を急ぎました。

しばらくすると山中で仙人に出会いました。オウムのウアイからこれまでの経緯を聞いた仙人は、ウアイを大変かわいそうに思い、その霊験あらたかな呪術で、ウアイを美しい娘に生まれ変わらせてやり、さらに息子を一人与えてやりました。ウアイ母子は仙人のところへ身を寄せて、ひっそり暮らすことにいたしました。

ある日、ウアイは王様のことを思い、カニティー母娘に殺されてから仙人のそばで暮らすまでのことを語りかけながら花輪を作りました。そして息子にその花輪を持たせて、王宮の菩提樹に花輪をお供えに行かせました。ウアイの息子はひとりで王宮の菩提樹を訪ね歩きました。やがて王宮へたどり着き、中へ入って菩提樹に花輪をお供えいたしました。その花輪を見た王様は、すぐにその花輪がウアイの作ったものであるとお気付きになり、ウアイとその息子を王宮へお戻しになりました。

王様は全てを知って、大変お怒りになり、アイを殺すように御命じになりましたが、ウアイが「どうぞ命だけは助けてやってください」と懇願したため、アイは地下牢へ禁固の刑に処されました。やがてアイは、我が身を苦しんで牢屋で自ら命を絶ちました。死んだアイの身体は切り刻まれてプラー・ラーに漬けられて壷に詰めて、母カニティーと妹イーの元へ届けられました(訳注:プラー・ラーは、腐りかけの魚を塩漬けにして発酵させた、塩辛のようなもの)。カニティーとイーは王宮からの頂戴したプラー・ラーを毎日食べていましたが、ある日、壷の底からアイの指輪を見つけて、このプラー・ラーに入っていたのがアイの肉であると知りました。母娘はすべてが王様に知れたことに慌てふためいて、罰が下るのを恐れて、すぐさま家から逃げ出しました。しかし、どこへ逃げてもこれまでの悪業の報いから逃れることはできず、いつまでもいつまでも苦しみばかりの人生を送りました。

(おしまい。最後までお付き合いいただいてありがとうございました。ほんとに長くてごめんなさい 写真はタイのいろいろなところで見られる祠。由来は仏教とは別のところにあるようですが、タイでは仏教と密接な関係にあります。見えにくいですが、ここには黄色い花輪がお供えされています)