以下は下記の月刊誌Hanada9月特大号に掲載されている堤暁氏と久保紘之氏の連載対談「蒟蒻問答」からである。
何度か言及した通り、堤堯氏が、私の母校の先輩である事を私はいつも誇りに思う。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
見出し以外の文中強調は私。
日本丸を導く「北極星」だった
まさに「巨星墜つ」
編集部
お二人は2013年に、安倍元総理についてこんな話をされていました。
《堤 安倍にすればこの三年間、準備を進めて、次の三年間で一気に進める。そんな気構えだろうね。それを阻むものがあるとすれば、閣僚の大スキャンダル、党内の造反、経済的な大異変、さらには自身の持病とか、いろいろなリスクがある。でも、俺が一番心配しているのは、取り越し苦労かもしれないけどテロだよ。政治家だから、どうしても衆人環視のなかに出て行かなければいけかい。映像を見るたびに「大丈夫かいな」と心配になる。他のことと違って、テロは一発でやられちゃうからね。
久保
たしかに安倍にはどこか妙な悲劇性が付きまとっている感じがしますからねえ。日本にはああいう強いリーダーを排除する仕掛けが昔からある。気を付けたほうがいい》
この箇所はゲラの段階で、「ちょっと不吉だから」と削ったのですが…
まさかこういうことになるとは。
堤
2017年だったかな、当時、野党もメディアも「安倍やめろ!」の大合唱だ。俺は安倍に会った時に、こんなことを言ったことがある。
「総理に万一のことがあったら、マスコミは一転して『巨星墜つ』と書きますよ」とね。安倍は照れ臭そうに頭髪を撫で上げたけど、まさに「巨星墜つ」だ。
真に革新的な政治家
久保
たしかに安倍には、五丈原(ごじょうげん)で志(こころざし)半ばにして死んだ諸葛孔明(しょかつこうめい)を連想させるところがありますね。
一部の新聞などは最初、犯人が元自衛官と聞いて五・一五なんかと結びつけたり、動機が元統一教会への恨みと知るや、安倍の祖父・岸信介まで遖って安倍との癒着、政治家と宗教団体との密着などといったところへ話題をエスカレートさせ、高まる安倍人気を色褪せさせるためのムード作りに躍起になっている感じがします。
「民主主義への挑戦」云々という論も目にしますが、これは明らかに焦点逸らし。
朝日なんか、いまだに森友、加計、桜を見る会の問題を引っ張り出して、「安倍の罪はここにある」と言わんばかりでしょう。
編集部
朝日新聞デジタルで、7月9日午前6時に、「森友・加計、桜…『負の遺産』真相不明のまま 安倍元首相が死亡」と題した記事を配信しています。
久保
犯人の供述によると、母親が宗教団体の信者で、巨額の金をつぎ込んだ恨みで、当初は教祖を狙ったけど難しく、たまたまこの団体の大会か何かに祝いのメッセージを寄せた安倍をターゲットに選んだという。
捜査当局は、こうした動機に飛躍があり過ぎるとして犯人の精神鑑定を行うそうだけど、飛躍という点では野党や朝日などが過去、森友や加計、桜などで安倍の”罪”を強引に立証しようとした牽強付会の説も似たり寄ったりじゃないですかね。
今度の事件について誰もが口にするのは、「動機は何であれ、安倍殺害という行為に及んだことは言語道断だ」というコメントです。
しかしそれを言うなら、一部の野党や朝日などのメディアの行為はでっち上げ同然の、本来無関係な事実を強引に、さも因果関係が濃厚な如く結びつけて、安倍の政治生命を断とうと躍起になった点で共通しているのです。
犯人の行為がテロなら、朝日などは言論によるテロリズムと言うべきですよ。編集部
あの安倍元総理をひたすら貶めようとする報道は、いま思い返しても腹立たしい。
堤
憲法をいじられるのが嫌だったからだよ。
久保
戦後の平和憲法という土壌が戦後平和主義者にとって居心地がよく、それを壊そうとする存在を本能的に排除しようとしたのでしょう。
堤
安倍は保守の元締めのように言われるけど、そうじゃない。
彼こそは真に革新的な政治家だった。
俺が司馬遼太郎に依頼して、『文藝春秋』の巻頭で「この国のかたち」の連載を始めたとき、高坂正堯はこう言った。「そおや、Constitutionは憲法と訳さずに『国のかたち』と訳せばよかったんやな」
この「国のかたち」、すなわち国の基本法たる憲法を改正する、それ以上に「革新的」なことがあるか?
