ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

長ネギ農家の収穫作業

2020-09-21 07:50:12 | 日記

都会に住んでいたころは身近ではなかった農業ですが、農業県である茨城県龍ケ崎市に移住

してからは、散歩中の目線に飛び込んでくる広大な田んぼ、そして四季折々に異なる作物が

収穫される広い畑のある風景、そして、そこで働く人たちの姿は、今では私の日常です。

 

散歩の時間帯で見ている農業というお仕事は、とてものどかに思えるのですが、「農家にな

る」「農業で生活をしていく」というのは、決してたやすいものではないのだと思います。

農作物の植え付けには程度の差こそあれ連作障害がありますから、その壁を破って畑を最大

活用することに農家の方は苦労されています。そこへ今や避けられない異常気象により激甚

化している天災被害への備え、そして薬剤が効きにくい外来種の害虫対策などが追い打ちを

かけます。更に近年は人手不足による外国人の農業実習生の雇い入れも不可欠であり、農家

の畑には見えない苦労がしみ込んでいます。

 

話しが急に変わりますが、日本人の野菜別の消費金額の順位をご存知でしょうか?トップは

断トツでトマトです。次いでネギ、キュウリがトマトの約半額、その後にレタスやキャベツ

が続きます。トマトやキュウリはハウス栽培が主流で設備投資額が高いのですが、露地栽培

で収益が望める「長ネギ」は通年で安定した需要が見込める農作物の優等生です。

 

具体的に露地物の長ネギの収穫高を見ると、生産量1位が千葉県で6.6万トン。2位は埼玉県で

6.4万トン、3位は茨城県で4.8万トン、このように関東周辺だけで上位を占有しています。

この内、千葉県・埼玉県は秋冬のねぎの産地で、茨城県は夏のねぎの産地です。ネギの種類に

違いがあるわけではなく、収穫時期だけの違いなので、市場のすみわけをしているのでしょうかね。

 

私の散歩道のルート上に広い面積で露地物の長ネギ栽培をしている畑が3ヵ所ありますが、大

きいところでは直線100mぐらいのうねがずらりと並んでいて壮観です。田んぼの稲も同じで

すが、長ネギがすくすくと育っている畑の風景は、ここが農業県だなと実感させられます。

8月中旬からの1ヶ月間、ここで夏物の露地長ネギの収穫作業が行われていました。長ネギの収

穫は安定需要を背景に機械化が進んでおり、広い畑に作業をする人手はたった4人でした。

目の前を自動で長ネギを抜き取っていく自走する機械を見ながら、ここが夏物の露地長ネギ耕

作日本一の現場なのだと認識を新たにしながら見ていました。

 

今回は機械化で省力化が進んだ露地長ネギ栽培農家の収穫作業現場からの実況中継です。

 

<長ネギについて>

長ネギは、中央アジア原産のヒガンバナ科ネギ属の多年(宿根)草です。ネギの栽培には、主

に葉身を利用する葉ネギ栽培 と、白く軟白した葉鞘を利用する長ネギ(根深ネギ)栽培があり

ます。ここでは、後者の長ネギ栽培の紹介です。長ネギの白い部分にはビタミンCが、地上部の

緑色の部分には、カロテン、ビタミンC、ミネラル等が含まれています。

 

<長ネギの収穫作業>

長ネギ生産者にとって辛い作業の代表が収穫作業です。うねを崩し→掘り起こして、根に付いて

いる土を除く→ネギを揃えて束ねるという3工程の作業は中腰で行うため、腰への負担がどうし

ても多くなります。これを機械化した製品が各農耕機メーカーから発売されています。紹介する

畑では小橋工業の「自走式ねぎ収穫機ソフィ」(380万円)が作業開始に向けてスタンバイです。

機上に一人の作業者が乗り込みました。もう一人は東南アジア系の若い実習生で、後方に待機し

ていて長ネギを束ねる係のようです。

 

「いよいよ、ソフィが動き始めました」

「収穫を待つ長ネギのうねは台形です。この台形の広がった部分を円盤の歯で切り込みを入れて、

 切り落とされた土を脇に排除しています。うねが切り崩されているのが見えます。」

「見事にネギの根を残した箱形が残りました。台形だった面影はありません。」

「次は掘取コンベアの登場です。先端のプレートが根の底に入りました。きれいにネギの本体が

 堀上げられました。」

「掘り上げられたネギは、葉と茎の間あたりを搬送ベルトにつかまれ、次から次へと専用コンベ

 アによって作業台のある上部へ搬送されていきます。」

「このネギが上がっていく搬送工程で、根についた土を落とす土落としローターが活動し、根に

 付いていた土が落とされています」

「作業者の手元に土が落とされたネギが届きました。よく見ると2本のネギが一対になっています」

「ここから作業者の出番です。一人はコンベアで届いたネギの根元に残存するわずかな土を払い落

 とし、集束しやすいように横に寝かせていきます。」

「そしてもう一人は、寝かされて流れてきたネギを束ねています。やはり実習生の仕事です。」

「どんどん作業台に集束されたネギが溜まっていきます。ネギで作業台がいっぱいです。」

「機体が止まりました。作業台は収束された長ネギでいっぱいになりましたので、畑に降ろしています」

「トラックが入って来ました。トラックに積み込まれた長ネギは次の工程である、皮むき、洗浄など

 が行われて、今日中に市場へ納品されることになります。」

 

