以下は前章の続きである
日本存続に関わる危機
日本の自衛隊や民間の指導者たちは東シナ海に問題があることはわかりながらも、対応は遅きに失している。
最近の南西諸島の防御を固めようという動きは、その手始めに過ぎない。
尖閣諸島はコメンテーターたちがしばしば言うような「いくつかの岩」という以上の存在といえる。
仮に中国が尖閣諸島や東シナ海を支配したら、日本と東南アジア諸国との交流や貿易、さらには中東や欧州との交流や貿易をも断ち切られることになってしまう。
これは日本の存続に関わる危機である。
これを交渉によって解決することはできないだろうか。心理的には難しい。というのも、一方が相手よりも下位にあることを認めることになるからだ。
日本側は領土のいくつかを諦めなければならないだろうし、中国側は彼らの主張が無効である、あるいは中国政府が押し切るだけの強さがないことを認めることになる。
では、日本は戦うだろうか?そうかもしれない。日本の政治の世界では宥和政策を好む有権者がいる。しかし、そうでない層もある。
世論は中国に対しておおむね悪感情を持っているようだ。
朝日新聞でさえ、あらゆる点で中国をなだめようとしているのに、中国が尖閣を奪取することを認めることには消極的にみえる。
日本政府が決着をつけようとすれば、世論は中国の侵攻に軍事的手段で対抗することを支持するだろう。
いまでも、自衛隊が南西諸島を守ろうとする動きを強めていることについて、世論の支持を得ているようだ。
少なくともほとんど反対の声はおきていない。
この稿続く。