それを「生涯の宿願」とし、トップランナーとして牽引する安倍こそ真の革新的政治家だったんだよ。
「革新」の反対語は「反動」だ。
朝日や野党の狂ったような「安倍叩き」の動機は、明らかに憲法改正反対からきている。
彼らはみな「反動」だよ。
何度か言及した通り、堤堯氏が、私の母校の先輩である事を私はいつも誇りに思う。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
見出し以外の文中強調は私。
日本丸を導く「北極星」だった
まさに「巨星墜つ」
編集部
お二人は2013年に、安倍元総理についてこんな話をされていました。
《堤 安倍にすればこの三年間、準備を進めて、次の三年間で一気に進める。そんな気構えだろうね。それを阻むものがあるとすれば、閣僚の大スキャンダル、党内の造反、経済的な大異変、さらには自身の持病とか、いろいろなリスクがある。でも、俺が一番心配しているのは、取り越し苦労かもしれないけどテロだよ。政治家だから、どうしても衆人環視のなかに出て行かなければいけかい。映像を見るたびに「大丈夫かいな」と心配になる。他のことと違って、テロは一発でやられちゃうからね。
久保
たしかに安倍にはどこか妙な悲劇性が付きまとっている感じがしますからねえ。日本にはああいう強いリーダーを排除する仕掛けが昔からある。気を付けたほうがいい》
この箇所はゲラの段階で、「ちょっと不吉だから」と削ったのですが…
まさかこういうことになるとは。
堤
2017年だったかな、当時、野党もメディアも「安倍やめろ!」の大合唱だ。俺は安倍に会った時に、こんなことを言ったことがある。
「総理に万一のことがあったら、マスコミは一転して『巨星墜つ』と書きますよ」とね。安倍は照れ臭そうに頭髪を撫で上げたけど、まさに「巨星墜つ」だ。
真に革新的な政治家
久保
たしかに安倍には、五丈原(ごじょうげん)で志(こころざし)半ばにして死んだ諸葛孔明(しょかつこうめい)を連想させるところがありますね。
一部の新聞などは最初、犯人が元自衛官と聞いて五・一五なんかと結びつけたり、動機が元統一教会への恨みと知るや、安倍の祖父・岸信介まで遖って安倍との癒着、政治家と宗教団体との密着などといったところへ話題をエスカレートさせ、高まる安倍人気を色褪せさせるためのムード作りに躍起になっている感じがします。
「民主主義への挑戦」云々という論も目にしますが、これは明らかに焦点逸らし。
朝日なんか、いまだに森友、加計、桜を見る会の問題を引っ張り出して、「安倍の罪はここにある」と言わんばかりでしょう。
編集部
朝日新聞デジタルで、7月9日午前6時に、「森友・加計、桜…『負の遺産』真相不明のまま 安倍元首相が死亡」と題した記事を配信しています。
久保
犯人の供述によると、母親が宗教団体の信者で、巨額の金をつぎ込んだ恨みで、当初は教祖を狙ったけど難しく、たまたまこの団体の大会か何かに祝いのメッセージを寄せた安倍をターゲットに選んだという。
捜査当局は、こうした動機に飛躍があり過ぎるとして犯人の精神鑑定を行うそうだけど、飛躍という点では野党や朝日などが過去、森友や加計、桜などで安倍の”罪”を強引に立証しようとした牽強付会の説も似たり寄ったりじゃないですかね。
今度の事件について誰もが口にするのは、「動機は何であれ、安倍殺害という行為に及んだことは言語道断だ」というコメントです。
しかしそれを言うなら、一部の野党や朝日などのメディアの行為はでっち上げ同然の、本来無関係な事実を強引に、さも因果関係が濃厚な如く結びつけて、安倍の政治生命を断とうと躍起になった点で共通しているのです。
犯人の行為がテロなら、朝日などは言論によるテロリズムと言うべきですよ。編集部
あの安倍元総理をひたすら貶めようとする報道は、いま思い返しても腹立たしい。
堤
憲法をいじられるのが嫌だったからだよ。
久保
戦後の平和憲法という土壌が戦後平和主義者にとって居心地がよく、それを壊そうとする存在を本能的に排除しようとしたのでしょう。
堤
安倍は保守の元締めのように言われるけど、そうじゃない。
彼こそは真に革新的な政治家だった。
俺が司馬遼太郎に依頼して、『文藝春秋』の巻頭で「この国のかたち」の連載を始めたとき、高坂正堯はこう言った。「そおや、Constitutionは憲法と訳さずに『国のかたち』と訳せばよかったんやな」
この「国のかたち」、すなわち国の基本法たる憲法を改正する、それ以上に「革新的」なことがあるか?