機体は先端のゲージ輪が、うねの両サイドをしっかりと保持しているので、うねに追従しながらまっ

すぐ走行してくれています。だから、収穫作業に専念できますね。全て立ち仕事なので、かなり腰へ

の負担軽減になっていると思います。収穫時間は手掘りの3倍の速さです。この機体の活用で疲労低

減、スピードアップにより、コストが抑えられているのが理解できます。1台で何役もできる素晴ら

しい農耕器具だなと思いました。一日で掘り起こせるうねの数は数条です。納品に向けての後作業に

かなりの時間が必要だからです。だから、全ての収穫を終了するまでに1ヵ月が必要なのですね。

 

農家の人にとって収穫は何よりの喜びですね。長ネギは連作障害に強い方ですが、家庭菜園とは異な

り、農家の場合は土がやせ、生育が悪くなるのを嫌って連作はしないと聞いています。ですから、こ

の畑で来年も長ネギが収穫されるということはないでしょう。次はこの広い畑にどんな作物が植えら

れるのでしょうか。楽しみです。

 

こんなふうにして農作物は安定供給され、日本の食卓は支えられているのだと、改めて考えることが

できた一日でした。

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樹液に集まる「カブトムシ」の観察記録

2020-09-07 07:33:02 | 日記

本ブログ(8月17日)で、樹液に集まるカブトムシたちを見つけたと紹介しました。

実は7月に入ってからの里山散歩では常にカブトムシ探しをしながら歩いていました。

理由は孫が遊びに来た時にカブトムシを見せたい、触らせたい、喜ばせたい、の一念です。

 

私自身にも見つけたい願望があったので、これまでに何十年間にわたって、多くの樹木

を観察してきましたが、見つけたと言えるのは今回の樹木だけです。見つかる確率は天

文学的に低いと実感しています。本当にヤッター!ラッキー!でした。これまでに単発

でカブトムシをゲットしたことはあります。我が家の網戸にぶつかってきたヤツもいま

す。でもそれは偶然の発見です。しかし、樹液が出ている木に集まるカブトムシは、樹

液が出ている間は、入れ替わりがあっても必ずそこにいますから、これほどの朗報はあ

りません。しかし、今夏はコロナ禍の事情で孫に伝えることがはばかれ、がっくりした

夏となりました。

 

カブトムシ探しを後押ししてくれたのは、「子供と一緒にカブトムシハント」(8月8日、

朝日新聞朝刊)の記事です。孫と同じ4歳の子供を持つ若いお父さんが、「カブトムシっ

てどこにいんの?」とせがまれ、自身も初のカブトムシハントに出かけた話で、カブトム

シやクワガタを捕まえています。この記事を読んで、今の男の子たちも、私の子供の頃の

ようにカブトムシやクワガタに夢中であることを知り、我が孫も絶対に喜ぶと疑わずに探

しました。来年も今回見つけた樹木に樹液が出ている保証はありませんが、場所を覚えて

おけば期待はできると思っています。

 

ところが約1か月後に、この発見の喜びを打ち砕くヤバイ記事が「孫にカブトムシを 奮起

したのに」(9月3日、朝日新聞朝刊)のタイトルで声欄に投稿されたのです。投稿者は私と

同じお爺ちゃんで、同じ記事を読んで孫のために立ち上がったのです。そしてみごとカブト

ムシを5匹ゲットして娘さんにメールしました。届いた返信は「カブトムシは夜中にギイギ

イとうるさく、子供は怖い、かわいそうと言って近づかないと思うので遠慮する」がっくり

である。今度は近くの公園に持参し声を掛けたら、お母さんから「かまれたら危ないから遠

慮する」又もがっかりだと記し、自分たちが育った時代と今は月とすっぽんのように違うら

しいと結んでいました。これはヤバイです。

 

都会に住む我が孫やその母親はどちらのタイプなのか、まだ発見の事実を伝えていませんの

で分かりませんが、無条件で爺ちゃんの株は上がると信じていた、私の自信は大きく揺らい

でいます。

 

前書きがロング、ロングになってしまいました。お許しください。上記の背景事情がありま

したので、孫のことは考えずに今回の発見を私一人で最大限に楽しむことにしました。

 

私は今、少年時代に戻っています。そして、夏休みの宿題でカブトムシの観察記録に挑んでいます。

 

題名:カブトムシの活動カレンダーを作る

観察目的:カブトムシは夜中から早朝にかけて活発に活動していることは知られていますが、

         カブトムシ探しの最適な日を紹介する根拠が示された情報が見つかりません。そこ

     で、樹液に集まるカブトムシの匹数を経過観察して、そこから最適な探索の日を見

     つけることにしました。

観察条件:場所は地元の神社境内の森 金網越しの目視(樹木の裏側は見えない)

     観察は午前9時前後  観察期間:8月4日~8月30日

観察結果:

1.一番の活動期は8月8日~8月14日ごろであった。この期間はカブトムシが活発に活動して

  いるから見つけられる確率が高い。

2.8月14日以降は急激に数が減る。カブトムシの寿命がこの辺にあるのだろう。

3.集まったカブトムシの成虫の大きさを比較すると、体の大きさが個々に違うことに気付い

  た。カブトムシは成虫になると大きさは変化しないので、幼虫時代の餌を食べる量や栄養

  価の差で成虫した時の大きさが決まる。すなわち、幼虫時代の食生活で子孫が残せるかど

  うかが決まってしまうのだと思う。

4.最後の日まで樹液をなめていたのはメスだった。メスの方が寿命は長いかもしれない。

5.今回はクワガタが見つからなかった。理由は分からない。

 

もっと早起きができたならば、もっと数多くのカブトムシに出会えて、もしかしたらクワガタ

にも会えたかもしれないな。でも早起きはできませんでした。

 

若いお父さんやお爺ちゃんのカブトムシ探しの参考にしてください。

 

参照: 本ブログ「カブトムシをプレゼントしたかったぁ!」 2020年8月17日

 

 

 

 

 

 

 

 

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