職場体験などで小中学生が神社でご奉仕をする時、説明をしていて特に感じる事ですが、砂利を敷いた境内の掃除というのは独特なものです。
あまりお話しする機会もないのでここで手順をご説明しますと、
①まず竹箒で境内の落葉を何カ所かに集める(普通の先が平たい箒だと砂利が引っかかるので、竹箒が適しています)
②箕(み)と熊手を用いて落葉と砂利をある程度一緒に取る
③箕を転がすように振ると軽い落葉が上に、重い砂利は下に分かれる
④上の落葉だけを袋に捨て、砂利は境内に戻す
書いてしまうと簡単ですが、最初こつを掴むまでは中々上手くいかないものです。
まずは落葉を箒で纏めていきます。神様の正面『正中(せいちゅう)』を最初に開けるのが作法です
箕(み)と熊手。箕は竹などで編んだちりとりのようなものです(写真は樹脂製ですが)
古くから神職にとって掃除は社務の大事でした。例えば桓武天皇の御代の太政官符では、“社を掃き神を敬ふは、禍をとどめ福をいたすためなり” と掃除と祭事と共に大切にするよう記されています。
お寺においても、“一に掃除、二に勤行(修行)、三に説法” という言葉があると聞いています。
掃除をする事で神様がお喜びになり、また参拝者の方が清々しい気持ちになれるなら、それが一番のお祓いになります。
この季節は葉の入れ替わりで秋に並んで落葉の多い時期ではありますが、気を付けて掃除していきたいと思います。