ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

動物村の仲良し3人組よ、冬虫夏草を探せ!

2020-08-31 07:58:19 | 日記

動物村の夏は異常な高温気象が続いたために、住民に体調不良者が続出、これではまもなく

始まる秋の収穫祭の準備が心配です。収穫祭は動物村の最大の行事、これを終えないと冬の

支度が始められません。長老はこの難局を解決するために、仲良し3人組を呼び寄せました。

彼らの持つ不思議な力を借りることにしたのです。

 

長老 :フクロウ博士に村の現状を話して、解決のための知恵を借りた。博士は人間たちが

    使っている冬虫夏草が体を回復させてくれると教えてくれたが、見つけるのは難し

    いとも言っていた。そこでじゃ、お前たちにその冬虫夏草を探してきてもらいたい

    のじゃ。ここはお前たちに頼るしかない。頼むぞ!

ミミ :お父さんも力が出ないと言っていたわ。だから頑張る。ところで冬虫夏草って、初

    めて聞くけど、どんなものなの?どこへ行って探せばいいの?

長老 :フクロウ博士の話によると、冬虫夏草とは冬の間に生きているセミやクモなどの幼

    虫の体に寄生したキノコの菌糸が、春から夏にかけてその体から栄養分を奪い取っ

    て成長して、地上に顔を出すキノコだそうだ。かなり恐ろしい話じゃが、命を奪わ

    れまいとする昆虫と奪おうとするキノコの戦いから、体を守ったり、体を強くする

    成分が作られるのじゃそうだ。だからそれを体に取り込めば体力は回復するのだと

    言っている。昆虫を餌にしているキノコだから、昆虫とキノコがくっついた形をし

    ているそうだ。キノコは寄生する相手の昆虫によって、種類が違うからどの昆虫で

    も良いわけではなく、動物村のみんなには、地中に住む土蜘蛛に寄生したキノコの

    冬虫夏草が良いと言っていた。

ポン吉:土蜘蛛の体からキノコが生えているなんてかなり気持ちが悪いね。大体、生きてい

    る蜘蛛を餌にするキノコがいるなんて信じられないよ。本当にいるのかな~。

コン太:去年、台風の後の倒木の場所で出会ったキノコの妖精たちが、私達の仕事はこの倒

    木を土に戻してあげることだと言っていたね。キノコたちが土をつくっているなん

    て知らなかった。だから、キノコの中には仕事として昆虫に寄生するのもいるのだ

    ろうな。

ミミ :土蜘蛛がどんな蜘蛛か知らないけれど、キノコに食べられて嬉しいはずがないわよ

    ね。そのキノコは悪いヤツなの?何の目的で土蜘蛛に寄生するのかしら。

 

動物村には溶岩流の岩が永い年月をかけて苔で覆われた樹海と呼ばれている場所がある。長老

の話では、苔で覆われた岩同士がぶつかった隙間の穴倉にいる可能性があるというのです。

 

ミミ :着いたわ。この森ね。広いからどこから探していいかわからないわね。岩の穴倉を探

    せと言っていたけど、周りは穴倉だらけ、一番大きな穴倉から入りましょうか。

ポン吉:土蜘蛛がどの穴倉にいて、穴倉のどの辺りにいるのかもわからない。見つけるヒント

    はないのかな。

コン太:集まってくれ!苔の上にあるこれを見て!これは死んだセミにキノコが絡まっている。

    そうか、これだ。間違いない、これはセミの冬虫夏草だよ。こりゃ、幸先が良い、土

    蜘蛛の冬虫夏草も探すのは簡単かもしれないぞ。

ミミ :このセミは体が残っているけど、体の中は食べられちゃったのね。かわいそう。セミ

    からキノコが出ているなんて、やっぱり冬虫夏草って気味が悪いわ。でも、これは大

    発見よ。このセミを土蜘蛛に置き換えれば、どんな形なのか、大きさなのかの想像が

    つくわ。探すのに大きなヒントになるわね。

 

3人組はそれぞれが一つ一つ、苔むした岩と岩の間の穴倉に潜り込んでは、土蜘蛛を懸命に探し

ましたが見つかりません。

 

ミミ :モ~疲れた!土蜘蛛はいないわ。このままやみくもに穴倉を探してもダメね。フクロ

    ウ博士が探すのは難しいと言っていたことを思い出したわ。

ポン吉:この辺りにキノコの妖精たちがいないかな。いたら教えてもらえると思うけどな。

コン太:苔の中にも、土の上にもキノコは生えているのが見えるけれど、話しかけても返事が

    ないキノコばかりだ。ここにはキノコの妖精はいないね。

 

3人組は話し合ってこの樹海から離れて、台風で激しく倒木した森へ移動することにしました。

キノコの妖精がここにある倒木を土に戻すには、長い年月がかかると言っていたことを思い出

したのです。きっとまだそこで働いているはずです。

 

ミミ :着いた。絶対にこの場所でまだお仕事を続けているはずだわ。キノコの妖精さ~ん!

