出演者:・ウサギのミミ ・キツネのコン太 ・タヌキのポン吉 ・サルのモンチ
・ヤギのヤギー ・イノシシのシシ夫
コン太:お~い!ミミちゃん大きなリュックを背負ってどこへ行くの?
ポン吉:ずいぶん重そうだね。リュックが落ちそうだよ。
ミミ :う~んと。どっこい。ちょっと、ひと休み。
あら!今、声を掛けてくれたのはコン太さんとポン吉さんね。
コン太:そうだよ。ずいぶん大きなリュックを背負っているけど、何が入っているの?
ポン吉:ミミちゃん。それをどこへ持って行くんだい。
ミミ :丘の上のおばさんの家に野菜を届けるのよ。足を怪我して買い物に行けないか
らお手伝いなの。だいこん、にんじん、じゃがいも、みんな重いものばかりよ。
特に、にんじんは大好物だからいっぱい持っていくの。
ポン吉:重そうだね。僕たちが手伝ってあげるよ。3つに分けたら軽くなるだろう。
ミミ :ありがとう。助かるわ。
でも手伝ってくれるなら、もっと持っていきたいものがあるの。いいかな?
コン太:僕たちは男だからどんな重いものでも平気だよ。持ってきて。
ミミ :実は重いからあそこに置いて来たんだけど・・・・
ポン吉:やや。これは大きなかぼちゃだ。重そうだな。
コン太:男の約束だから、このかぼちゃは僕たち二人で持っていこうよ。
ポン吉:わかった。でも手伝うなんて言わなきゃよかったな・・(ブツブツ)・・
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ミミ :ずいぶん丘を登ってきたわね。
あら!あそこにイノシシさんがうずくまっているわ。
コン太:イノシシさん。大丈夫ですか?どこか悪いのですか?
シシ夫:この間の大雨で山に食べ物がなくなったから、腹ペコで動けないんだよ。
ミミ :ま~あ、かわいそう。
この野菜の中から好きな物を食べて元気をだしてください。
シシ夫:いいのかい。ありがとう。
それではこの大きなカボチャを全部食べても良いかい。
ミミ :いいわよ。おばさんはかぼちゃがあまり好きじゃないから大丈夫よ。
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シシ夫:ああ~あ。おいしかった。おかげで元気になったぞ。
お礼にみんなを背中に乗せて、おばさんの家までつれていくよ。
ミミ、ポン吉、コン太:ありがとう。疲れていたから大助かりだ。
ポン吉:荷物も軽くなったし、ラクチンできるし、うれしいな。
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ミミ :シシ夫さんの背中は高いのね。遠くまでよく見えるわ。あら!あそこに猿さん達
が集まっているわ。何かあるのかしら? ね~、どうしたの?
モンチ:この間の大雨で山に食べ物がなくなって、ここまで下りてきたんだけど、子ども
たちがお腹をすかして動けなくなっちゃったんだよ。
ミミ :まあ~かわいそう。ここにある野菜でよかったら食べてくださいな。
モンチ:ありがとう。遠慮なく頂くよ。さあ~、みんな出ておいで。いただきます。
ミミ :おばさんが大好きなにんじんだけは残してね。
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モンチ:本当にありがとう。おかげで子どもたちの命が助かった。
この道は崖崩れで通れないから、食べ物のお礼におばさんの家まで道案内す
るよ。
ミミ :ありがとう。でもリュックの中はもうにんじんしか残っていないわ。どうしよう。
コン太、ポン吉:おばさんが好きなにんじんがこんなに残っているから大丈夫だよ。
ミミ :そうよね。モンチさん、道案内をお願いします。
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モンチ:この岩場の向こうがおばさんの家だよ。もう少しだ。
ミミ :あそこでしゃがんでいるのはヤギさんじゃない。元気がなさそうね。どうしたの?
ヤギー:この間の大雨で山に食べ物がなくなって、お乳が出なくなり、子どもたちがお腹
を空かしているのよ。
ミミ :まあ~、かわいそう!ここにはにんじんしかないけど、よかったらどうぞ。
ヤギー:本当にいいのですか?とても助かります。皆さんは子どもたちの恩人です。
ポン吉:でも、これをあげちゃったら、おばさんの家に持っていく野菜が無くなるよ。
ミミ :大丈夫よ。おばさんにはお見舞いに来たことにして、野菜は今度持ってくるわ。
コン太:あれだけあった野菜が一つもないよ。本当にいいのかな。
ヤギー:事情も知らないで、みんな食べてしまってごめんなさい。
お礼におばさんの家まで行って、私のお乳を少しあげましょう。
このお乳はどんな怪我や病気も治してくれるのよ。
ミミ :本当!うれしいな。野菜よりもっと素敵なお土産ができたわ。
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ミミ :おばさん!こんにちは。お見舞いに来たわよ。約束の野菜は無くなっちゃったん
だけど、私の顔を見れば元気になるでしょ。
ポン吉:ヘッヘッ、野菜はあるよ。にんじんをポケットに隠しておいたんだ。
コン太:ヘッヘッ、僕のポケットにはじゃがいもがある。
ミミ :まあ~。えらい。ところで、シシ夫さん、モンチさん、ヤギーさんが見えないわね。
ポン吉:あれを見て!軒下にミルクと小さい野菜の種がいっぱい並んでいるよ。
ミミ :ミルクを飲んで、ここで野菜を作りなさいっていうことかな。
そうすれば、おばさんは下まで野菜を買いに行かないですむものね。
ポン吉:あの方たちは神様の使いかもしれないな。
コン太:なんかキツネにつままれたみたいだ。
ポン吉:コン太が言うとおかしいね。
(全員でハッハッハッ・・・・・)
ミミ :今日は不思議な体験をしたわね。