それを「生涯の宿願」とし、トップランナーとして牽引する安倍こそ真の革新的政治家だったんだよ。
「革新」の反対語は「反動」だ。
朝日や野党の狂ったような「安倍叩き」の動機は、明らかに憲法改正反対からきている。
彼らはみな「反動」だよ。
民主主義より大事なもの
久保
僕が恐れるのは、いま社会に充満している国民の欲求不満や苛立ち、怨念、政治不信といった閉塞感。
鬱屈した空気があるのは事実で、だからこそ憂さ晴らしのように小学校に乱入したり、通行人に襲い掛かるような事件が続いているわけです。
ところが今回、政治家を狙うとこれだけ大きなインパクトがあるのかとわかってしまった。
つまり、安倍殺害の犯人は、意図する・しないにかかわらず、政治テロヘの回路を開いたことになるのです。
堤
犯人・山上某の供述によれば、母親が資産を旧統一教会とやらに入れあげて、一家の生活が滅茶苦茶になった。
その宗教団体のボスを当初は狙ったけど果たせない。
かわりに団体と深い関係があると思い込んだ安倍を狙ったという。
この供述が真実だとすれば、動機は単なる私怨だ。
世を挙げて「民主主義への挑戦だ」などと言っているけど、そんなご大層なもんじゃない。
実にくだらない動機だ。
民主主義がどうのと聞くたびに、馬鹿野郎、民主主義より大事なものが損なわれたんだよ、なぜそれを言わないと思ったね。
民主主義は議論集約のためのツールでしかない。
古代ギリシヤの歴史家ツキユデデスはこう言った。
「民主主義は間違う、それもしばしばよく間違う」とね。
60年安保騒動の「岸を殺せ!」も、のちの「安倍叩き」の大合唱もその好例だよ。
そんな民主主義をご神体よろしく崇め奉って、それが汚された、毀損されたというが、民主主義より大事なものがある。
国益だよ。
俺は数ヵ月前のこの対談で、「安倍は日本の貴重な公共財だ」と言った。
安倍の存在自体が国益だったんだよ。
それがゴミみたいな野郎の、ゴミみたいな動機によって無にされた。
だから、どうにもやりきれないんだよ。
それにしても、伝えられる山上某の供述は真実なのかね。
腑に落ちないところが少なからずある。
このままだと、ガンマニアが手製の改造銃で、手前勝手な理屈を設けて、文字どおりの大物を仕留めて自己満足を果たした事件になる。
あまりにもくだらない事件で、それで安倍を失ったと思えばどうにも耐えられない。
だけど一方、安倍が亡くなって、ニンマリする手合いは国の内外にいる。
背後関係は本当にないのか、本当にローンウルフ(一匹オオカミ)なのか、徹底的に調べてほしいね。
久保
僕が恐れるのは、いま社会に充満している国民の欲求不満や苛立ち、怨念、政治不信といった閉塞感。
鬱屈した空気があるのは事実で、だからこそ憂さ晴らしのように小学校に乱入したり、通行人に襲い掛かるような事件が続いているわけです。
ところが今回、政治家を狙うとこれだけ大きなインパクトがあるのかとわかってしまった。
つまり、安倍殺害の犯人は、意図する・しないにかかわらず、政治テロヘの回路を開いたことになるのです。
堤
犯人・山上某の供述によれば、母親が資産を旧統一教会とやらに入れあげて、一家の生活が滅茶苦茶になった。
その宗教団体のボスを当初は狙ったけど果たせない。
かわりに団体と深い関係があると思い込んだ安倍を狙ったという。
この供述が真実だとすれば、動機は単なる私怨だ。
世を挙げて「民主主義への挑戦だ」などと言っているけど、そんなご大層なもんじゃない。
実にくだらない動機だ。
民主主義がどうのと聞くたびに、馬鹿野郎、民主主義より大事なものが損なわれたんだよ、なぜそれを言わないと思ったね。
民主主義は議論集約のためのツールでしかない。
古代ギリシヤの歴史家ツキユデデスはこう言った。
「民主主義は間違う、それもしばしばよく間違う」とね。
60年安保騒動の「岸を殺せ!」も、のちの「安倍叩き」の大合唱もその好例だよ。
そんな民主主義をご神体よろしく崇め奉って、それが汚された、毀損されたというが、民主主義より大事なものがある。
国益だよ。
俺は数ヵ月前のこの対談で、「安倍は日本の貴重な公共財だ」と言った。
安倍の存在自体が国益だったんだよ。
それがゴミみたいな野郎の、ゴミみたいな動機によって無にされた。
だから、どうにもやりきれないんだよ。
それにしても、伝えられる山上某の供述は真実なのかね。
腑に落ちないところが少なからずある。
このままだと、ガンマニアが手製の改造銃で、手前勝手な理屈を設けて、文字どおりの大物を仕留めて自己満足を果たした事件になる。
あまりにもくだらない事件で、それで安倍を失ったと思えばどうにも耐えられない。
だけど一方、安倍が亡くなって、ニンマリする手合いは国の内外にいる。
背後関係は本当にないのか、本当にローンウルフ(一匹オオカミ)なのか、徹底的に調べてほしいね。