昨日は夜から新宿へ。
COJは全MAXまで119というところまでプレイしました。
色々計算してみたところ、
イベント前に《ターミネイトオーダー》を終わらせるにはぎりぎり間に合わない感じなので、
無理せず適度なペースでやっていけたらと思っています。
――
という訳で久々のショートショートの更新です。
長らく更新が途絶えていた「タイガース・ダウンフォール」の、
今回が最終回となります。
ひとまずお楽しみ下さい。
◎過去作品
○連載もの
・クエスト・フォー・ザ・ムーン(全7話)
その1
その2
その3
その4
その5
その6
その7(エピローグ)
・ロボトミー・ソルジャー(全4話)
その1
その2
その3
その4
・メリー・クリスマス・フロム・アルカナ(全2話)
その1
その2
・リターン・フロム・ザ・ドラゴンズ・ヘッド(全7話)
その1
その2
その3
その4
その5
その6
その7
・タイガース・ダウンフォール(連載中)
その1
その2
その3
○その他エピソード
・バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード(連載再開未定)
その1
その2
・切札戦士 ジョーカー13(ワン・スリー) 第14話
・エージェント・イン・スイムスーツ
・イーリスの物語
・シャドウメイジ・ジ・アサシン
<<<タイガース・ダウンフォール その4(最終回)>>>
作:Nissa(;-;)IKU
十数分後、1台のリムジンが数台ほどの護衛のバンと共に新小岩港を発った。リムジンの後部座席には、スーツにフルフェイスヘルメットの男達に挟まれて、ソフトモヒカンの大男が窮屈そうに押し込められていた。その腕にはプラスチック製の簡易手錠が嵌められている。
窮屈な車内で、大男――ジョン・タイガーは「キリン」とのやり取りを思い出していた。ホログラムで突きつけられた地元警察署長への指示の様子、そして路上カメラの風景――それはジョンを取り囲む状況が想像以上に深刻であることを物語っていた。
銀行口座の預金、金融機関が記録する債権や債務、国が所有する戸籍や前科の情報――世界は人々の想像以上に「バーチャル」が支配している、というのがリバースデビルの主張である。
多額の資産を持つ大富豪や国家権力を担う政治家ですら、バーチャルの改ざんによって無一文の違法入国外国人として扱われ、社会から抹殺される――喩え話ではあるが、彼らの技術が既にそのレベルに迫りつつあることを、ジョンは認めざるを得なかった。
手駒も財産も奪われ、完全監視下に置かれたジョンに残された選択肢はわずかだった。自暴自棄となって乱闘を始め、統率の取れた兵達に射殺されるか、それとも――。
(将来、お前をダシにし、笑いものにしようとする奴らが現れるだろう。生きていればそいつらを殺して二度と笑えなくすることも出来る。死んだら、それまでだ――。)亡き父の教えが、彼を自暴自棄から救ったのだった。
――
「――実際これは幹部に近い待遇だ、それだけ期待しているって事だよ」車内ではホログラム越しに被り物の男、「キリン」がジョンに今後の「ミッション」についての説明を続けていた。
「キリン」の提案は奇妙なものであった。リバースデビルの「幹部候補」として「ミッション」に参加する代わりに、ジョンの前科と債務を浄化し、多額の報酬を与える――一人の少年犯罪者の「更正プログラム」としては破格の待遇である。
「そんな訳で、早速君には『チュートリアル』を受けてもらうよ、ちょっと窮屈だけど、ほんの少しの辛抱だ――」「キリン」の話を無言で聞きながら、ジョンは左右を挟むヘルメットの男達を横目で眺めた。まるでロボットだ――ジョンは彼らから異様な雰囲気を直観的に感じ取った。
実際その直観は正解であった。彼らは手術によって脳を摘出され、リバースデビルが所有する「生体クラウド端末」技術によって遠隔操作される生体兵器、「ロボット兵」なのであった。
リバースデビルは南葛飾に集まる低所得者層やホームレスを、ロボット兵の「素体」として使う計画を立てていた。社会的地位がほぼ皆無なそれらを拉致して使うなら、秘密裏に計画を進められるであろうというのが彼らの目論見であった。
ジョンが現れ、南葛飾で大量虐殺を始めたことにより、リバースデビルの計画は変更を余儀なくされた。彼一人の為に住民が殺され続ければ、ロボット兵に関する計画が破綻する危険すらあったからであった。
同盟者である研究機関や人身売買業者はジョンの殺害を求めた。だがリバースデビルは彼の持つ「適性」に目をつけていた。他組織との折り合いを付ける為、リバースデビルは「責任を持って彼を処断する」という名目で、大掛かりな捕獲計画を実行に移したのであった。
――
後にジョンは潜在的な「適性」――異次元空間「アルカナ」での高い戦闘能力――を発揮し、対立する政府組織「AST」からも侮れない存在として警戒されることになるのだが、それについて語るにはもう暫くの時間が必要である。
(見てろよ、キリン野郎――いつかてめえの寝首を掻いて――組織を乗取ってやる――そして全てを――俺の前に――跪かせ――)長い緊張から解放されたせいか、いつしかジョンはうずくまる様に寝息を立てていた。
暗闇で染まる工場地帯で、リムジンは停車中のトレーラーの横をすり抜けていった。そのトレーラーからはジョンのかつての「手駒」が降ろされ、一列になって歩かされていた――この後ロボット兵の素体とされることも知らずに。それは何も知らずに屠畜場に向かわされる牛や豚の様でもあった。
<<<タイガース・ダウンフォール おわり>>>
――
◎おまけ:M・o・Aちゃんが何か言う
――
◎宣伝