ポン吉:・コン太:キノコの妖精さ~ん!顔を出して!そして僕たちを助けてください。

 

暫くすると、倒木の上にキノコが1本、そして又1本とキノコの妖精たちが顔を出してきました。

3人組は村の実情を話して、土蜘蛛の冬虫夏草を探していることを伝えました。

 

キノコの妖精:話は分かった。土蜘蛛さんたちは沢の近くの湿った場所にある穴倉にいる。

       これから案内をしよう。ミミの肩に私を乗せてくれ。持ち帰れるかどうか、土

       蜘蛛さんたちの了解を得なければいけないからな。私が説得するよ。

ミミ :よろしくお願いします。私の肩に乗ってください。

 

こうして、一行は土蜘蛛が住むという沢の近くにある穴倉に到着しました。キノコの妖精は

穴倉の前で3人組を待たせて穴倉に入って行きました。そして暫くして、キノコの妖精が穴

倉から戻ってきました。

 

キノコの妖精:土蜘蛛さんたちの了解を得たぞ。これから冬虫夏草のある場所へ行こう。

ミミ :ねぇ、教えてください。キノコさんはどうして生きている蜘蛛を食べ物にしている

    のですか?可哀そうじゃないですか。

キノコの妖精:それは土蜘蛛さんから依頼されているからなのだよ。

コン太:食べられることを依頼するってどういうことなの?

キノコの妖精:土蜘蛛さんはいっぱい子供を産むんだ。でも、子孫を残せる体力のある大人

       になれるのは、その中でも選ばれたわずかな数なんだ。だから、子供同士で

       生き残りをかけた争いが始まる。その争いを起こさせないために、キノコに

       寄生してもらうのさ。すると子供同士の争いが起きなくなるんだよ。

ポン吉:でも、寄生された子供たちは大人になるとキノコに食べられちゃうんでしょう。

キノコの妖精:それは土蜘蛛さんが強い子孫を残すために選んだ生き方だとしか説明できな

       いね。キノコたちも君たちのような動物に近い生き物なのだよ。草木の場合は、

       太陽の光があれば生きられるけど、キノコは君たちと同じで何かを食べなけれ

       ば生きられないのさ。ここではお互いが持ちつ持たれつの関係なのだ。

 

土蜘蛛はキノコが寄生した幼虫たちを広場の一ヵ所に集めていました。土蜘蛛の赤ちゃんの数は

とても多いようです。今は夏です。幼虫が集められた広場から、土蜘蛛の冬虫夏草の新鮮なキノ

コがニョキ、ニョキと辺り一面に顔を出していました。3人組は持ってきた籠に、「収穫だ、収穫

だ、長老が喜ぶぞ!」と言いながら、冬虫夏草を詰め込んで意気揚々と帰って行きました。

 

仲良し3人組にとって、今回の冬虫夏草探しの一番の収穫は、「生きる」ことの意味を深く真剣に

考えたことで、大人への階段をまた一歩上がったことかもしれませんね。

 

参照:本ブログ題名「キノコの妖精と仲良し3人組」2019年11月25日

 

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カブトムシをプレゼントしたかったなあ!

2020-08-17 08:09:28 | 日記

コロナ禍の自粛ムードの世の中ですから、今夏の盆休みは心ならずも孫たちに「帰省して くれるな!」

と伝えて、涙している地方在住の爺さんたちは多いですよね。私もその一人です。

 

