普段、ピーマンの生産地は何処?なんて考えることがありませんよね。実は茨城県がピー
マンの出荷量日本一なのです。全国出荷量の内、ほぼ4分の1を誇ります。なかでも、太平
洋の波が押し寄せる神栖市は温暖な気候と砂丘地帯で、水はけの良い土壌に恵まれたピー
マンの大産地です。
神栖市の農業は、古くから米・麦・落花生・スイカ・千両などがつくられてきました。
その後、葉タバコの栽培が盛んになりましたが、昭和40年頃から鹿島開発による農業対策
事業の推進により、土地が小面積でも農業経営の維持ができる生産性の高い施設農園へと
移行しました。その代表的な作物がピーマンでした。ピーマンはビニールハウスで栽培す
るため、1年中出荷をすることができます。神栖市のピーマンは「甘くて柔らかい」と市
場でも高く評価されている人気の商品です。現在、生産量・作付面積が日本一で、まさに
「ピーマンの街」なのです。
<ピーマンとは?>
ピーマンは熱帯アメリカ原産のナス科の植物です。ピーマンという名前はフランス語(piment)
に由来し、英語ではベルペッパー、緑色のものはグリーンペッパーといいます。名前のとおり、
ピーマンはペッパー(とうがらし)の仲間ですが、辛み成分のカプサイシンはほとんど含まれ
ていないため辛くはありません。昔は独特の青臭さが苦手な人も多いようでしたが、最近では
品種改良が進み、現在のようなくせの少ない品種が誕生しました。神栖市で主に栽培される品種
は「みおぎ」です。グリーンの色が濃く、やわらかくて苦味が少ない食べやすいピーマンです。
それでも、まだまだ子供たちには最も人気がない野菜の断トツがピーマンです。農家の品種改良
の挑戦はこれからも続きます。
<ピーマンの栄養素>
ビタミンC・ビタミンP・葉緑素など豊富な栄養素が含まれているピーマン。ビタミンCは熱に弱
いといわれますが、ピーマンのビタミンCは組織がしっかりしているため加熱しても壊れにくく、
損失が少ないのが特徴です。コラーゲンの生成を促進し、メラニン色素の増加を抑え、皮膚の抵
抗力を強める働きがあるといわれています。ピーマン100グラム中のビタミンC含有量が約80ミリ
グラム。およそピーマン4個で1日の所要量を摂取することができます。ビタミンPはビタミンCの
吸収を助けます。β-カロテンも多く含まれ、ビタミンCとともに抗酸化作用を発揮し、老化防止や
免疫力アップの働きがあるといわれています。
<ピーマンの選び方・保存方法>
皮がつやつやして、全体に張りがあり肉厚のものが良いとされています。ピーマンはヘタのところ
から痛んでくるので、よく確認してください。ピーマンは水分がつくと痛みやすいので、洗わずに
ポリ袋に入れて口を閉め、冷蔵庫の野菜室に保存します。1つ腐るとほかにも移るので、痛んだもの
はすぐに処分してください。
<ピーマンの豆知識>
1.包丁を使わずに手だけで、ピーマンのへたと種を取る裏ワザ
(1)親指でピーマンのへたの部分をグッと力強く押す
(2)するとへたが種をつけたまま、ピーマンの中へ落ちるので、あとはそれを指で取り出す
これだけです! これだけでピーマンのへたと種が驚くほど簡単に取れます。そして、この
裏ワザには、種をまな板の上で散らかさずに済むという利点もあるので、後掃除がほとんど
いりません。さらに手順(2)の際に、指ではなく箸を使って上手くへたを取ると、割れ目
なしのほぼ原形のピーマンを手に入れることができます。このピーマンは、まさにピーマン
の肉詰めに持ってこい!
2.ピーマン/カラーピーマン/パプリカの関係
ピーマンを栽培したことがある方なら知っているかもしれませんね。
①ピーマンとカラーピーマンの違い
普段私達がよく口にするピーマンは綺麗な緑色をしていますが、実はこれ、ピーマンの若い姿。
つまり、ピーマンが完熟する前に収穫したものなんです。では、完熟させるとどうなるかとい
うと、基本的には赤く色づきます。そして、赤以外の色に色づく完熟ピーマンのことをカラー
ピーマンと言います。色は、黄色やオレンジ、そして紫や黒なんて色もあるそうです。
②パプリカ=カラーピーマン
それではパプリカは…というと、実はカラーピーマンのこと。特に大型で肉厚な品種のカラー
ピーマンが「パプリカ」として食品売り場などに並んでいます。
<神栖市のピーマンを使った名産品>
(1)ピーマンソフト
すっきりとした甘さとピーマンの美味しさが楽しめる一品です
(2)スイートカクテルペッパーピクルス
ピーマンとミニパプリカをたっぷり使用したピクルスです。色鮮やかで、少し甘めの
酢漬けになっています。
(3)パプリカ餃子
ピーマンとミニパプリカを餃子の具に使った商品です。カラフルな色味がプラスされ、
美味しいだけでなく、楽しく食べられます。
(4)ピーキャン
ピーマンの苦味をなくし、お子さんにもおいしく食べてもらえるよう、水あめにピー
マンを練りこんだ飴です。
(5)ぴーまんサブレ
ピーマンの菓子を作るという決意のもと、組合員の力を結集して完成しました。神栖市
産米粉も使用しています。
(6)神栖メンチ
主要原料は全て国産を使用し、細かく切った神栖市産のピーマンを練り込みました。形
は細長い棒状のため、イベント時では歩きながらおやつ感覚で食べることができます。
(7)うどっぴ~
赤ピーマン・青ピーマンをうどんに練り込み乾麺にしました。ピーマン特有の苦味や青
臭さはありません!
ピーマンの旬は6月~9月、これからどんどんおいしくなってくる「ピーマン」。バーベキューや
チンジャオロースなど様々な料理でも使われ、そのほどよい苦味がなんともたまらないピーマン
です。是非、神栖のピーマンをご賞味あれ!