転生の宴はセガR&D1サポーターズサイトに登録されています。興味を持たれましたら投票してみるのも良いでしょう。
COJは全MAXまで119というところまでプレイしました。
色々計算してみたところ、
イベント前に《ターミネイトオーダー》を終わらせるにはぎりぎり間に合わない感じなので、
無理せず適度なペースでやっていけたらと思っています。
――
という訳で久々のショートショートの更新です。
長らく更新が途絶えていた「タイガース・ダウンフォール」の、
今回が最終回となります。
ひとまずお楽しみ下さい。
◎過去作品
○連載もの
・クエスト・フォー・ザ・ムーン(全7話)
その1
その2
その3
その4
その5
その6
その7(エピローグ)
・ロボトミー・ソルジャー(全4話)
その1
その2
その3
その4
・メリー・クリスマス・フロム・アルカナ(全2話)
その1
その2
・リターン・フロム・ザ・ドラゴンズ・ヘッド(全7話)
その1
その2
その3
その4
その5
その6
その7
・タイガース・ダウンフォール(連載中)
その1
その2
その3
○その他エピソード
・バトルトーナメント:あなたが決める禁止カード(連載再開未定)
その1
その2
・切札戦士 ジョーカー13(ワン・スリー) 第14話
・エージェント・イン・スイムスーツ
・イーリスの物語
・シャドウメイジ・ジ・アサシン
<<<タイガース・ダウンフォール その4(最終回)>>>
作:Nissa(;-;)IKU
十数分後、1台のリムジンが数台ほどの護衛のバンと共に新小岩港を発った。リムジンの後部座席には、スーツにフルフェイスヘルメットの男達に挟まれて、ソフトモヒカンの大男が窮屈そうに押し込められていた。その腕にはプラスチック製の簡易手錠が嵌められている。
窮屈な車内で、大男――ジョン・タイガーは「キリン」とのやり取りを思い出していた。ホログラムで突きつけられた地元警察署長への指示の様子、そして路上カメラの風景――それはジョンを取り囲む状況が想像以上に深刻であることを物語っていた。
銀行口座の預金、金融機関が記録する債権や債務、国が所有する戸籍や前科の情報――世界は人々の想像以上に「バーチャル」が支配している、というのがリバースデビルの主張である。
多額の資産を持つ大富豪や国家権力を担う政治家ですら、バーチャルの改ざんによって無一文の違法入国外国人として扱われ、社会から抹殺される――喩え話ではあるが、彼らの技術が既にそのレベルに迫りつつあることを、ジョンは認めざるを得なかった。
手駒も財産も奪われ、完全監視下に置かれたジョンに残された選択肢はわずかだった。自暴自棄となって乱闘を始め、統率の取れた兵達に射殺されるか、それとも――。
(将来、お前をダシにし、笑いものにしようとする奴らが現れるだろう。生きていればそいつらを殺して二度と笑えなくすることも出来る。死んだら、それまでだ――。)亡き父の教えが、彼を自暴自棄から救ったのだった。
――
「――実際これは幹部に近い待遇だ、それだけ期待しているって事だよ」車内ではホログラム越しに被り物の男、「キリン」がジョンに今後の「ミッション」についての説明を続けていた。
「キリン」の提案は奇妙なものであった。リバースデビルの「幹部候補」として「ミッション」に参加する代わりに、ジョンの前科と債務を浄化し、多額の報酬を与える――一人の少年犯罪者の「更正プログラム」としては破格の待遇である。
「そんな訳で、早速君には『チュートリアル』を受けてもらうよ、ちょっと窮屈だけど、ほんの少しの辛抱だ――」「キリン」の話を無言で聞きながら、ジョンは左右を挟むヘルメットの男達を横目で眺めた。まるでロボットだ――ジョンは彼らから異様な雰囲気を直観的に感じ取った。
実際その直観は正解であった。彼らは手術によって脳を摘出され、リバースデビルが所有する「生体クラウド端末」技術によって遠隔操作される生体兵器、「ロボット兵」なのであった。
リバースデビルは南葛飾に集まる低所得者層やホームレスを、ロボット兵の「素体」として使う計画を立てていた。社会的地位がほぼ皆無なそれらを拉致して使うなら、秘密裏に計画を進められるであろうというのが彼らの目論見であった。
ジョンが現れ、南葛飾で大量虐殺を始めたことにより、リバースデビルの計画は変更を余儀なくされた。彼一人の為に住民が殺され続ければ、ロボット兵に関する計画が破綻する危険すらあったからであった。
同盟者である研究機関や人身売買業者はジョンの殺害を求めた。だがリバースデビルは彼の持つ「適性」に目をつけていた。他組織との折り合いを付ける為、リバースデビルは「責任を持って彼を処断する」という名目で、大掛かりな捕獲計画を実行に移したのであった。
――
後にジョンは潜在的な「適性」――異次元空間「アルカナ」での高い戦闘能力――を発揮し、対立する政府組織「AST」からも侮れない存在として警戒されることになるのだが、それについて語るにはもう暫くの時間が必要である。
(見てろよ、キリン野郎――いつかてめえの寝首を掻いて――組織を乗取ってやる――そして全てを――俺の前に――跪かせ――)長い緊張から解放されたせいか、いつしかジョンはうずくまる様に寝息を立てていた。
暗闇で染まる工場地帯で、リムジンは停車中のトレーラーの横をすり抜けていった。そのトレーラーからはジョンのかつての「手駒」が降ろされ、一列になって歩かされていた――この後ロボット兵の素体とされることも知らずに。それは何も知らずに屠畜場に向かわされる牛や豚の様でもあった。
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