孫が来ないことが決まって、最も残念に思うのは「今年はカブトムシを捕まえるぞ。虫か ごを持って

来い」という言葉を、今年は言える条件が揃っていたのに言えなかったことで す。実は散歩道のルート

にある日枝神社の境内の林で、1本の樹木に10匹以上で群がって いるカブトムシたちを見つけたのです。

樹液は1週間ぐらいで止まることはありませんの で、かなりの期間、同じ木にカブトムシたちは群れて

いるのです。 これなら日程調整も可能で孫の期待を裏切ることはありません。昨年までは孫のためにと

張り切って探しても見つけることができなかったので、カブトムシやクワガタムシの名前 を事前に口に

出すことを禁句にしていました。それほどまでにカブトムシたちが群がって いる樹木を探すのは私にと

っては難しかったのです。それが何と、何と、今年は見つかったのです。ところが今夏は帰省しません。

この事実を 知らせることは悲しませるだけだと思えて、伝えることができないでいます。全く残念な こ

とです。

 

来年も今回見つけた樹木から今年と同様に樹液が流れ出て、カブトムシたちがここに集う かどうかは分

かりませんので、今回の発見から「樹液が出る木を予測する術」を備忘録と して残し、来年のカブトム

シ・クワガタムシ探しの備えとします。

 

1.カブトムシたちはどんな種類の木に集まるのでしょうか?

  ドングリができる木が狙い目です。クヌギ・コナラ・アラカシ(関西方面)・シラカ シ(関東方面)

  などのブナ科の高木ですね。それぞれの木の特徴を覚えてから、雑木 林へ樹液痕を探しに出かけま

  しょう!

2.木に樹液を流させているのは誰だ?

  クヌギの場合はボクトウガという「ガ」の幼虫が、出口付近の樹皮を傷つけて樹液が 常に出るよう

  に操作しているそうです。彼らは集まってきたガやアブ、ダニなどを捕 まえて食べています。あの

  樹液はボクトウガの幼虫が作る罠なのです。カブトムシや クワガタムシは頑丈な体ですのでボクト

  ウガに襲われることはありませんので、一方 的にこの罠を餌場として利用しているのです。カミキ

  リムシの幼虫も樹液を出させる そうですが、量は少なくすぐに止まるそうです。

3.樹液が漏れ続ける理由

  ボクトウガの幼虫が常駐している間は、傷口が修復されないで、常に樹液が漏れ出しているのです。

  樹液を食べに来る昆虫たちにとっては、彼らはありがたい存在なのです。樹液は1日中、出ています

  が、出る量が増えるのは夜間です。日が沈んで光合成 が終了すると、栄養分は師部(しぶ)を通っ

  て木の隅々に運ばれていくため、夜間は樹液の量は増えることになります。このために、夜になると

  力の強い、カブトムシや クワガタムシが樹液に群がるようになります。これは、昆虫の天敵である

  カラスを避 けるためでありますが、樹液が沢山出ることにも関係していると思います。

4.なぜ、クヌギのような樹皮の厚い木の樹液が選ばれるのか?  

  夏は全ての樹木にとって、最も光合成が盛んに行われている時期です。光合成によって、葉で生産さ

  れた糖などは、師部を通って樹体全体に送られます。師部は糖を輸送 しているので、傷付けられて出

  てくる樹液は、基本的に甘いのです。しかし、病原菌 や害虫から身を守るため、樹液の中にポリフェ

  ノールなどの抗菌物質が含まれています。その主な成分は「タンニン」で、抗菌物質が多いほど渋みが

  強い樹液になります。 クヌギの樹皮は、コルク層が厚く、ゴツゴツしています。このコルク層は、「ス

  ベリ ン」という微生物が消化・分解しにくいロウ物質から出来ています。なので、コルク 層が厚けれ

  ば厚いほど、病原菌や害虫が攻撃できない強力なバリアになります。そして、クヌギの樹皮そのものに

  も、タンニン成分を多く含んでいるので、樹液中に抗菌 物質を多量に含む必要がないために樹液は甘く、

  自ずとカブトムシたちが集まるというわけです。子供の頃、「クヌギの木を探せ」と言われましたが、

  これで納得できました。一方、ヒメシャラやサルスベリなどの樹皮が薄い木は、抗菌物質を多く出して

   います。この樹皮が薄い樹木は、薄いという欠点を「抗菌性物質を多量に出す」ことで補っています。

  そしてもう一つ、「樹皮で光合成する」という戦略をとっています。 結論として樹皮の薄い樹木は、

  抗菌性物質が多く含まれているから渋いので、昆虫は 近づきません。

5.どんな場所に生えていたのか?

  見つけたのはシラカシの木だと思います。日枝神社の境内にありました。道端から見 える場所にあり

  ながら、直射日光があまり当たることがない場所でした。おそらく森 の中心部の暗い場所より、道端

  から見える明るい環境の方が、餌の虫たちも集まりやすいのだと思います。

6.カブトムシを見つけるポイント

  昼間であれば、溢れ出した樹液が微生物や天然の酵母によって発酵がすすみ、強烈な匂いがするので、

  周囲を飛び回るハチやチョウの群れを見つけることで、この辺りにありそうだと予測できます。そし

  て、カラスは天敵ですから、近くにカラスがいる場所にはいません。私は偶然、道端に数匹のカブト

  ムシの死骸が落ちているのを見つけて気付きました。多くの死骸が落ちている場所の周辺は可能性が

  大です。探すのは風が弱くて蒸し暑い日が狙い目です。特に、雨が降った日の翌日は、虫たちもお腹

  が減っているのでチャンスです。カブトムシやクワガタなど、夜の昆虫の観察なら、午後8時から

  10時ごろが一番いい時間帯です。

 

樹木は懸命に防御していますから、樹液を出している木を見つけることは難しいのが実感 です。樹液を出

す木は少ないだけに、見つかるとカブトムシたちはどんなに遠くからでも 集まってくるのですね。今回は

写真を見れば分かるようにクワガタムシは見つかりませんでした。でもまだチャンスはあります。これか

らはクワガタムシを集中的に探そうと思います。

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カブトムシをプレゼントしたかったなあ!

2020-08-17 08:09:28 | 日記

コロナ禍の自粛ムードの世の中ですから、今夏の盆休みは心ならずも孫たちに「帰省して くれるな!」

と伝えて、涙している地方在住の爺さんたちは多いですよね。私もその一人です。 孫が来ないことが

決まって、最も残念に思うのは「今年はカブトムシを捕まえるぞ。虫か ごを持って来い」という言葉を、

今年は言える条件が揃っていたのに言えなかったことで す。実は散歩道のルートにある日枝神社の境内

の林で、1本の樹木に10匹以上で群がって いるカブトムシたちを見つけたのです。樹液は1週間ぐらいで

止まることはありませんの で、かなりの期間、同じ木にカブトムシたちは群れているのです。 これなら

日程調整も可能で孫の期待を裏切ることはありません。昨年までは孫のためにと 張り切って探しても見

つけることができなかったので、カブトムシやクワガタムシの名前 を事前に口に出すことを禁句にして

いました。それほどまでにカブトムシたちが群がって いる樹木を探すのは私にとっては難しかったのです。

それが何と、何と、今年は見つかったのです。ところが今夏は帰省しません。この事実を 知らせること

は悲しませるだけだと思えて、伝えることができないでいます。全く残念な ことです。

 

来年も今回見つけた樹木から今年と同様に樹液が流れ出て、カブトムシたちがここに集う かどうかは分

かりませんので、今回の発見から「樹液が出る木を予測する術」を備忘録と して残し、来年のカブトム

シ・クワガタムシ探しの備えとします。

 

1.カブトムシたちはどんな種類の木に集まるのでしょうか?

  ドングリができる木が狙い目です。クヌギ・コナラ・アラカシ(関西方面)・シラカ シ(関東方面)

  などのブナ科の高木ですね。それぞれの木の特徴を覚えてから、雑木 林へ樹液痕を探しに出かけま

  しょう!

2.木に樹液を流させているのは誰だ?

  クヌギの場合はボクトウガという「ガ」の幼虫が、出口付近の樹皮を傷つけて樹液が 常に出るよう

  に操作しているそうです。彼らは集まってきたガやアブ、ダニなどを捕 まえて食べています。あの

  樹液はボクトウガの幼虫が作る罠なのです。カブトムシや クワガタムシは頑丈な体ですのでボクト

  ウガに襲われることはありませんので、一方 的にこの罠を餌場として利用しているのです。カミキ

  リムシの幼虫も樹液を出させる そうですが、量は少なくすぐに止まるそうです。

3.樹液が漏れ続ける理由

  ボクトウガの幼虫が常駐している間は、傷口が修復されないで、常に樹液が漏れ出しているのです。

  樹液を食べに来る昆虫たちにとっては、彼らはありがたい存在なのです。樹液は1日中、出ています

  が、出る量が増えるのは夜間です。日が沈んで光合成 が終了すると、栄養分は師部(しぶ)を通っ

  て木の隅々に運ばれていくため、夜間は樹液の量は増えることになります。このために、夜になると

  力の強い、カブトムシや クワガタムシが樹液に群がるようになります。これは、昆虫の天敵である

  カラスを避 けるためでありますが、樹液が沢山出ることにも関係していると思います。

4.なぜ、クヌギのような樹皮の厚い木の樹液が選ばれるのか?  

  夏は全ての樹木にとって、最も光合成が盛んに行われている時期です。光合成によって、葉で生産さ

  れた糖などは、師部を通って樹体全体に送られます。師部は糖を輸送 しているので、傷付けられて出

  てくる樹液は、基本的に甘いのです。しかし、病原菌 や害虫から身を守るため、樹液の中にポリフェ

  ノールなどの抗菌物質が含まれています。その主な成分は「タンニン」で、抗菌物質が多いほど渋みが

  強い樹液になります。 クヌギの樹皮は、コルク層が厚く、ゴツゴツしています。このコルク層は、「ス

  ベリ ン」という微生物が消化・分解しにくいロウ物質から出来ています。なので、コルク 層が厚けれ

  ば厚いほど、病原菌や害虫が攻撃できない強力なバリアになります。そして、クヌギの樹皮そのものに

  も、タンニン成分を多く含んでいるので、樹液中に抗菌 物質を多量に含む必要がないために樹液は甘く、

  自ずとカブトムシたちが集まるというわけです。子供の頃、「クヌギの木を探せ」と言われましたが、

  これで納得できました。一方、ヒメシャラやサルスベリなどの樹皮が薄い木は、抗菌物質を多く出して

   います。この樹皮が薄い樹木は、薄いという欠点を「抗菌性物質を多量に出す」ことで補っています。

  そしてもう一つ、「樹皮で光合成する」という戦略をとっています。 結論として樹皮の薄い樹木は、

  抗菌性物質が多く含まれているから渋いので、昆虫は 近づきません。

5.どんな場所に生えていたのか?

  見つけたのはシラカシの木だと思います。日枝神社の境内にありました。道端から見 える場所にあり

  ながら、直射日光があまり当たることがない場所でした。おそらく森 の中心部の暗い場所より、道端

  から見える明るい環境の方が、餌の虫たちも集まりやすいのだと思います。

6.カブトムシを見つけるポイント

  昼間であれば、溢れ出した樹液が微生物や天然の酵母によって発酵がすすみ、強烈な匂いがするので、

  周囲を飛び回るハチやチョウの群れを見つけることで、この辺りにありそうだと予測できます。そし

  て、カラスは天敵ですから、近くにカラスがいる場所にはいません。私は偶然、道端に数匹のカブト

  ムシの死骸が落ちているのを見つけて気付きました。多くの死骸が落ちている場所の周辺は可能性が

  大です。探すのは風が弱くて蒸し暑い日が狙い目です。特に、雨が降った日の翌日は、虫たちもお腹

  が減っているのでチャンスです。カブトムシやクワガタなど、夜の昆虫の観察なら、午後8時から

  10時ごろが一番いい時間帯です。 樹木は懸命に防御していますから、樹液を出している木を見つけ

  ることは難しいのが実感 です。樹液を出す木は少ないだけに、見つかるとカブトムシたちはどんなに

  遠くからでも 集まってくるのですね。今回は写真を見れば分かるようにクワガタムシは見つかりませ

  ん でした。まだチャンスはあります。これからはクワガタムシを集中的に探そうと思います。

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お~い!仲良し3人組、うみおばけが出るぞ!

2020-08-10 07:51:17 | 日記


動物村の仲良し3人組は好奇心旺盛で怖いもの知らず。動物村の浜辺に漂着してきたボー
トが今の関心事です。村の長老からは「このボートに乗って沖へ出てはいけない。海に
は「うみおばけ」がいて、ボートをひっくり返して、お前たちを海の中の深い底に引き
ずり込むのだぞ!」と強く言われています。うみおばけは怖いけれど、それでも長老も
知らない水平線の向こうの世界が見てみたいという好奇心は日増しに強くなるばかりで
す。3人組は連日、砂浜のボートに乗り込んでは、オールを使って漕ぐ真似をしながら、
海の向こうの世界のことを話し合っています。

コン太:今日も海は穏やかだよな。これならあそこに見える水平線まで行けるんじゃな
   いか。
ポン吉:長老はうみおばけが出ると言ったけど、見たことがないらしい。どんな姿をし
    ているのかな?僕たちを怖がらせるための作り話じゃないのかな。
ミミ :私もそう思いたいの。私たちをボートに乗せないために言っているのよ。水平
    線の向こうには美味しい食べ物がいっぱいある島があると思うのよ。
コン太:ミミは食べ物にしか関心が無いんだな。
ミミ :失礼ね。食べ物だけじゃないわよ。でも、食べたことがない美味しい物が食べ
    られたら素敵じゃない。
ポン吉:やはり、食べ物の話に戻っちゃうね。ハッハッハ
ミミ :二人してからかうなら帰る。怒ったわ。
コン太:ごめんよ!実は僕も同じことを考えていたんだよ。だから許してな。
ポン吉:考えることは皆同じだね。僕もだよ。
ミミ :そうだったの、それなら許してあげる。怒って損しちゃったみたい。

こうして3人組は水平線の向こうにある見えない世界に想いを馳せていましたが、ある日、
とうとう我慢ができなくなって、ボートを海まで押し出して乗り込んでしまいました。

ポン吉:とうとう、海に出てしまった。フワフワと波間に漂うのは気持ちがいいね。
コン太:こんなに穏やかな海なのだから、うみおばけなんて出ないよ。
ミミ :もう少し、沖に行かない。水平線の近くに行ったら島が見えるかもしれないわ。

3人組は海の上でのオールの使い方にも慣れてきて、上手にボートを操れるようになり
ました。こうして、自信を付けた3人組はボートを少しずつ、沖合に見える水平線に向
かって進め始めました。

ポン吉:あれを見て!海の中から何かが飛び出してきた。海の上を飛んでいるよ。あそ
    こでもいっぱい飛んでいる。どんどんこちらに向かって来るぞ。
コン太:あれはどう見ても魚だぞ。うみおばけではないようだ。
ミミ :速い。どんどん近づいてくる。来た!キャー!ボートに飛び込んできた。やっ
    ぱり魚よ。びっくり、これを見て!魚に羽根が生えているわ。海の上を飛ぶ魚
    がいるなんて知らなかったわ。

飛び魚たちはボートを追い越して見えなくなりました。3人組はうみおばけでないこと
でホッとしましたが、想像もできなかった飛ぶ魚を見て、ますます、水平線の向こうの
世界に興味が湧き、オールを操る手に力が入りました。

ポン吉:今度は何が出てくるのかな?海には僕たちが知らない不思議な世界があるんだね。
コン太:やっぱし、うみおばけは長老の脅かしなんだよ。
ミミ :でも、長老は絶対にウソは言わないわ。気を付けることに越したことはないわ
    よ。もうすぐ、美味しい食べ物がある島が見えるかもしれないわね。

その時です。遠くの水平線の方で「ザボ ザボ ザブ~ン」と大きな音がしたかと思うと、
海が大きく二つに割れ、その割れ目から大きな、大きな一つ目のうみおばけが、現れて立
ち上がりました。3人組を乗せたボートは大きく揺れて大ピンチです。3人組は怖くて声も
出せず、ボートにしがみついていました。

うみおばけ:(雷鳴がとどろくような大きな声で)「お~い!ボートに乗せてくれ!」

3人組はボートにしがみつきながら、顔を見合わせていましたが、突然ミミが勇気を出し
てうみおばけに向かって言いました。

ミミ :いいわよ。
ポン吉:勝手に何を言いだすのだ!ダメだよ、絶対にダメ!あんなに大きなものが乗った
    ら、ボートが転覆しちゃうよ。
コン太:ダメだ、ダメだ、逃げるのが先だ!あいつは「うみおばけ」だぞ。早く逃げない
    と海に引きずり込まれてしまう。
ミミ :ここは私に任せて!考えがあるの!断ったら何をされるかわからないわ。
    うみおばけさん、「ボートに乗れるくらい小さくなって、ここまで泳いで来たら
    乗せてあげるわ」。
うみおばけ:本当に乗せてくれるのだな。ヨ~シ、分かった。

うみおばけは3人組が見ている前で、どんどん小さくなって「エッコラ、エッコラ」とボ
ートに向かって泳いできます。

ミミ :今よ!みんなで力を合わせて、力いっぱいボートを漕いで浜辺に戻るの。
ポン吉・コン太:分かった。これからは俺たちの番だ。力いっぱい漕ぐぞ。
エイサー、エイサー・・・ 

3人組は後ろも振り向かずにボートを漕ぎ続けて、やっとの思いで浜辺にたどり着きまし
た。海に向かって振り返えると、うみおばけはいつの間にか消えていました。

一人で沖へ出ると「うみおばけ」がでるぞ! 

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